白寿は何歳のお祝い?介護施設での祝い方や喜ばれる贈り物も解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
みなさんは「賀寿(がじゅ)」という言葉を聞いたことがありますか? 賀寿とは日本に古くから伝わる長寿祝いの総称で、60歳(数え年で61歳)を迎えた方を祝う還暦や70歳の古希、88歳の米寿など、いくつかの種類があります。
今回紹介する「白寿(はくじゅ)」も長寿祝いの名称であり、99歳を迎えた方がその対象です。賀寿には年齢ごとにテーマカラーがありますが、白寿のテーマカラーはその名が示す通り白色となります。
当記事では、白寿の概要や介護施設で白寿祝いをするときのポイント、白寿祝いに喜ばれるプレゼントについて詳しく解説します。「施設でも賀寿の利用者さんのお祝いをしたい」と考えている介護職員の方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.白寿とは何歳のお祝い?
白寿は、99歳を迎える方のお祝いです。「百」という漢字から「一」を取り除くと「白」になることから白寿と呼ばれ、「100」から「1」を引いた99歳のお祝いとなりました。
なお、賀寿には白寿以外にもさまざまな種類が存在します。下記は、賀寿の名称と年齢をまとめた一覧です。
年齢 | 賀寿の名称 | 読み方 |
---|---|---|
60歳 | 還暦 | かんれき |
66歳 | 緑寿 | りょくじゅ |
70歳 | 古希 | こき |
77歳 | 喜寿 | きじゅ |
80歳 | 傘寿 | さんじゅ |
88歳 | 米寿 | べいじゅ |
90歳 | 卒寿 | そつじゅ |
100歳 | 百寿 | ひゃくじゅ・ももじゅ |
白寿を迎えた1年後には100歳の長寿を祝う百寿が訪れ、お祝いムードが続きます。
白寿のお祝いは満年齢・数え年のどちらで行う?
白寿は99歳のお祝いですが、数え年と満年齢のどちらで行うのがよいのでしょうか。
長寿のお祝いは、もともと数え年で行われていました。しかし、現在の日本では満年齢が一般的になっていることから、満年齢で白寿をお祝いするケースも多く見られます。したがって、白寿のお祝いは数え年、満年齢のどちらで行っても問題はありません。
満年齢でお祝いする場合と、数え年でお祝いする場合の生まれ年は、下記の通りとなります。
現在の年数 | 満年齢でお祝いする場合 | 数え年でお祝いする場合 |
---|---|---|
2023年 | 1924(大正13)年 | 1925(大正14)年 |
2024年 | 1925(大正14)年 | 1926(大正15・昭和元)年 |
2025年 | 1926(大正15・昭和元)年 | 1927(昭和2)年 |
なお、数え年は生まれた日を1歳とし、正月を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えていく数え方、満年齢は生まれた日を0歳とし、誕生日を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えていく数え方です。
例えば、生まれてから365日が経過した日は数え年だと2歳、満年齢では1歳になるわけです。
賀寿祝いに向いている時期
白寿をはじめとする賀寿のお祝いはその年に行うことが基本ですが、具体的な時期やタイミングに決まりはありません。対象となるご本人やお祝いに参加されるご家族、ほかの利用者さんにとって都合のよい日を選びましょう。
ただし、99歳を迎えた方の体調には、しっかり配慮する必要があります。体力に負担のかかりやすい真冬や真夏などを避け、過ごしやすい気候の日にお祝いするのが望ましいでしょう。
2.介護施設で白寿祝いをするときのコツ
日本人の平均寿命が伸びていると言っても、99歳を無事に迎えられるのは非常におめでたいことです。
だからこそ、利用者さんの白寿のお祝いは、いつまでも心に残るような思い出にしたいもの。そのためにはいくつかのポイントをおさえておくことが大事です。
ここからは、介護施設で白寿祝いをするときのポイントを2つ紹介します。
思い出に残るように工夫する
白寿祝いを心から楽しんでもらい、翌年の百寿祝いに向けていきいきと過ごしてもらうためにも、ご本人やご家族の思い出に残るような工夫を考えましょう。
おすすめは、お祝いの様子を写真や動画にして保存することです。撮影した写真を一冊のアルバムにまとめたり、動画を短く編集したりして、定期的に見てもらうのもよいでしょう。
特別な食事を用意する
介護施設では、利用者さん1人ひとりの健康や栄養バランスに配慮した食事を提供するのが基本です。しかし、白寿のお祝いは一生に一度しかない大切なイベント。利用者さんの体調を見ながら、赤飯やお寿司など、特別感のある食事を用意することも検討してみましょう。
