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相談支援専門員とケアマネはどう違う?仕事内容と必要資格も解説

公開日:2023.01.25 更新日:2024.04.17
相談支援専門員とケアマネはどう違う?仕事内容と必要資格も解説

福祉系の職種を志す方や、現在医療や介護業界で働く方の中には、相談支援専門員やケアマネジャーとしてのキャリアを目指そうとしている方もいるのではないでしょうか。相談支援専門員とケアマネジャーは、福祉についての相談業務を行いますが、詳細な役割には違いがあります。

この記事では、相談支援専門員とケアマネジャーの違いや仕事内容などについて紹介します。後半部分ではそれぞれの仕事をするために必要な資格についても触れるため、希望するキャリアデザインの実現にお役立てください。

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1. 相談支援専門員とケアマネジャーの違いは?

相談支援専門員とケアマネジャーは、「福祉サービス支援が必要な方に対して相談業務を行う」という共通する役割を持つ仕事です。どちらも福祉のプロフェッショナルとして知識や経験が必要ですが、実は支援対象者や活躍する場所など、詳細は異なります。

ここでは相談支援専門員とケアマネジャーの違いについて解説します。

ケアマネージャーの介護職一覧ページはこちら

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1-1. 支援対象の違い

相談支援専門員は、障害者総合支援法に基づき、障害を持つ方が福祉サービスを利用できるようサポートする役割を担います。

(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」/ https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000739986.pdf)

一方、ケアマネジャーは介護保険制度に基づき、高齢者や介護が必要な方に対してサポートを行う専門職です。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本版O-NET「介護支援専門員/ケアマネジャー」/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/132)

相談支援専門員とケアマネジャーは、支援対象者が障害を持った方か、高齢者など介護を必要とする方かという違いがあります。

一方で、どちらも対象者や家族が適切なサービスや医療を受けられるよう支援するための相談窓口であることは共通しています。利用者さんの相談内容やニーズに耳を傾け、問題解決に向けた助言や関係機関との連絡調整を行うためのコミュニケーションスキルは、どちらの仕事でも必要になるでしょう。

1-2. 働く場所の違い

相談支援専門員は相談支援事業所で、ケアマネジャーは居宅介護支援事業所や介護施設などで主に働きます。

相談支援事業所とは、障害のある方やその家族から相談を受け、さまざまな情報の提供や福祉サービスを受けるためのサポートを行う事業所です。相談支援専門員の配置が定められている事業所もあり、福祉の専門職として相談業務に従事します。

(出典:厚生労働省「障害者の相談支援等について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000806678.pdf)

一方で居宅介護支援事業所は、要介護の方が介護サービスなどを適切に利用できるようにサポートを行う事業所です。ケアマネジャーが常駐しており、ケアプラン作成のほか、介護相談や介護保険に関する申請の代行、サービス事業者の紹介や連絡調整など、利用者を幅広く支援します。

(出典:厚生労働省「居宅介護支援」 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000170291.pdf)

2. 相談支援専門員とは?

相談支援専門員とは、障害を持つ方の地域生活をサポートし、福祉サービスや住まいについてなど、暮らしに関するさまざまな悩みを解決できるよう支援します。

(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」/ https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000739986.pdf)

ここでは、相談支援専門員の仕事内容や、相談支援専門員になるにはどうすればいいのかについて紹介します。

2-1. 相談支援専門員の仕事内容

相談支援専門員は、障害を持つ方やその家族の相談に応じて、適切な情報提供や、必要なサービスにつなげる支援を行います。具体的な相談支援は、相談の内容によって以下の4つに分類されます。

・基本相談支援
相談支援のベースであり、幅広い相談に応じる。

・地域相談支援
障害を持つ方が地域で自立して生活することを目的とした相談支援。

・計画相談支援
一人ひとりに適した福祉サービスを提供するための相談支援。サービスの利用を開始するための支援と、利用を継続する際のモニタリング支援に分類される。

・障害児相談支援
一人ひとりに適した障害児通所サービスを利用するための相談支援。

相談支援専門員の仕事についてより詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。

相談支援専門員とは?勤務先・仕事内容・なるための条件

2-2. 相談支援専門員になるには?

