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仕事・スキル 介護士の常識 2024/04/12

緑寿とは何歳のお祝い?緑寿祝いで喜ばれるプレゼントも解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

長寿祝いは、日本に古くから伝わる風習です。長寿祝いでは、60歳の還暦や70歳の古希、80歳の傘寿など、さまざまな賀寿(※)を祝うのが通例となっており、それぞれにテーマカラーなども決まっています。

ところで、その長寿祝いに、近年新しい賀寿が加わったことをご存じですか? そう、66歳を祝う緑寿です。とはいえ、みなさんのなかには「緑寿にはどういう由来があるのか」「どうやって祝うのがよいのか」について、詳しく知らない方も多いかもしれませんね。

そこで今回は、緑寿の概要や緑寿祝いに喜ばれるプレゼント・NGなプレゼントなどについて紹介します。緑寿を迎えるご家族や同僚がいらっしゃる方は、ぜひ最後までお読みください。

※ 長寿のお祝いのこと。上に紹介したもののほか、88歳の米寿、90歳の卒寿、100歳の百寿などがあります。

1.緑寿とは21世紀にできた新しいお祝い

先に紹介したように、緑寿とは66歳を祝う賀寿のことです。厚生年金保険法改正によって年金支給が60歳から65歳に引き上げられたり、定年退職の年齢が65歳まで延長されたりする状況を受けて、日本百貨店協会が2002年に提唱。新しい長寿祝いとして緑寿が誕生しました。

緑寿の読み方は、「ろくじゅ」です。66歳は「ろくろく」とも読めることから、「緑緑」や「緑々」の字をあてて、そう呼ばれるようになりました。つまり、「緑々寿」の略称が緑寿というわけです。なお、緑寿に含まれる「緑」の漢字には、自然環境に対する思いも込められていると言われています。

緑寿祝いを祝う方法は決まっていない

緑寿が何歳のお祝いなのかわかったところで、次は「どのように祝うのか」について解説していきましょう。と言いたいところですが、実は、緑寿祝いを祝う風習はまだ定まっていません。また、決まった縁起物やテーマカラーもありません。

ただし、定年を迎える65歳以降に初めて行う長寿祝いとなるため、定年退職祝いとあわせて行うケースが一般的となっています。決まりごとではありませんが、お祝いのときは緑寿の「緑」にちなんで、緑色のアイテムをプレゼントする方が多いそうですよ。

このように、緑寿祝いの方法は比較的自由であるため、祝われる方の好みや体力にあわせて行うのがよいでしょう。66歳はまだまだ元気な方も多いので、趣味にまつわるアイテムや家族旅行をプレゼントするなどの方法でお祝いするのもおすすめです。

緑寿祝いをする方の生まれ年

伝統的に長寿祝いは「数え年」で行うことが基本でした。しかし、現在の日本では満年齢が使われていることから、長寿祝いを満年齢でお祝いするケースが増えています。もちろん、緑寿祝いも数え年・満年齢のどちらで行っても問題ありません。

ちなみに、数え年は生まれた日を1歳とカウントし、その後は元旦(1月1日)を迎えるたびに年齢を1つずつ足していく数え方。一方の満年齢は生まれた日を0歳とし、誕生日ごとに1歳ずつ年齢を加えていく数え方となります。

下記は、2023年〜2025年に緑寿を迎える方の生まれ年をまとめた表です。

現在の年数 満年齢でお祝いする場合 数え年でお祝いする場合
2023年 1957(昭和32)年 丁・酉(ひのと・とり) 1958(昭和33)年 戊・戌(つちのえ・いぬ)
2024年 1958(昭和33)年 戊・戌(つちのえ・いぬ) 1959(昭和34)年 己・亥(つちのと・い)
2025年 1959(昭和34)年 己・亥(つちのと・い) 1960(昭和35)年 庚・子(かのえ・ね)

たとえ家族であっても、自分以外の年齢や生年月日は意外と覚えていられないもの。66歳を迎えるご家族や同僚をきちんと祝うためにも、あらかじめ確認しておきましょう。

2.介護職は緑寿を迎えた方のセカンドキャリアにおすすめ

65歳になると、定年退職によってリタイアする方が多いイメージがあります。しかし、最近は65歳以降でも現役で働いている方が増えており、例えば介護業界では、69.1%の事業所で65歳以上の職員が勤務しています。
(出典:介護労働安定センター「令和4年度「介護労働実態調査」結果の概要について」

こうしたデータを見る限り、介護職は「定年退職したら、これまでと違った環境で働いてみたい」という方にぴったりのセカンドキャリアと言えそうです。

セカンドキャリアとして介護職を選ぶメリット

定年あるいは緑寿を迎えた方がセカンドキャリアとして介護職を選ぶメリットとして、以下の3つが考えられます。

●自分や家族の将来に役立つ
介護職として働いていると、要介護者に対する身体介助のスキルはもちろん、介護に関する制度や介護現場の実情も把握できます。そうしたスキルや知識は、将来的に家族や配偶者、自分自身に介護が必要となったときに大いに役立つでしょう。