特別感のある食事を用意する際は、ご本人の好きな食材を使うのもおすすめです。「大好きな食べ物でお祝いしてもらった」という経験は、楽しかった思い出として長く心に残るでしょう。
3.白寿祝いで喜ばれる贈り物と避けたほうがよい贈り物
白寿には「白」という漢字が含まれているため、白色がテーマカラーとなっています。そのため、白寿祝いで贈るプレゼントには白色を基調にしたものがおすすめです。
ただし、白いハンカチや白い花は縁起が悪いとされるため、避けたほうが無難です。身につけるものを贈る場合は、白色にこだわらずご本人が好きな色を選ぶとよいでしょう。
白寿祝いで喜ばれる贈り物
ここでは、白寿の記念日におすすめの贈り物を4つ紹介します。施設で白寿のお祝いを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
・プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーとは、生花に特殊な加工を施し、美しい状態を長期間維持できるようにしたものです。水やりの必要がなくお手入れも簡単なため、白寿祝いの思い出とともに長く飾ることができます。プリザーブドフラワーにおすすめの花には、胡蝶蘭やバラです。どちらもゴージャスなイメージがあるため、思い出として心に残りやすいでしょう。花と一緒にメッセージカードを贈ると、より気持ちのこもったプレゼントになるはずです。
・フォトフレーム
フォトフレームを贈って、大切にしている思い出の写真や家族写真、白寿祝いのときに撮影した写真などを飾ってもらうのもおすすめです。近年はデジタルフォトフレーム(デジタル写真専用のフォトフレーム)も人気で、デジタルフォトフレームを選べば、アナログのフォトフレームよりも多くの写真を楽しんでもらうことができます。白寿を迎える方にデジタルフォトフレームを贈るときは、操作が簡単なものや自動再生が設定できるものを選ぶのがよいでしょう。
・名前入りのグッズ
白寿を迎える方へのプレゼントとしては、ご本人の名前が入ったオリジナルグッズも人気です。名入れギフトは「世界に1つだけ」という特別感が生まれるため、非常に喜んでもらえるでしょう。名前入りのグッズは、ご本人が好むものや実用性の高いものを選ぶのが基本です。例えば、日頃からお茶を楽しむ習慣のある方には名入れ湯のみ、お風呂が好きな方には名入れタオルをプレゼントするとよいでしょう。名前入りのグッズは基本的にオーダーメイドとなるため、注文から完成までは時間が必要です。白寿祝いの当日から逆算し、余裕をもって注文しておきましょう。
・お祝いのケーキ
白寿を迎える方が問題なくケーキを食べられる場合は、お祝いのケーキを用意するのもよいでしょう。利用者さん全員で分け合いながら一緒にケーキを食べれば、楽しい思い出として心に残りやすくなります。ご本人の写真がプリントされたケーキや似顔絵入りのケーキなら、さらに印象的な贈り物になるでしょう。ただし、咀嚼力が弱まっている利用者さんがいらっしゃる場合は、ムースなどをベースとしたやわらかいケーキを選ぶようにしてください。
白寿祝いで避けたほうがよい贈り物
卒寿祝いで避けたほうがよいプレゼントの例は下記の通りです。
・履物や筆記用具
履物は「踏みつける」ことを連想させるため、目上の方への贈答品には向かないとされています。筆記用具も「勉強や仕事を頑張れ」という意味合いがあるため、白寿の贈り物(年上の方への贈り物)にはふさわしくありません。
・白いハンカチ
白いハンカチは葬儀のとき顔にかける布を連想させるため、縁起が悪いとされています。
・生花
受け取った花は、それぞれの利用者さんが手入れすることになります。白寿を迎えた方のなかには生花の世話が難しい方もいらっしゃるので、花を贈る場合は手入れが必要ないプリザーブドフラワーなど選びましょう。
まとめ
白寿とは、99歳を迎えた方の長寿を祝う習わしのことです。おめでたい日を盛大に祝うため、介護施設では白寿を迎えた利用者さんを主役として、お祝い会を実施するケースがあります。
介護施設で白寿祝いをするときは、ご本人の思い出に残るイベントとなるように工夫を凝らしましょう。例えば、特別感のある食事を準備したり、写真や動画を撮影したりするのもよい方法です。また、白寿祝いのプレゼントには、白寿のテーマカラーである白色を基調にした品物や、ご本人の好みに合った実用性の高い品物を選ぶのがおすめです。
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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
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