Produce by マイナビ介護職 マイナビ介護職

介護の未来ラボ -根を張って未来へ伸びる-

仕事・スキル 介護士の常識 2024/05/10

米寿は何歳を祝う?介護施設での祝い方やプレゼントについても解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumb_88.jpg

日本には古くから人生の節目となる長寿祝いの習わしがあります。そうした習わしは「賀寿(がじゅ)」と呼ばれ、60歳(数え年で61歳)を迎えた方を祝う還暦や70歳の古希、77歳の喜寿など、さまざまな種類があります。

88歳を迎えた方を祝う「米寿(べいじゅ)」もその1つで、豊かさの象徴でもある金茶色、黄色が米寿祝いのテーマカラーです。

当記事では、米寿の概要や適切なお祝いのタイミングから、介護施設で米寿祝いを行うときのアイデア、米寿祝いにぴったりのプレゼントまでを詳しく解説します。「米寿を迎える利用者さんをお祝いしたい」と考えている介護職員の方は、ぜひご覧ください。

1.米寿とは何歳のお祝い?

米寿とは、88歳を迎える方に対する長寿のお祝いです。88の漢数字である「八十八」をひとまとめにすると「米」という漢字になることから、米寿と呼ばれるようになりました。「八」は末広がりで縁起がよいとされていることから、八が2つ並ぶ88歳は大変めでたいものとされています。

なお、賀寿は誰もがよく知る、60歳の「還暦」から始まります。60歳から100歳までの賀寿は、下記の通りです。

年齢 賀寿の名称 読み方 テーマカラー
60歳 還暦 かんれき 赤色
70歳 古希 こき 紫色
77歳 喜寿 きじゅ 紫色
80歳 傘寿 さんじゅ 金茶色・黄色
88歳 米寿 べいじゅ 金茶色・黄色
90歳 卒寿 そつじゅ 白色・紫色
99歳 白寿 はくじゅ 白色・紫色
100歳 百寿 ひゃくじゅ・ももじゅ 白色・桃色

70歳(古希)・80歳(傘寿)といったきりのよい年齢に加えて、77歳(喜寿)、88歳(米寿)などゾロ目となる年齢で祝うのも賀寿の特徴と言えます。

米寿のお祝いは満年齢・数え年のどちらで行う?

米寿祝いは、数え年で88歳となる年に行うのが基本でした。しかし、近年では満年齢で88歳となる年に米寿を祝うケースも増えています。

満年齢は誕生時点を0歳とみなし、誕生日を迎えるたびに1歳ずつ増える数え方、数え年は誕生時点を1歳とみなし(胎内で過ごす十月十日の時間を年齢に加算)、正月を迎えるたびに1歳ずつ増える数え方です。

以下では、米寿を満年齢でお祝いする場合と、数え年でお祝いする場合の生まれ年を紹介しましょう。

現在の年数 満年齢でお祝いする場合 数え年でお祝いする場合
2023年 1935(昭和10)年 1936(昭和11)年
2024年 1936(昭和11)年 1937(昭和12)年
2025年 1937(昭和12)年 1938(昭和13)年

このように、満年齢と数え年とではお祝いする相手の生まれ年が異なります。介護施設で米寿を祝う場合は、祝う側・祝われる側に混乱が生じないように、現代の一般的な年齢の数え方である満年齢で行うのがよいでしょう。

米寿のお祝いに合った時期

前章では、米寿は満年齢、数え年のどちらでお祝いしても問題なく、近年は満年齢で祝うケースが増えていることを紹介しました。では、「お祝いの時期」としてはいつが適切なのでしょうか。

結論から言えば、米寿祝いを行う時期に決まりはありません。一般的にはお正月やお盆、ゴールデンウイークなど家族や親せきが集まりやすい時期に米寿祝いを行うことが多く、満年齢で祝う場合は誕生日のお祝いとあわせて行うケースもあります。

