7月の行事やイベント一覧|介護施設向けの行事食についても解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部![thumbnail_july.jpg](https://kaigoshoku.mynavi.jp/contents/kaigonomirailab/works/2024/06/thumbnail_july.jpg)
7月は、梅雨が明けて本格的な夏がやってくる時期です。夏休みも始まるため、介護施設に利用者さんのご家族が来られる機会も増えるのではないでしょうか。また、梅雨時の涼しさから一転して、日に日に暑さが増していくのもこの時期の特徴です。利用者さんが体調を崩さないように、十分注意してください。
7月には、七夕や海の日、土用の丑の日といった行事や記念日も多いため、介護施設でもそれらにまつわるレクリエーションを行ったり、行事食を提供したりする機会があるでしょう。
この記事では、7月の行事や行事食について詳しく解説します。7月のイベントやレクリエーション、行事食について、「何をすれば喜んでもらえるだろう」と悩んでいる介護職の方は、ぜひ参考にしてください。
1.7月の行事・記念日
7月の和風月名は「文月(ふみづき)」と言います。文月の語源にはいくつか説がありますが、稲穂がふくらむ月という意味の「穂含月(ほふみづき)」「含み月(ふくみづき)」が変化して「文月」になったという説が有力です。ほかにも、七夕に文(書物)を披(ひら)いて夜風にさらす風習があったことから「文披月(ふみひろげづき・ふみひらきづき)」と呼ばれるようになり、やがて「文月」に変化したという説もあります。
二十四節季(※)では、夏に分類され、梅雨が明けて暑さが本格的になる7月7日頃を「小暑」、1年で最も暑さが厳しく感じられる7月23日頃を「大暑」と呼びます。
※1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。立春や春分、夏至なども二十四節気です。
なお、旧暦と現在の暦(太陽暦)には、多少のずれがあるため、旧暦の7月は現在の7月下旬から9月上旬頃にあたります。
7月の誕生花は、夏の花の代名詞とも言うべきヒマワリで、花言葉は「あなただけを見つめる」「情熱」「憧れ」「光輝」などです。太陽に向かって咲く、ヒマワリらしい言葉ですよね。
以下では、7月の代表的な行事や記念日を取り上げて、それぞれの風習、過ごし方などを解説します。
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七夕:7月7日
7月の行事と言われて、真っ先に七夕を思い浮かべる方も多いでしょう。七夕は「織姫と彦星が、7月7日にだけ会うことを許される」という中国の伝説から生まれた行事です。ご存知の方も多いでしょうが、以下で織姫と彦星の伝説を簡単に紹介しましょう。
はた織りが上手な織姫(天帝の娘)と、働き者の牛飼いである彦星は、空を支配する天帝の引き合わせで結婚します。しかし、2人は新婚生活を楽しむあまり天の川で遊んでばかり。仕事もさぼりがちになって、織姫のはた織り機にはほこりがつもり、彦星が飼っていた牛たちもすっかり弱ってしまいました。
すると、これに怒った天帝は織姫と彦星を、天の川をはさんで東と西に引き離してしまいます。そのため、2人はお互いの姿を見ることすらできなくなってしまいました。しかし、娘である織姫があまりにも悲しむため、天帝は年に1回だけ2人が会うことを許します。それが、7月7日の七夕なのです。
七夕には、願い事を書いた五色の短冊を笹に飾ったり、折り紙などで作る色とりどりの七夕飾りをつるしたりする風習があります。
お中元:7月15日
「お中元」は夏の時期に、日頃お世話になっている方に感謝の気持ちを込めて贈り物をする風習です。
お中元の起源は中国の道教にあると言われています。中国の旧暦では1月15日が「上元」、7月15日が「中元」、10月15日が「下元」と呼ばれており、神様にお供え物をする行事がありました。その風習が日本の仏教の「盂蘭盆会」(うらぼんえ/親族や親しい人たちで集い、ご先祖さまをしのぶ行事)と結び付き、親しい方に贈り物をするようになったのだそうです。
介護施設でも利用者さんやそのご家族から、感謝の気持ちを込めてお中元を送りたいと言われる場合がありますが、介護施設ではお中元やお歳暮、心付けなどを受け取らないのが基本です。感謝の気持ちだけ受け取りつつ、丁寧に辞退しましょう。
海の日:7月の第3月曜日
7月の第3月曜日は、国民の祝日である「海の日」です。海の日はかつて「海の記念日」と呼ばれており、明治天皇が「明治丸」で東北地方に巡幸(1876年)し、横浜港へ到着された記念日として7月20日に制定されていました。その後、1995年に「海の日」という名前で国民の祝日となり、2003年からは日付が現在の7月の第3月曜日に変更されています。
海の日は国民の祝日に関する法律によって、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」と定められています。四方を海に囲まれ、海と深く関わってきた日本人にとっては、大切な休日と言えるでしょう。
