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仕事・スキル 介護職のスキルアップ 2024/04/03

介護施設で使える!高齢者向け誕生日メッセージの例文と書き方のポイント

文/山本史子(介護福祉士) thumbnail.jpg

高齢者が過ごす介護施設では、誕生日にメッセージを贈ることも大切な行事の1つです。しかし、多くの高齢者に誕生日のメッセージを作成していると「毎年同じような内容になってしまう」「書き方がわからない」と悩む人もいるでしょう。本記事では、介護施設で使える高齢者向けの誕生日メッセージの例文を季節やシーン別に紹介するとともに、メッセージの書き方や注意点についてお伝えします。

1.介護施設で利用者さんに誕生日メッセージを贈る目的



介護施設で利用者さんへの誕生日メッセージを送るのは、ただお祝いを伝えるだけではなく、以下のような目的もあります。

  • 長寿を祝い、感謝の気持ちを伝える
  • 社会とのつながりを感じてもらう
  • 喜びを感じてもらう


それぞれのポイントについて順番に解説します。

長寿を祝い、感謝の気持ちを伝える

誕生日は、誰にとっても特別な日です。利用者さんの誕生日にメッセージを贈ることは、その人の人生を尊重・祝福し、それまでの年月に敬意を表す行為といえます。また、介護職員は日頃の感謝を伝えることで、利用者さんの尊厳を守ることにもつながります。利用者さんにとっても、家族や周囲の人々に愛情や感謝の気持ちを伝えるよい機会になるでしょう。

社会とのつながりを感じてもらう

高齢になると自宅や施設で過ごす時間が増え、社会的なつながりが減少しがちです。なかに孤独感を抱えている方もいるでしょう。介護職員からの誕生日メッセージは、社会とつながっていることを感じられる機会でもあります。加えて、介護職員と利用者さんとの関係を深めるきっかけにもなるでしょう。

喜びを感じてもらう

高齢になると、体力や気力が衰えてくるものです。誕生日は主役になって周囲からお祝いされる日です。喜びを共有し、感情に刺激を与える機会となります。誕生日メッセージを贈るときは、利用者さんの存在を認め、大切している気持ちを伝えることが重要です。

2.介護職員が書く誕生日メッセージのポイント



介護職員が利用者さんにメッセージを書くポイントは次の4点です。

  • 利用者さんの好みや趣味を反映させる
  • 読みやすい文面にする
  • ポジティブなメッセージにする
  • 季節感や施設内の行事などを盛り込む

具体的なポイントを見てみましょう。

利用者さんの好みや趣味を反映させる

「誕生日おめでとう」という言葉とともに、利用者さんが興味のあることや趣味に触れると、喜んでいただけます。会話のなかで知った、過去に楽しまれていた思い出のエピソードを盛り込んでもよいかもしれません。普段の会話のなかにもヒントがないか探してみると、より特別なメッセージとなり、利用者さんに喜ばれるでしょう。

読みやすい文面にする

高齢になると小さい文字は読みにくくなります。そのため、なるべく読みやすい文字の大きさにし、はっきりとした濃さで書くようにしましょう。また、長い文章を読むのが大変だと感じる人もいます。長文は控え、簡潔な文章を心がけましょう。

ポジティブなメッセージにする

メッセージを書くときは、できるだけネガティブなイメージにならないように注意し、明るい未来を感じるポジティブな内容にすることも大切です。利用者さんのなかには「もうこんな歳だから」という感情を抱いている方もいます。年齢よりも、これまで培ってきた知識や経験に注目したメッセージにするとよいでしょう。

季節感や施設内の行事などを盛り込む

季節を感じられることや施設内の行事やイベントの思い出など、具体的なエピソードを入れると一人ひとりに合ったメッセージが作れます。また、施設内での活動や利用者さんの様子がわかるため、ご家族にも喜んでもらえるでしょう。

3.高齢者向けの誕生日メッセージの例文

ポイントを押さえたとしても、具体的に何を書けばよいのか、まだ迷っている人もいらっしゃるかもしれません。ここで、季節ごとやシーンごとに活用できる、利用者さんへの誕生日メッセージの例文を紹介します。

季節ごとの誕生日メッセージの例文



春(3月~5月)
お誕生日おめでとうございます。
春の訪れとともに、〇〇さんのお誕生日を迎えられました。いつも明るく笑顔で、私たちを元気づけてくれる〇〇さん。
これからも、笑顔で過ごせる毎日にしてくださいね。


夏(6月~8月)
お誕生日おめでとうございます。
夏は暖かい日差しを感じられますね。夏の日のように明るく温かい〇〇さん。健康と笑顔がいっぱいの1年にしてくださいね。


秋(9月~11月)
お誕生日おめでとうございます。
過ごしやすい気候になってきましたね。いつも穏やかな○○さん。今年も心温まる思い出をたくさん作っていきましょうね。


冬(12月~2月)
お誕生日おめでとうございます。
寒い冬も、〇〇さんの心温かい笑顔があれば心も体もぽかぽかになりますね。新しい1年も一緒にすてきな思い出をたくさん作りましょう。


長寿を祝う誕生日メッセージの例文

誕生日おめでとうございます。
△歳の誕生日を迎えられましたね。
いつも元気で明るく、私たちを励ましてくれる〇〇さん。
これからも元気で長生きして、私たちに笑顔を見せてくださいね。
〇〇さんのご健康とご多幸をお祈りしています。