米寿祝いは満年齢および数え年で88歳を迎える年であれば、どのタイミングで行っても問題がないため、できる限り多くの方が参加できるタイミングでお祝い会を開催するのがよいでしょう。それによって、より思い出に残るイベントになるはずです。

2.介護施設で米寿祝いを行うときのアイデア

米寿は末広がりの年齢であることから、非常におめでたいものとされています。介護施設で米寿のお祝いイベントを実施するときは、祝われる方だけでなく祝う側の利用者さんも楽しめるような、特別感のある催しにしたいものです。

ここでは、介護施設で米寿のお祝いイベントを実施するときのアイデアを4つ紹介します。

金茶色や黄色にちなんだ衣装を用意する

賀寿には、年齢ごとにテーマカラーが定められています。

米寿は、「米」という漢字から「実入りの季節を迎えた稲穂が黄金に輝く様子」が連想できるため、金茶色・黄色がテーマカラーとなっています。

そのため、米寿を迎える利用者さんには、金茶色や黄色のちゃんちゃんこを着てもらうのがよいでしょう。ちゃんちゃんこだけだと物足りない場合は、ちゃんちゃんこと同色の座布団や帽子をプラスするのもおすすめです。

表彰式を行う

米寿祝いのイベントでは、米寿を迎えられる方に向けて表彰式を行うのもよいでしょう。表彰式では、表彰状に加えて「いつまでも元気に長生きしてね」といった内容のメッセージカードを手渡すことで、より印象深い1日になるでしょう。

実際に多くの介護施設では、米寿やその他の賀寿を迎えた利用者さんに対して、盛大な表彰式を行っています。表彰状を作成するときは、各利用者さんの名前や迎える賀寿の種類を混同しないように注意してください。

お祝いのケーキや特別な食事を提供する

米寿祝いのイベントに欠かせないのが、お祝いのケーキや特別感のある食事です。利用者さん全員で過ごす華やかな食事の場は、お祝いイベントにおける最大の醍醐味といっても過言ではありません。

お祝いケーキを用意する際は、利用者さんの好きなフルーツを入れたり、参加者全員の健康状態に配慮したりすること(咀嚼機能が低下している方がいらっしゃる場合は、安心して食べられるようやわらかいムース状のケーキを用意するなど)がポイントです。

より強い印象を残したいなら、米寿を迎える利用者さんの写真がプリントされたフォトケーキを使うのも一案です。

食事はお祝いの場にふさわしい赤飯や寿司のほか、米寿にちなんだ金茶色・黄色の料理を用意するとよいでしょう。

写真撮影などで思い出に残す

米寿祝いの様子を写真に残すのもおすすめです。米寿のテーマカラーをまとった利用者さんの姿や表彰式、食事の様子を撮影し、プリントアウトしてプレゼントすれば、米寿祝いでの出来事を定期的に思い出してもらえるでしょう。

米寿祝いのイベントに参加した利用者さん・職員も加わって集合写真を撮影すれば、施設の全員で思い出を共有することもできます。

3.米寿で喜ばれる贈り物とNGな贈り物

古くから、米寿祝いでは「米」にちなんだ記念品が配られることが多く、関西の一部地域には枡や斗掻棒を贈る風習もありました。

米寿の贈り物をする際は、こうした伝統に習うのも1つの方法ですが、近年は利用者さんの嗜好に合ったプレゼントを選ぶのが一般的となっています。一方で、米寿祝いには向いていないNGな贈り物もあるので、覚えておくとよいでしょう。

ここからは、米寿祝いに向いているプレゼントと、避けたほうがよいプレゼントについて紹介します。

米寿で喜ばれるプレゼントの例

米寿祝いでは、以下のようなプレゼントが喜ばれる傾向にあります。

・お箸
米寿祝いでは、米寿の「米」にちなんで、おごはんを食べるためのお箸をプレゼントするケースが多く見られます。お箸ギフトにはさまざまな種類があり、箸置きとセットになっているものや名入れ可能なものもあります。テーマカラーである金茶色や黄色のお箸は米寿祝いにぴったりですが、日々使うものでもあるので、祝いたい相手の好みに合わせて選ぶのがよいでしょう。

