【なぞり書き百人一首】秋の歌⑤ 月見れば 千々にものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第5回目にピックアップしたのは、大江千里の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
秋の歌の5つめは、歌番号23番・大江千里が詠んだ哀愁たっぷりの一首です。秋の名月を見ていると、胸にいろいろな想いが去来して心が揺れる――。そんな作者の言葉から、秋独特のもの悲しさがしみじみと伝わってきます。
月見れば 千々にものこそ 悲しけれ
わが身ひとつの 秋にはあらねど
小倉百人一首 歌番号(23番) 大江千里
歌意
秋の月を見ていると、いろいろな想いが頭をよぎり、何かにつけて物事が悲しく思われる。秋が私一人のために訪れたわけではないのだけれど、自分だけが悲しみを背負い込んでいるような気持ちになるのだ。
ことば
●月見れば:月を見ると
●千々に:「さまざまに」や「際限なく」という意味
●もの:自分を取り巻くさまざまなもの
●わが身ひとつの:「私一人だけの」という意味
作者
大江千里(おおえのちさと):在原業平・行平の甥。父親は有名な漢学者で、千里もそのあとを継ぎますが、和歌の世界でも才能を発揮。特に、漢詩を取り入れた歌を得意としたそうです。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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