1月の行事や記念日一覧|お祝いに合った行事食も紹介
構成・文/介護のみらいラボ編集部1月は、お正月や鏡開きをはじめとする伝統行事が多い月で、高齢の方にとってなじみ深いものがいくつもあります。それらにちなんだイベントやレクリエーションで、利用者のみなさんに楽しんでもらうためにも、1月の行事について詳しく知っておきましょう。
この記事では、1月の代表的な行事や行事食について紹介します。1月のイベント、レクリエーションについて、「何をすれば喜んでもらえるだろう」と悩んでいる介護職の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
1.1月の行事一覧
1月の和風月名は「睦月(むつき)」です。睦月の由来は諸説ありますが、お正月に親戚一同が集まって、仲睦まじく過ごす様子から「睦び月(むつびつき)」と呼ばれるようになり、後に睦月になったという説が有力なようです。ほかにも1年が始まる元の月である「元月(もとつき)」が語源であるという説や、「生む月」が語源という説もあります。
この時期は二十四節季(※)で小寒(しょうかん・1月5日頃)、および大寒(だいかん・1月21日頃)にあたります。
※1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。立春や春分、夏至なども二十四節季の1つです。
1月の誕生花はスイートピーで、花言葉は「門出」「やさしい思い出」などです。新しい年の始まりである1月にぴったりですよね。
お正月をはじめとする1月の行事には、新しい年を祝う行事や神様とのご縁を願う行事が多く見られます。
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元日:1月1日
年の最初の日である1月1日を元日と呼びます。元日と似た言葉に元旦がありますが、元旦は「元日の朝」を意味する言葉なので、混同しないようにしましょう。
元日は年神様(新年の幸せをもたらす神様)が各家庭に来られる日でもあり、神様をお迎えするために門松やしめ縄飾り、鏡餅を準備します。また、元日の早朝に汲む水は若水(わかみず)と呼ばれ、邪気払いとして神様に供えたり家族の食事に用いたりします。
元日から松の内の期間は、神社に神様が滞在されているとされており、初詣は7日までに行くのが一般的です。
伝統的なお正月の遊びとしてあげられるのは、「福笑い」や「羽根つき」「凧あげ」「かるた」などで、福を呼び寄せたり厄除けをしたりと、新しい1年の幸福を祈願するものが多く見られます。子どもにとっては、年賀状やお年玉もお正月ならではの楽しみです。
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松の内:1月1日~7日
松の内とは、神様が滞在される期間のことで、一般的には1月1日~7日までを指します。ただし、松の内の期間には地域差があり、西日本には15日の小正月までとする地域もあります。
代表的なお正月飾りの1つに門松がありますが、松は「祀る(まつる)」と同じ読みであることから、神様が宿る縁起のよい植物とされてきました。そのため、年神様は各家庭の玄関先に飾られる門松を目印にやって来て、松の内の間は門松をよりどころにすると考えられています。
松の内の最終日に当たる7日は「松納め」と呼ばれ、人日の節句でもあります。年神様が帰られるので、門松などのお正月飾りを片付け、無病息災を願って七草がゆを食べるのがしきたりです。
十日えびす:1月10日
主に関西地方で行われる十日えびすは、漁業の神、商売の神として有名な戎(恵比寿)様に商売繁盛を祈願するお祭りです。例年3日間行われ、9日を宵えびす、10日を本えびす、11日を残り福や残りえびすと呼びます。
兵庫県の「西宮神社」、大阪府の「今宮戎神社」、京都府の「京都ゑびす神社」は日本3大えびす神社と呼ばれており、西宮神社で行われる早朝の「福男選び」は全国的にも有名です。
十日えびすの開催中は、笹先に縁起物を飾り付けた福笹や熊手を買い求める参拝客で賑わいます。
鏡開き:1月11日
鏡開きは、松の内の期間に飾っておいた鏡餅を下げる行事のことで、1月11日に行います。鏡餅は二段の丸餅を神様が宿る鏡に見立てたもので、「福が重なる」「円満に年を重ねる」という意味を含んだ縁起物です。ちなみに、鏡餅をお供えする風習は室町時代から始まったとされています。
鏡開きでは、鏡餅を割って食べることで無病息災を願います。鏡開きは包丁ではなく木槌を使って行いますが、これは「お供えものに刃物を向けるのは縁起が悪く、神様との縁を断ち切る行為でもある」とされるためです。
小正月:1月15日
小正月は1月15日(厳密には14日の日没から15日の日没まで)のことで、お正月の締めくくりを示す行事の1つです。
