相談支援専門員とは?勤務先・仕事内容・なるための条件
構成・文/介護のみらいラボ編集部
何らかの障がいを抱える方にとって、生活の手助けとなる障害福祉サービスの存在は欠かせません。しかし、具体的にどのような福祉サービスがあり、どのような福祉サービスが適切なのかを把握していない障がい者やその家族は多くいます。そこで助け舟を出せる存在が「相談支援専門員」です。
相談支援専門員は、障がいを抱える方本人やその家族が障害福祉サービスを上手に利用できるためにサポートするだけでなく、地域生活に関する悩みを聞いて適切な支援を提供するなど、いわゆる障がい者の生活を支える職業です。
そこで今回は、相談支援専門員の概要・主な勤務先・仕事内容を徹底的に解説します。最後に、相談支援専門員になるための方法も紹介しているため、キャリアチェンジを検討している介護職の方は、ぜひ参考にしてください。
1.相談支援専門員とは?
相談支援専門員とは、何らかの障がいを抱える方やその家族と福祉サービスの中心的な立場となって、障がい者の地域生活を支える職種です。「障がい者と福祉サービスをつなげること」「障がい者の暮らしに関する悩みを支援すること」が主な役割となります。
厚生労働省が発表した資料によると、相談支援事業所に配置されている相談支援専門員数は23,954人(2020年4月時点)でした。「障がい者が地域で安心して自立した日常生活を送るためには、適切な福祉サービスにつなげるための相談支援が重要である」とされている近年、相談支援事業の充実も推進されています。これに伴って、相談支援専門員の需要もさらなる高まりを見せるでしょう。
(出典:厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等の調査結果について」)
相談支援専門員の主な勤務先
相談支援専門員の主な勤務先には、下記が挙げられます。
●基幹相談支援センター
●障害者相談支援事業
●指定一般相談支援事業所
●指定特定相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所
勤務先によって、具体的な支援内容・業務内容は異なる点に注意が必要です。例えば、障がい者・高齢者の悩みの相談窓口である基幹相談支援センターは、障がい者に対する福祉サービスの情報提供だけでなく、地域の各相談機関との連携を強化したり、地域移行や定着の促進に取り組んだりといった業務も担います。
(出典:厚生労働省「相談支援の現状と課題」)
(出典:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
基幹相談支援センターについてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
●基幹相談支援センターとは?施設の概要・働く際に求められるスキルも
2.相談支援専門員の仕事内容
相談支援専門員の主な仕事は「相談支援」です。そして、相談支援は対象者の相談内容に応じて、大きく下記の4種類に分けられます。
●基本相談支援
●地域相談支援
●計画相談支援
●障害児相談支援
ここからは、各支援の種類について概要・相談支援専門員の働き方を挙げながら、詳しく紹介します。相談支援専門員の具体的な業務内容が気になる方は、参考にしてください。
基本相談支援
基本相談支援とは、障がい者の福祉に関する幅広い問題や相談に応じる、いわゆる相談支援のベースとなる種類です。事業所へ初めて訪れた障がい者が訪れる機関となるため、地域相談支援・計画相談支援・障害児相談支援へつなぐ起点ともいえます。
基本相談支援部分を担当する際は、利用者・対象者の状況や置かれている環境をきちんと把握したうえで、適切な種類の相談支援につなげなければなりません。相談内容も幅広いため、どのようなケースでどのような対応を検討すべきかを常に考える必要もあります。
(出典:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
地域相談支援
地域相談支援は、「地域移行相談支援」と「地域定着相談支援」の2つに分けられます。地域移行相談支援は退所・退院後の自立した地域生活を目指す障がい者に対する支援で、地域定着相談支援はすでに自立した地域生活を送り始めた障がい者に対する支援です。
それぞれにおける具体的な仕事内容は、下記の通りとなっています。
地域移行相談支援 |
・住宅確保・入居支援 ・外出同行 ・福祉サービスの体験利用 |
---|---|
地域定着相談支援 |
・24時間連絡体制の確保 ・緊急時の対応確保 |
なお、地域移行相談支援と地域定着相談支援とでは、対象者も異なる点に注意が必要です。地域移行相談支援は所定施設や病院に入所・入院している障がい者が対象で、地域定着相談支援は地域生活を続けるために情事の連絡体制の確保や緊急時の支援システムが必要と見込まれている障がい者が対象となります。
(出典:厚生労働省「相談支援の現状と課題」)
(出典:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
計画相談支援
計画相談支援では、障がい者が自立した地域生活を送るために必要となる福祉サービスの調整を行います。主に「サービス利用支援」と「継続サービス利用支援」の2つで構成されています。
障がい者が障害者総合支援法にもとづいてサービスを利用するためには、市町村から指定を受けた指定特定相談支援事業者が必要となるサービス等利用計画案を立てなければなりません。この支援を「サービス利用支援」といいます。
た、サービス開始後も何らかの問題が発生していないかを一定期間ごと(1~3カ月に1回程度)にチェックする必要があります。このモニタリング調査を「継続サービス利用支援」といいます。これらの計画相談支援は、相談支援専門員にとって重要な業務です。
(出典:厚生労働省「相談支援の現状と課題」)
(出典:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
障害児相談支援
障害児相談支援では、障がい者やその家族が放課後等デイサービスや児童発達支援センターなどの利用を希望したときに、適切な支援・援助を行います。主に「障害児支援利用援助」と「継続障害児支援利用援助」の2つで構成されています。
障がい者やその家族が通所支援サービスの申請を希望した際、相談支援専門員は通所給付が決定する前に「障害児支援利用計画案」を作成しなければなりません。通所給付の決定後、各サービスの関連事業者と連携・調整を行い、障害児支援利用計画を立てます。これが、「障害児支援利用援助」です。
また相談支援専門員は、「継続障害児支援利用援助」として、サービス開始後も何らかの問題がないかを定期的にモニタリングする必要があります。
(出典:厚生労働省「相談支援の現状と課題」)
3.相談支援専門員になるには?
