介護の仕事は無資格・未経験からでも始められる?できる業務やメリットは?
文/長谷部 宏依(介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャー、福祉住環境コーディネーター2級)
介護の仕事は専門的なため、資格がないと働けないと思われている方はいませんか?
介護職員として働いている方は、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」を保有していることが多いため、尻込みをしてしまうかもしれません。
しかし、無資格・未経験から働き始めることはでき、仕事をしながら資格を取得していく方も多くいます。筆者もそのうちの1人です。
この記事では、無資格や未経験だけど介護の仕事に興味があるという方に、働ける場所やできる業務などをご紹介します。
- 目次
- 1.介護施設は無資格・未経験でも働ける?
- 2.無資格・未経験の介護職員ができる業務
- 身体介護
- 生活援助
- 訪問入浴介護
- 介護保険外サービス(自費サービス)
- 送迎者の運転
- 3.無資格・未経験の介護職員ができない業務
- 訪問介護
- 喀痰吸引や経管栄養の処置
- 4.無資格・未経験から介護職員になるメリット
- 介護の仕事がしたいと思ったら、すぐにチャレンジできる
- 自分の都合に合わせた働き方ができる
- 現場で業務をしながら介護技術を覚えられる
- 働きながら資格取得を目指せる
- 5.無資格・未経験から介護職員になるデメリット
- 知識や経験が不足している
- 転職には有資格者が有利
- 有資格者より給料は安い場合が多い
- 6.【経験談】無資格・未経験で介護職員になって大変だったこと
1.介護施設は無資格・未経験でも働ける?
介護施設は、無資格・未経験でも働けます。求人では「無資格可」「未経験可」と掲載されていることが多いです。
働ける施設として、デイサービスやグループホームなどさまざまあります。そのなかでも、特別養護老人ホームや介護老人保健施設は先輩職員が多いため、介護技術をしっかりと身につけたい方におすすめです。
無資格や未経験の求人がある場合、施設側は新人職員向けのオリエンテーションや研修体制をしっかりと整えているはずです。
研修後はOJTなど先輩職員に業務を教えてもらいながら、介護スキルを習得していきます。
しかし、これまでは無資格でも無条件で介護の仕事ができましたが、2021年4月より、無資格の方は「認知症介護基礎研修」を受講することが義務化されました(2023年までは経過措置期間)。
この研修は、認知症ケアに関する基本的な知識や技術を身につけるためのものです。
そのため無資格で就職した場合、仕事をしながらこの研修を受講することになります。
参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に関する審議報告の概要」
2.無資格・未経験の介護職員ができる業務
無資格・未経験でもさまざまな業務を行うことができます。ここでは、その種類や内容についてご紹介します。
身体介護
身体介護とは、食事介助・入浴介助・排泄介助など直接身体に触れる介護のことです。
基本的に身体介護は有資格者が行いますが、介護福祉士など有資格者のサポートがあれば無資格者も行うことができます。
生活援助
施設内での食事の準備や片付け、掃除、洗濯など高齢者の身体に直接触れない支援を行います。レクリエーションや体操などを一緒に行うこともあるでしょう。
訪問入浴介護
訪問入浴介護は、看護師1人と介護職員2人の合計3人でチームを組みます。要介護者の自宅に浴槽を運び入れ、入浴介助をするサービスです。介護職員は無資格や未経験でも可能です。
介護保険外サービス(自費サービス)
介護保険を利用しない自費サービスは、無資格や未経験でも行えます。
- 庭の草取り
- 窓ふき
- 花の水やり
- 家族の部屋の掃除 など
このような介護保険適用外の自費サービスは無資格でも行うことができるため、今後需要が高まれば仕事が増えてくるでしょう。
送迎者の運転
デイサービスやショートステイなど送迎を伴う介護施設の場合、ドライバーとして業務につくことは可能です。専門のドライバーが運転する施設もありますが、介護職員が担当する場合もあります。
3.無資格・未経験の介護職員ができない業務
介護の仕事には資格がないとできない業務があります。仕事に慣れてきてもっと上を目指したいと考えるなら、資格の取得も視野に入れていきましょう。
訪問介護
訪問介護は基本的に1人で要介護者宅に行き介護をします。そのなかでも身体介護は「介護職員初任者研修」以上の資格が必要になります。
その理由は、直接身体に触れる介護は、知識や技術がないと支援ができないためです。また、生活援助のみの支援も「生活援助従事者研修」を修了していないと行えません。
喀痰吸引や経管栄養の処置