大正月(1月1日)は男正月、小正月は女正月とも呼ばれ、大正月に裏方として忙しかった女性たちが「ほっと一息つける期間」という意味もあります。
小正月は門松、しめ縄といったお正月飾りを片付けるタイミングであり、前年のお札や破魔矢を燃やして家内安全などを祈願する「どんど焼き」が行われる地域も少なくありません。火祭り行事の呼び名は地域によってさまざまで、「どんと焼き」「左義長」「鬼火たき」などと呼ばれることもあります。
成人の日:1月の第2月曜日
成人の日は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます日」として定められた国民の祝日です。1948年の制定当初は1月15日でしたが、祝日法の改正により、平成12年から1月の第2月曜日が成人の日となりました。成人の日を含めた土・日・月曜の3連休に成人式を行う自治体も多く、式の会場は晴れ着を着た新成人で賑わいます。
なお、成人の日は日本が敗戦から立ち上がろうとしている時期に始まったもので、そこには「貧しさに負けず、国を担う人材として成長してほしい」という願いが込められています。
2.1月の行事食
1年の始まりである1月には、新年を祝うためのさまざまな行事食があります。行事食のなかには、地域の特色が表れているものもあり、個性豊かで面白味があるのが特徴です。
ここからは、代表的な1月の行事食と、それぞれの料理の持つ意味や由来について紹介します。縁起のよい食事を用意して、1年を元気に過ごす活力にしましょう。
元日:おせち料理
元日に食べる行事食と言えば、おせち料理です。おせち料理をおとそと一緒に楽しむ家庭も多いでしょう。
おせち料理は、もともと神様へのお供えものとして作られていましたが、今は「新しい1年がよい年であるように」との願いを込めて、縁起のよい料理を振る舞うのが一般的です。
それぞれの料理に込められた意味は、以下の通りです。
・黒豆:無病息災
・栗きんとん:金運、商売繁盛
・田作り:五穀豊穣
・数の子:子孫繁栄
・伊達巻:学業成就
・昆布巻き:不老長寿
・紅白かまぼこ:魔除け(紅)、清め(白)
おせち料理が行事食として並ぶと食卓が華やかになり、施設内にも活気があふれるでしょう。
元日:お雑煮
新しい年の無事を祈り、元日に食べる餅入りの汁ものを雑煮と言います。地域によっては「福入り雑煮」とも呼ばれています。
雑煮の種類は100を超えるとも言われており、具材は地域によってさまざまです。餅の形は角餅・丸餅に分かれ、汁についてもすまし汁・みそ汁・小豆汁に大別されます。
・鶏だしすまし汁×角餅
青森、岩手、秋田
・カツオ・昆布すまし汁×角餅
関東、中部
・みそ汁×丸餅
関西、一部四国
・小豆汁×丸餅
鳥取、島根
・あごだしすまし汁×丸餅
中国、一部四国、九州
※それぞれに角餅、丸餅混在地域あり
施設でお雑煮を振る舞う場合は、小さく切ったり、粘り気をおさえた餅を活用したりすることで、のどに詰まらせるリスクを軽減する必要があります。豆腐餅や白玉などの代用餅を利用するのも1つの方法です。
1月7日:七草がゆ
1月7日には、春の七草を使った七草がゆを食べます。七草がゆには無病息災の願いが込められており、寒い季節にいち早く芽吹く七草を使うことで、邪気から体を守ると考えられています。
ちなみに、春の七草はセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの7種類です。「セリ・ナズナ、ゴギョウ・ハコベラ、ホトケノザ、スズナ・スズシロ、これぞ七草」と、短歌のリズムで覚えている人も多いのではないでしょうか。
小正月:ぜんざい・小豆粥
小正月には、1年の邪気を払うためにぜんざいや小豆粥を食べる風習があります。小豆には昔から魔除けの力があると信じられており、まじないなどにも使われてきました。お祝い事のときに小豆を使って赤飯をたくことが多いのも、同じ風習からきていると言われています。
なかには、神様の力を分けてもらうために、鏡開きの後の餅をぜんざいや小豆粥に入れて食べる地域もあります。
まとめ
1月には、1年の始まりをお祝いするお正月や、新成人をお祝いする成人の日など「物事の始まり」を祝う行事が多数あります。介護施設でも、新年をお祝いするために門松や鏡餅などを飾り、おせち料理、お雑煮といった行事食を用意するとよいでしょう。
介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けたお役立ち情報を多数掲載しています。施設のイベントやレクリエーション、行事食などで悩まれている介護職の方のために、各月の行事情報も紹介していますので、ぜひ介護のみらいラボを参考にしてください。
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