相談支援専門員は国家資格ではなく、資格取得に試験や審査も必要ありません。しかし、実務経験などの所定条件を満たしたうえで研修を修了する必要があります。
また、相談支援専門員になるには、経験のある実務の種類や保有する資格によっていくつかのルートに分けられることも特徴です。
最後に、相談支援専門員になるための方法をルート別に紹介します。
相談支援業務に携わっている場合
相談支援業務とは、障がいを抱えた方の日常生活に関する相談に応じ、指導やアドバイスといった支援を行う業務のことです。相談支援業務に携わっている方が相談支援専門員を目指すために必要な実務経験年数は、下記の通りとなります。
対象者 | 実務経験年数 |
---|---|
●2006年10月1日時点で障害者相談支援事業(身体・知的含む)・精神障害者地域生活支援センターに勤務していた方 | 同年9月30日までの期間が通算3年以上 |
●医療機関において相談支援業務に従事する方で、下記いずれかに該当する方 (1)社会福祉主事任用資格を有している (2)訪問介護員2級以上に相当する研修を修了している (3)医師・薬剤師・保健師・看護師・准看護師・理学療法士・社会福祉士などの国家資格等を有している (4)施設での相談支援業務の従事期間が1年以上ある ●就労支援に関する相談支援業務に従事する方 ●特別支援教育において進路相談・教育相談の業務に従事する方 ●都道府県知事が上記の業務に準ずると認めた業務に従事する方 |
通算5年以上 |
(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」)
(出典:厚生労働省「〇指定計画相談支援の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの」)
上記の要件を満たし、相談支援事業者初任者研修を受講・修了すれば、相談支援専門員の資格を取得することが可能です。
介護等業務に携わっている場合
介護等業務とは、日常生活における介護業務・介護に関する指導業務のことです。介護等業務に携わっている方が相談支援専門員を目指すために必要な実務経験年数は、下記の通りとなります。
対象者 | 実務経験年数 |
---|---|
●医療機関および施設において介護業務に従事する方 ●都道府県知事が上記の業務に準ずると認めた業務に従事する方 |
通算10年以上 |
(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」)
(出典:厚生労働省「〇指定計画相談支援の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの」)
上記の要件を満たし、相談支援事業者初任者研修を受講・修了すれば、相談支援専門員の資格を取得することが可能です。
有資格者の場合
相談支援専門員を目指したときに有している資格によっても、必要な実務経験年数は異なります。下記は、保有資格別の必要実務経験年数です。
保有資格 | 実務経験年数 |
---|---|
●相談支援業務または介護等業務に従事する方で、国家資格等による業務の従事期間が5年以上ある方 | 通算3年以上 |
●社会福祉主事任用資格 ●訪問介護員2級以上に相当する研修修了者 ●児童指導員任用資格者 ●保育士 |
通算5年以上 |
(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」)
(出典:厚生労働省「〇指定計画相談支援の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの」)
上記の要件を満たし、相談支援事業者初任者研修を受講・修了すれば、相談支援専門員の資格を取得することが可能です。
なお、ここで説明した相談支援専門員の資格要件はあくまで基本的なものであり、細かな条件や実務経験年数においては都道府県によって若干の違いが存在する可能性があります。確実に、かつスムーズに相談支援専門員の資格を取得するためにも、自身の住んでいる都道府県のホームページから詳細情報を入念にチェックしておきましょう。
まとめ
相談支援専門員とは、障がい者やその家族と福祉サービスの中心的な立場となり、障がい者の地域生活・自立した日常生活を支える職種です。市町村で相談支援事業の充実が進められている近年、相談支援専門員の需要も高まりつつあります。
相談支援専門員の主な勤務先には、基幹相談支援センターや相談支援事業(障害者・指定一般・指定特定・指定障害児)が挙げられます。勤務先によって仕事内容に細かな違いはあるものの、基本的には基本相談支援・地域相談支援・計画相談支援・障害児相談支援が相談支援専門員の主な業務です。
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※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています
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