無資格では、喀痰吸引や経管栄養の処置を行うことはできません。しかし、実地研修や「喀痰吸引等研修」を修了した介護職員は可能になります。
参考:厚生労働省「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度について」
4.無資格・未経験から介護職員になるメリット
無資格・未経験から介護職員になるメリットをご紹介します。自分の都合に合わせた働き方が可能で、仕事をしながら介護技術を覚えることができます。
介護の仕事がしたいと思ったら、すぐにチャレンジできる
介護業界は人手不足が続いており、実務経験や資格がなくても求人はあります。「未経験可」「無資格可」などと書かれていることが多いです。
また、無資格でも介護職の経験があれば、即戦力になると見られることもあるでしょう。
自分の都合に合わせた働き方ができる
介護職の求人は、週3日や1日6時間などパートやアルバイトの募集が多くあります。子育て中や長時間働けない方にとっても仕事を始めやすく、また、ほかの仕事とのかけ持ちもしやすいでしょう。
現場で業務をしながら介護技術を覚えられる
未経験の方を採用するには、その勤務先はしっかりとした研修体制が整っているはずです。最初から高い介護技術が必要な業務を求められることはありません。
まずはお茶を出したりおしぼりを配ったり、高齢者とコミュニケーションをとることから始めます。
また、先輩職員から介護の方法を教えてもらうときには、わからないことを質問しながら技術を覚えていくのがよいでしょう。
働きながら資格取得を目指せる
介護現場で働くことにより、知識や介護技術が身についてきます。そのため、資格取得の勉強をしていても理解がしやすいでしょう。
まずは介護資格の入り口として「介護職員初任者研修」を最初に取得することをおすすめします。
5.無資格・未経験から介護職員になるデメリット
無資格・未経験から介護職員になるデメリットもあります。メリットとあわせて見てみましょう。
知識や経験が不足している
介護業界に無資格や未経験で飛び込んだ場合、知識が不足していることは否めません。そのため最初は覚えることが多く、大変に感じることがあるでしょう。特にバイタルサインや口腔ケアなど専門用語は難しいため、戸惑うことがあるかもしれません。
しかし、新人職員向けの研修やOJTを受け仕事をしていくなかで、徐々に慣れて覚えていくでしょう。
転職には有資格者が有利
転職には無資格よりも資格のある方が有利です。資格保有は一定の介護知識や技術があることの証明になり、任せてもらえる業務も増えます。
施設側も、資格があれば即戦力になると判断できるため採用しやすくなります。
有資格者より給料は安い場合が多い
無資格者は有資格者より給料が安くなる傾向があります。介護の仕事は、資格があることで業務範囲が広がるため、資格手当や職務手当が付く職場も多いです。
介護職員として高い収入を目指すなら、資格の取得をおすすめします。
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
6.【経験談】無資格・未経験で介護職員になって大変だったこと
筆者は、新卒から無資格・未経験で介護業界に就職しました。祖父母とも同居しておらず、周りにも高齢者はいなかったため、コミュニケーションのとり方すらよくわかっていない状態からのスタートでした。
介護老人保健施設に入職して、まず研修を受けました。入浴介助の方法から更衣、おむつ交換、食事介助、シーツ交換など介護の仕事に必要な技術を学びました。
しかし、それだけでは介護技術は身につきません。やはり実践が必要です。先輩職員からの指導を受けながら実践を重ねていくうちに、ひと通りの介護技術を身につけることができました。
しかし、一番困ったのがコミュニケーションの方法です。時間ができたら入所者のお部屋に行ってコミュニケーションをとってくるように言われていましたが、どのように話しかけたらいいのかわからずに戸惑うこともしばしばでした。
高齢者が使うような言葉もわからず、「おみおつけにはいつも何を入れているの?」と聞かれ、キュウリと答えていました(おみおつけとはおみそ汁のこと)。私は、おみおつけとお漬物を勘違いしていたのです。
このような失敗を繰り返しながら介護の仕事にも慣れていき、入所者に冗談も言えるようになっていきました。
無資格・未経験でも、介護業務を行いながらさまざまな知識や技術を身につけられます。最初のうちはどのように動いていいのかわからず不安になりますが、そんなときには先輩職員に相談すればよいのです。過去の経験や知識から、いろいろ教えてくれるでしょう。
無資格や未経験でも、興味を持っているならまずはやってみることが大切です。人のお世話をすることや話すことが好きな方は、介護の仕事を始めてみませんか?
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