【なぞり書き百人一首】秋の歌④ 吹くからに 秋の草木の しほるれば むべ山風を あらしといふらむ
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第4回目にピックアップしたのは、文屋康秀の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
秋の歌の4つめは、六歌仙の一人にも数えられる文屋康秀の作品。漢字の「山」と「風」を組み合わせると「嵐」になる。そんな言葉遊びを取り入れながら、山沿いの土地に吹き荒れる激しい風の様子を詠んだ一首です。
吹くからに 秋の草木の しほるれば
むべ山風を あらしといふらむ
小倉百人一首 歌番号(22番) 文屋康秀
歌意
秋になると、山沿いの土地には斜面からおりてくる山風が吹く。そしてその風は、吹いたかと思うとすぐに草木がしおれるほど荒々しい。なるほど、それで山から吹きおろす風を「荒らし」、すなわち「嵐」というのか。
ことば
●吹くからに:吹くとすぐに
●しをる:草木が色あせてしおれる
●むべ:「なるほど」という意味
●あらし:「荒らし」と「嵐」を掛けた言葉。「山」+「風」で「嵐」になるという言葉遊びの意味も含まれています。
作者
文屋康秀(ふんやのやすひで):平安初期の歌人で、六歌仙の一人。行政官として三河国(現在の愛知県東部)に赴任するとき、小野小町を連れに誘ったという逸話が有名です。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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