新形態のデイサービスが実現した、新しい介護現場の働き方|気になるあの介護施設
取材・文/イージーゴーデイサービス・ラスベガスではコミュニケーションを重視している
関東・中部地方を中心に22拠点を展開するデイサービス・ラスベガス。従来型のデイサービスと異なり、レクリエーションにカジノゲームを取り入れるなど、さまざまな特徴を持ちます(詳しくはこちらの記事から)。 ラスベガスでは、介護スタッフの働き方も従来型とは少し異なるようです。その様子を、運営会社である日本シニアライフ株式会社 代表取締役社長の森薫(もり・かおる)氏と、デイサービス・ラスベガス横浜都筑 元介護職員 現執行役員の佐藤大希(さとう・だいき)氏に伺いました。
1.カジノ風デイサービスでは、どんな人が働くの?
――はじめに、改めてデイサービス・ラスベガスの特徴を教えてください。
森氏:ラスベガスでは、従来型のデイサービスと同様に、送迎、機能訓練、レクリエーション、食事、入浴といったカリキュラムを組んでいます。しかしその一つ一つが従来とは異なった特徴を持っています。特に、レクリエーションには折り紙や塗り絵といったものではなく、マージャンやブラックジャック、パチンコなどのカジノっぽいゲームを取り入れています。
――カジノゲームを取り入れているということは、スタッフの方も特別な訓練や研修を受けるのでしょうか?
森氏:入社時の研修では、カジノやゲームのルール・作法を一通り覚えてもらいます。その後はご利用者様と一緒にゲームをしながら、徐々に慣れていってもらいます。3カ月ほど経てば、立派にディーラーやプレイヤーとして活躍しています。
研修の様子
――入社するスタッフは、どのような経歴の方が多いのでしょうか?
佐藤氏:皆さん経歴はさまざまですが、やはり他の介護施設から移ってくる方が多いです。
森氏:なかにはマージャンが好きだったり、カジノのディーラー経験があったりと、介護職の経験がない人が入社してくれることもあります。やはり他と差別化されたデイサービスですので、当社に共感して入社してくれる方が多いですね。
2.介護ではなくサービス業。コミュニケーションを重視
――ラスベガスならではの働き方、他のデイサービスとは異なる点があれば教えてください。
佐藤氏:「介護感」がないというか、どちらかというと接客業に近いサービス提供を求められているな、と感じます。それは研修でも学びますし、実際に日々のご利用者様への対応でも気をつけている部分です。同僚には他のデイサービスでの勤務経験がある人も多いのですが、皆さん同じようなことを言っています。
――介護感のないサービス、というのは具体的にどのようなところで感じますか?
佐藤氏:とにかくご利用者様とのコミュニケーションを大切にしている点です。レクリエーションに一緒に参加したり、カラオケしたり。お話が好きな方もいらっしゃいますので、一対一でお話しできる機会を作ることもあります。その方に合った対応というのは、ご利用者様それぞれ異なりますので、どのようにしたら一番良いかをよく考え、サービスを提供できるよう心がけています。
ゲームを通した会話も生まれ、スタッフと利用者の関係は良好
3.ゆとりある働き方と現場・本部の連携が、利用者満足度を向上させる!
――レクリエーションを通じて会話も生まれやすそうですね。その他にコミュニケーションを多く取るための工夫はありますか?
森氏:いくつかあります。まずは1日のスケジュールにゆとりがあるという点です。ラスベガスではレクリエーションをご利用者様がご自身で選び、好きなことをして自由に過ごされます。スタッフとしても「次はこのレクリエーション、その次はこれ」といった縛りがないため、慌ただしさがありません。
また入浴介助は一般的には10分間、3人(フロアから浴場までの誘導係、衣服着脱の介助係、浴室内の介助係)のスタッフでおこなっていましたが、ラスベガスでは30分間、1人のスタッフが担当します。時間も人手も余裕ができるので、その分をコミュニケーションの時間に使ってもらっています。ちなみに入浴介助は介護業務のなかでも最も負担が大きいものです。入浴介助のゆとりはお客様の満足度向上や事故防止にもつながっていますし、スタッフの精神的・肉体的ストレスを減らすことにも貢献しています。
そしてもう一つ、イベントの企画を施設ごとではなく、本部でまとめておこなっているというのも大きいです。ラスベガスではブランドイメージを大切にしており、22拠点全てで同じ体験をしていただけるようにしています。そのためイベントも全拠点共通で企画しており、スタッフへの負担は随分と減らせていると思います。イベントの企画等にかかるはずだった時間や労力も、ご利用者様とのコミュニケーションにあててもらっています。
さまざまなイベントを企画し、利用者が楽しめるよう工夫を凝らしている
――現場と本部との協力体制はいかがですか?
森氏:研修やスタッフとの面談を、定期的におこなっています。ラスベガスは一見派手に見えますが、ご利用者様が一番望まれるのは「カジノっぽさ」ではなく、コミュニケーションです。またケアプランの通りにデイサービスをご利用いただき、ADLの向上や機能回復につなげることが重要です。そのため研修や面談では、いかにコミュニケーションを取るか、そしてご利用者様の意思で楽しく通っていただくためのフォローをどうするか、ということを伝えています。
反対に、ご利用者様からのご要望や対応が必要なことなど、現場からの情報も大切にしています。スタッフ1人で全てに対応するのはとても大変なこと。やはりチームワークや連携、現場と本部との協力が欠かせないと考えます。
4.現場には嬉しいエピソードがたくさん
――最後に、現場で印象的だったエピソード、嬉しかったことを教えてください。
森氏:ご夫婦が施設見学にいらっしゃった際、旦那様がラスベガスに入るなり「よし、明日から通うぞ」とおっしゃってくださったんです。その場で奥様が「やっと見つかった、良かった」と号泣なさったことがありました。 話を伺うと、すでに何カ所かのデイサービスを見学したものの利用に至らず、半ば引きこもりのような状態だったそうです。ラスベガスの内装や雰囲気を見た途端に「ここなら通ってみたいな」と意欲を出していただけたとのことでした。いわゆる老老介護も多い現代、主介護者様の負担軽減という点でもお力になれているのだな、と感じられることも多く、嬉しく思います。
はじめの一歩はとても勇気がいるもの。これからもご利用者様のその一大決心を大切に、真摯に取り組んでいきたいです。
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