・花束
花束は、米寿をはじめとする賀寿や誕生日など、お祝い事における代表的な贈り物です。米寿祝いで花束を贈るときは、テーマカラーである黄色の花をメインにするとよいでしょう。自分で生花のお世話ができない利用者さんの場合は、特別なお手入れが不要で長期間楽しめる、プリザーブドフラワーやハーバリウムを贈るのがおすすめです。

・フォトブックやアルバム
利用者さんのこれまでの思い出が詰まったフォトブックやアルバムも、米寿祝いのプレゼントにぴったりです。フォトブックやアルバムに空きスペースを残しておけば、米寿祝いの最中に撮影した写真を入れることもできます。なお、フォトブックやアルバムを贈るときは、利用者さんの家族から手渡してもらうと、喜びもひとしおでしょう。


米寿祝いで避けたほうがよいプレゼント

米寿祝いで避けるべきプレゼントとして、下記が挙げられます。よかれと思って贈ったもので相手を不快にさせないように、あらかじめ把握しておきましょう。

・くし
くしは、「苦・死」を連想させるほか、「くしの歯が欠けたよう」といった縁起の悪い慣用表現にも使われるため、贈り物としては不適切です。

・つえ・老眼鏡・補聴器など
過度に相手に老いを感じさせる贈り物は、賀寿の祝いでは避けたほうがよいとされています。

・日本茶
日本茶は香典返しに利用されるため、葬儀を連想させて縁起が悪いと言われています。


まとめ

米寿とは、88歳を迎えた方を祝う習わしのことです。かつては、数え年で88歳となる年に米寿祝いを行うのが基本でしたが、近年では満年齢で祝うケースが増えています。

介護施設で米寿祝いのイベントを実施するときは、テーマカラーである金茶色・黄色の衣装を用意したり、表彰式を行ったりするとよいでしょう。ケーキや特別感のある食事を用意することも、思い出に残るイベントにするための大事なポイントです。

なお、米寿祝いのプレゼントには、相手の好みに合った実用性の高い品物が最適です。

「介護のみらいラボ」では、介護業界で活躍する方たちに向けて、多くのお役立ち情報を掲載しています。スキルアップ・キャリアアップの方法が知りたい方や、利用者さんのためにさまざまな豆知識を習得しておきたい方は、ぜひ介護のみらいラボをチェックしてください。

※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

【日本全国電話・メール・WEB相談OK】介護職の無料転職サポートに申し込む

最新コラムなどをいち早くお届け!
公式LINEを友だちに追加する

お役立ち情報を配信中!
X(旧Twitter)公式アカウントをフォローする

介護職向けニュースを日々配信中!
公式Facebookをチェックする

SNSシェア

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

介護職の仕事と生活に役立つ情報をお届けしています!「最新ニュース」「ほっとできる癒し術」「業界リーダーの貴重なインタビュー」「職場で活かせるスキルアップ術」などお役立ち情報が満載★

介護のみらいラボ編集部の執筆・監修記事

介護の仕事・スキルの関連記事

  • 介護士の常識

    2024/05/15

  • LIFE加算(科学的介護推進体制加算)とは?概要や算定要件・算定時の注意点などを解説

  • 文/倉元せんり
  • 介護士の常識

    2024/05/13

  • 入浴拒否をする利用者さんへの適切な声かけとは?原因とポイントを解説

  • 文/山本史子(介護福祉士)
  • 介護士の常識

    2024/05/10

  • 米寿は何歳を祝う?介護施設での祝い方やプレゼントについても解説

  • 構成・文/介護のみらいラボ編集部
もっと見る