【なぞり書き百人一首】秋の歌⑰ 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第17回目にピックアップしたのは、寂蓮法師の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。
歌の意味と作者について
歌番号87番は、平安・鎌倉時代の僧であり歌人でもある寂蓮法師の作品です。秋といえば、色鮮やかな紅葉に目を奪われがちですが、この歌ではにわか雨や濡れた木の葉、立ちのぼる霧などにスポットを当てて、秋の夕暮れの幻想的な光景を見事に描き出しています。
村雨の 露もまだひぬ まきの葉に
霧たちのぼる 秋の夕ぐれ
小倉百人一首 歌番号(87番) 寂蓮法師
歌意
にわか雨が通り過ぎて、その露がまだ乾いていないまきの葉に、霧が白く立ちのぼっている。そんな秋の夕暮れであるよ。
ことば
●村雨:秋から冬にかけて降るにわか雨のこと
●露もまだひぬ:露は雨のしずくのこと。まだひぬは「まだ乾かない」という意味
●まきの葉:まきは、スギやヒノキなど「上質な木材になる木」の総称
●霧:もやのこと
作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし):出家する前の名前は藤原定長。30歳過ぎに出家し、全国を行脚しながら歌道にも精進しました。その後、「新古今和歌集」の撰者の命を受けますが、完成を待たずに没したため、撰者とはされていません。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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