相談支援専門員として配置されるためには、以下の表1〜3のいずれかの実務を経験する必要があります。加えて、「相談支援従事者初任者研修」の受講も必要です。

業務内容 実務経験年数
1.相談支援業務 2006年10月1日時点で、下記事業に従事していた者

・障害児相談支援事業、身体障害者相談支援事業、知的障害者相談支援事業
・精神障害者地域生活支援センター
3年以上
・上記以外の施設等で相談支援業務に従事する者

・医療機関に従事する者で次のいずれかに該当する者
(1)社会福祉主事任用資格所持者
(2)訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者
(3)国家資格等を有する者
(医師や看護師、保健師、社会福祉士など法律に基づく特定の国家資格)
(4)施設等における相談支援業務に従事した期間が1年以上である者

・就労支援に関する相談支援の業務に従事する者

・特別支援教育における進路相談・教育相談の業務に従事する者

・その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者
5年以上
2.介護等業務 ・施設及び医療機関等において介護業務に従事する者

・その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者
10年以上
3.有資格者等 ・上記2の介護等業務に従事する者で次のいずれかに該当する者
(1)社会福祉主事任用資格を有する者
(2)訪問介護員2級以上相当の研修を修了した者
(3)保育士
(4)児童指導員任用資格者
5年以上
・上記1の相談支援業務及び上記2の介護等業務に従事する者で、国家資格等による業務に5年以上従事している者 3年以上

(出典:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」 https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000739986.pdf)

なお、相談支援専門員の資格は更新制のため、初任者研修の受講後から5年度ごとに「相談支援従事者現任研修」を受講します。

生活支援員の介護職一覧ページはこちら

介護福祉士は生活相談員になれる?仕事内容や資格要件を解説

3. ケアマネジャーとは?

ケアマネジャーとは、介護保険制度とともに登場した職業であり、正式名称を介護支援専門員と言います。高齢者や要介護者が必要な介護サービスを受けられるよう、計画の作成や関係機関との連絡・調整などを行います。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本版O-NET「介護支援専門員/ケアマネジャー」/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/132)

ここでは、ケアマネジャーの具体的な仕事内容や、ケアマネジャーになるための資格要件について紹介します。

3-1. ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーの主な仕事は、介護サービス利用者のケアプランを作成することです。利用者さんの介護度や調査データをもとに、個人の状況に応じて訪問介護やデイサービスなどが受けられるよう、ケアプランを考えます。

ケアマネジャーが働く場所としては、居宅介護支援事業所のほかに、老人ホームなどの介護施設が挙げられます。それぞれで働く場合の仕事内容は、以下の通りです。

・居宅介護支援事業所で働く場合
居宅ケアマネとも呼ばれ、在宅で生活している要介護1以上の高齢者のためにケアプランを作成します。月に1度、利用者さんの家を訪問して困っていることなどを直接ヒアリングするのも居宅ケアマネの業務の1つです。

居宅介護支援事業所では、1つの事業所に複数のケアマネジャーが所属するケースのほか、独立したケアマネジャーが1人で事業所を運営する場合があります。ただし、1人のケアマネジャーが担当できる利用者さんの数は35人が標準です。

(出典:厚生労働省「居宅介護支援(参考資料)」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000170291.pdf)


・介護施設で働く場合
老人ホームなどの介護施設で働くケアマネジャーは、施設ケアマネとも呼ばれ、施設入居者のために介護サービスのケアプランを作成します。原則要介護1以上の高齢者を担当するなど、仕事内容は居宅ケアマネと似ていますが、ケアプラン対象者をより近くでサポートできるのが特徴です。

介護老人保健施設などにおいては、100人の入居者さんに対して1人以上のケアマネジャーを常勤することが義務とされています。

(出典:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の報酬・基準について(検討の方向性)」/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000689880.pdf)


3-2. ケアマネジャーになるには?

ケアマネジャーになるためには、まず、勤務先または居住地の都道府県が実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」への合格が必要です。合格後に実務研修を修了し、各都道府県の介護支援専門員名簿に登録することで、ケアマネジャーとしての資格を取得できます。

受験資格は各都道府県によって異なりますが、ここでは東京都における受験資格を紹介します。以下の1または2のケースを満たしている場合は、介護専門員実務研修受講試験の受験が可能です。

1. 特定の国家資格を保有している場合
・医師や看護師、保健師、社会福祉士など医療・保健・福祉に関わる特定の国家資格を保有している
・上記国家資格に基づく業務の実務経験が5年以上、かつ従事日数が900日以上

2. 相談援助業務などに従事している場合
国家資格を保有していないが、受験資格に定められる相談援助業務の従事期間が5年以上、かつ従事日数が900日以上
(受験資格を満たす相談援助業務の例...生活相談員、支援相談員、相談支援専門員など)

(出典:公益財団法人 東京都福祉保健財団「令和4年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」/
https://www.fukushizaidan.jp/101caremanager/shiken/)

また、ケアマネジャーになるための方法を詳しく知りたい場合は下記の記事も参考にしてください。

ケアマネジャーとは?仕事内容と資格の取得方法を解説

ケアマネージャーの介護職一覧ページはこちら

まとめ

相談支援専門員とケアマネジャーの役割は、福祉サービスを必要とする方に相談支援業務を行う点で共通するものの、支援の対象や仕事内容がそれぞれ異なります。また、相談支援専門員やケアマネジャーは、資格を得るために必要な要件も異なる点に注意しましょう。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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