土用の丑の日:7月末頃
「土用の丑の日」は中国の五行説から来た季節の変わり目を表す言葉(=土用)と、日本における暦の考え方(=日付を十二支に対応させたもの)から生まれた概念です。
五行説では、春を木、夏を火、秋を金、冬を水とし、割り振れなかった土を季節の変わり目に設定しています。季節の変わり目は、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前に存在する約18日間のことを指すため、「土用」は年4回存在します。
一方、昔の日本では暦(年の単位や日の単位)や時間を表すのに十二支が使われており、日単位で割り当てられた十二支は12日周期で「子」から「亥」までを一周します。つまり、土用の丑の日は「土用期間にある丑の日」を指す言葉というわけです。
なかでも暑さが厳しい立秋前の土用の丑の日は、ウナギを食べて精を付ける日としておなじみです。
2.7月の行事食
7月の食べ物として有名なのは、土用の丑の日に食べるウナギですが、行事にまつわる伝統的な食べ物はほかにもあります。
ここでは、介護の現場にも活用できる7月の行事食について、詳しく見ていきましょう。
そうめん:七夕
七夕の行事食と言えば、そうめんが有名です。七夕にそうめんを食べる理由には諸説ありますが、そうめんの原型である「索餅(さくへい・さくべい)」というお菓子に由来しているという説が有力です。
中国の言い伝えによると、7月7日に帝の子どもが熱病で亡くなり、死後に疫病が流行ったため、子どもの好物だった索餅をお供えしたところ、疫病の流行がおさまったとか。このことから、7月7日に索餅を食べて無病息災を祈る風習が広まったのだそうです。
索餅はその後、同じ小麦粉で作られるそうめんへと形を変え、日本における七夕の行事食として定着しました。
なお、そうめんが七夕の行事食になった由来には、そうめんを天の川に見立てたという説や、そうめんが織姫が得意なはた織りの糸に似ているからという説もあります。
この時期は暑さで食欲が減退しがちなので、涼しげでのどごしのよいそうめんは、施設の七夕イベントの食事にもぴったりですよね。
かりんとう:七夕
そうめんの原型である索餅がかりんとうに似ているところから、七夕にはかりんとうを食べる風習もあります。索餅は小麦粉と餅粉を練って、ひねり揚げにした甘いお菓子で、その形状から「麦縄(むぎなわ)」とも呼ばれています。
ちなみに、かりんとうが日本に広まったのは明治8年頃。浅草仲見世の飯田屋が、小麦粉を揚げた棒状のものに、黒糖をまぶして販売したのが発祥とされています。以降、庶民の駄菓子として親しまれてきたほか、現在ではご進物用に使われる高級なかりんとうも登場しています。
ウナギ料理:土用の丑の日
「土用の丑の日」にウナギが食べられるようになったのは、江戸時代の発明家である平賀源内がきっかけだと言われています。
夏場の売り上げに悩んでいたウナギ屋に対し、平賀源内が「本日丑の日」と書いた貼り紙をするよう助言したところ、店は大盛況。それが江戸中に広まり、土用の丑の日にはウナギを食べる習慣ができたのだそうです。
ウナギは、ビタミンA・B1・B・Dなどのビタミンのほか、たんぱく質やDHAなどの栄養素が豊富で、夏バテに効果のある食材です。
ただし、利用者さんにウナギを提供する際にはいくつか注意点があります。ウナギには小さな骨があり飲み込みにくい場合があるので、調理の際には細かく刻む・ペースト状にするなど、利用者さんの状況に合わせた工夫が必要です。また、塩分制限がある方に提供する場合は、タレの量にも注意してください。
「う」の付く料理:土用の丑の日
「土用の丑の日」に食べるとよいとされているのはウナギだけではありません。
土用の丑の日は、もともと縁起の悪い日だとされており、不吉な気を払うために梅干しや牛、うり、うどんなど、頭に「う」が付くものを食べる習慣がありました。一説によると、土用の丑の日にウナギを食べる風習が根付いたのは、こうした背景があったからだそうです。
また、先に紹介したように、土用は「季節の変わり目」であり体調を崩しやすい時期です。そのため、ほかの季節の土用にも食材に関する言い伝えがあり、春の土用は戌の日に「い」の付くもの、秋の土用は辰の日に「た」の付くもの、冬の土用は未の日に「ひ」の付くものを食べるとよいとされています。
まとめ
7月の代表的な行事・記念日として挙げられるのは、七夕や海の日、土用の丑の日などです。また、7月の行事食には七夕のそうめんやかりんとう、土用の丑の日のウナギ料理などがあります。昔の風習にならって、土用の丑の日にうどんや牛など「う」の付くものを食べてみるのもよいでしょう。
介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けて有益な情報を提供しています。毎月のイベントや行事食などで悩んでいる介護職の方に向けて、各月の行事情報も掲載しているので、ぜひ介護のみらいラボをお役立てください。
※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています
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