●社会経験を生かして活躍できる
介護業界には体力を使う業務が多いため、「若い人材でないと活躍できないのでは?」と考えている方も少なくありません。しかし、介護業界で働くにあたっては、社会経験やコミュニケーション能力も必要です。緑寿の方は社会経験が豊富で、利用者さんとの年齢も近いことから、職場の雰囲気になじみやすく、利用者さんからの信頼も得やすいでしょう。

●介護業界の需要が高い
近年の日本は急速に少子高齢化が進んでおり、介護業界は需要(利用者さんの数)に対して供給(介護職員の数)が追い付いていない状況です。そのため、介護職を志望される方は、比較的雇用されやすい状況にあると言えるでしょう。

関連記事:介護業界って何歳まで働ける?定年シニア世代が介護施設再就職で働くための心得

3.緑寿祝いに喜ばれるプレゼントとNGのプレゼント

緑寿祝いでは、緑色のアイテムをプレゼントに選ぶケースが多く見られますが、それがルールというわけではありません。基本的には、相手の好みや生活スタイルにあわせて、自由に選ぶのがよいでしょう。ただし、高齢の方や目上の方へのお祝いギフトには、「贈らないほうがよい」とされるものもあるため、あらかじめ喜ばれるプレゼントとNGなプレゼントの違いを把握しておいてください。

ここからは、緑寿祝いにぴったりのプレゼントとNGとされるプレゼントについて解説します。

緑寿祝いにぴったりのプレゼント

緑寿祝いにぴったりのプレゼントとして、下記のようなものが挙げられます。

●緑色のフラワーギフトやハーバリウム
緑寿の「緑」には、自然環境への思いも込められています。そのため、緑色をモチーフにしたフラワーギフトやハーバリウムは緑寿祝いにぴったりのプレゼントと言えるでしょう。フラワーギフトには、トルコキキョウやカーネーションといった美しい花をチョイスするのがおすすめです。緑色にはリラックス効果もあるとされているため、部屋に飾っておけるコンパクトなサイズのものを選ぶとよいでしょう。お手入れの簡単なプリザーブドフラワーも人気があります。

●グラスやタンブラー
緑寿を迎えて自宅でのんびり過ごす時間が増えた方や、お酒が好きな方には、グラスやタンブラーのプレゼントもおすすめです。グラスやタンブラーは、用途によって大きさや形状、機能性が異なるので、あらかじめ好みを聞いておくとよいでしょう。名前を入れたりすると、より特別感を演出できます。

●タオルセット
タオルセットは、あらゆるシーンで重宝する定番のプレゼントです。緑寿祝いのプレゼントとしてタオルセットを選ぶときは、肌触りのよい上質な素材を選びましょう。緑寿にちなんでグリーン系のタオルセットを選ぶのもおすすめです。


なお、名入れのギフトはオーダーメイド商品となるため、購入してから手元に届くまで1~2週間ほどかかることがあります。緑寿祝いを開催する日に間に合うように、早い段階で注文しておきましょう。

緑寿祝いではNGのプレゼント

目上の方や年上の方へのプレゼントとして失礼にあたるものは、緑寿祝いにおいても当然NGです。以下に、緑寿祝いでNGとされるプレゼントを3つ紹介します。

●刃物
包丁やハサミといった刃物は「縁を切る」ことの象徴とされる場合があります。つまり、贈る側・贈られる側の「関係性を断ち切る」ということをイメージしやすいプレゼントなのです。盆栽や庭木の剪定を趣味とする方から、ハサミのリクエストがあった場合は問題ありませんが、基本的に刃物をお祝いの品として活用するのは避けたほうがよいでしょう。

●ハンカチ
ハンカチは漢字で「手巾」と表記することから、「手切れ」をイメージさせてしまいます。また、手切れから「縁切れ」も連想されるため、緑寿祝いのプレゼントとしてはふさわしくありません。

●靴・靴下
緑寿祝いのプレゼントを選ぶ際には、靴、靴下などの「足で踏みつけるもの」も避けましょう。それらのアイテムは「あなたを下に見ています」「あなたを踏み台にしています」という意味を連想させるため、目上の方に贈るのはNGだとされています。一般的なマナーとしても覚えておいてくださいね。


まとめ

緑寿は、定年退職や年金支給といった「人生の節目」が60歳から65歳になったことを受けて、日本百貨店協会が提唱した「66歳を祝う賀寿」です。2002年に誕生した比較的新しい賀寿であるため、祝い方には決まったルールがなく、定年退職祝いとあわせて行うケースが多く見られます。

ただし、決まったルールがないからといって、「何を贈ってもよい」というわけではありません。本記事で紹介したNGギフトを避けつつ、相手に喜んでもらえる品物を選びましょう。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で活躍する介護職の方に向けて、業界の基礎知識・豆知識、制度の解説、レクリエーションの紹介など、有益な情報を多数掲載しています。緑寿以外の賀寿についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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