感謝の気持ちを伝える誕生日メッセージの例文

お誕生日おめでとうございます。
いつも、温かく優しく、私たちに接してくださる○○さん。
○○さんのこれまでの人生に敬意を表し、出会いに感謝いたします。
これからも健康で、幸せな毎日をお過ごしください。


利用者さんの好みや趣味に合わせた誕生日メッセージの例文

カラオケが趣味の方
○○さん、誕生日おめでとうございます。
カラオケが好きな○○さん。いつもすてきな歌声を聞かせていただいています。
これからも健康で、たくさんの歌を聞かせてくださいね。


園芸が趣味の方
お誕生日おめでとうございます。
〇〇さんの育てた花がいつも庭にたくさん咲いていますね。これからも庭の花のように生き生きと過ごしてくださいね。


旅行が好きな方
お誕生日おめでとうございます。
いつも〇〇さんが聞かせてくれる旅行のお土産話を楽しみにしています。
これからもすてきな話を職員にたくさん聞かせてくださいね。


読書が好きな方
お誕生日おめでとうございます。
〇〇さんが読んだ本の話は、いつも私たちを新しい世界へと誘ってくれます。
これからも、新たな冒険と知識の旅を続けてくださいね。また、楽しいお話待っています。


長寿祝いごとの誕生日メッセージの例文



古希 お誕生日おめでとうございます。古希の節目を迎えられ、お祝い申し上げます。これからも、これまで経験したことや知識を私たちに教えてくださいね。
喜寿 お誕生日おめでとうございます。今年は喜寿の年ですね。これからも健康に留意され、ますますのご活躍を楽しみにしています。
傘寿 お誕生日おめでとうございます。傘寿を迎えられたことを心からお祝いします。80年間の人生が、これからも喜びでいっぱいになりますように。
米寿 お誕生日おめでとうございます。88歳、米寿の節目を迎えられたことを心からお祝いします。これからも、○○さんにとって素晴らしい年になりますように。
卒寿 お誕生日おめでとうございます。卒寿を迎えられたことを心からお祝いします。これからも充実した毎日が過ごせますように。
白寿 白寿の節目を迎えられた〇〇さん、お誕生日おめでとうございます。これからもあなたの毎日が、美しい思い出でいっぱいになりますように。
百寿 百寿のお祝いおめでとうございます。今日を迎えられた〇〇さんの長寿を心から祝福します。これからも健康で過ごせますように。

4.誕生日カードを華やかにする方法



誕生日カードを作成する際は、カラフルな色使いで華やかなカードに仕上げてみましょう。また、次の4点のような工夫をすれば、個人ごとの特別感も演出できるでしょう。

  • 写真やイラストを使用する
  • リボンや折り紙を使用する
  • 色紙を利用する
  • 利用者さんと一緒に作成する

カード作りに取り入れたいポイントを順に紹介します。

写真やイラストを使用する

写真やイラストを使用するときは、お祝いの雰囲気に合わせたものを選びましょう。例えば、季節感のある花・風景など、明るいイメージの写真やイラストを選べば、利用者さんの心も晴れやかな気持ちになるかもしれません。また、施設での行事やレクリエーションの様子を使用しても喜ばれます。ただし、本人の写真を使用することを嫌がる方もいるため、家族や本人の了承を得ることが大切です。

リボンや折り紙を使用する

誕生日カードに折り紙で作った季節の花や果物をモチーフにしたものを貼れば、季節感を演出できます。また、長寿やお祝いを連想させる鶴や亀の折り紙を使い、彩りを華やかにするのもよいでしょう。リボンはプレゼントにも使用されるような、サテン生地のリボンや鮮やかな色のリボンを使うのがおすすめです。

4-3.色紙を利用する

色紙は、さまざまな使い方ができます。そのまま台紙として使用する場合には、リボンやビーズ・画用紙を貼るなどの自由度の高いアレンジが可能です。また、介護職員ごとに異なる色の色紙を使って、複数人からメッセージを寄せ書きするなど、工夫して活用してみましょう。色紙は丈夫なので、置いたり、貼り付けたりして、飾りやすいのも魅力です。

利用者さんと一緒に作成する



利用者さんと一緒に作ることで、自然とぬくもりのあるカードができあがります。あらかじめ作っておいたパーツを貼ってもらうだけでも、自分で作れた達成感を味わってもらえるかもしれません。素材に色を塗ってもらってカードを完成させてみてもよいでしょう。以下では、月別の手作り誕生日カードのアイデアをご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

手作り誕生日カードのアイデア一覧


5.メッセージを書くときの注意点

誕生日のメッセージを書くときは、ネガティブな表現は使わないように注意が必要です。特に「もう若くない」「高齢だから」というニュアンスに受け取れるような文章は使わないようにしましょう。加えて、「死」や「体の衰え」を連想させるものや「忌み言葉」といわれる言葉は避けましょう。

忌み言葉の一例
悲しい・破れる・流れる・落ちる・倒れる・病気・死ぬ
死・苦・病・
枯れる・衰える・朽ちる など


まとめ:誕生日メッセージは例文を参考にしながら、自分の言葉で作ろう



誕生日は、利用者さん本人が主役になる日です。何歳になっても祝ってもらえると嬉しい気分になるでしょう。高齢になると気力や体力が低下し、気分も落ち込みやすくなる傾向にあります。できるだけ前向きで明るい気分になってもらうためにも、誕生日には元気が出るメッセージを贈りましょう。また、一緒にカードを作成すれば、さらに喜ばれる誕生日カードができるでしょう。普段の会話から利用者さんの好みや趣味を引き出し、例文を参考にして自分の言葉で伝えてみてはいかがでしょうか。

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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