【なぞり書き百人一首】秋の歌⑦ このたびは ぬさもとりあへず 手向山 もみぢのにしき 神のまにまに
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第7回目にピックアップしたのは、菅家の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
百人一首には、紅葉を詠んだ歌が5首載っていますが、歌番号24番もそのひとつです。作者は菅家(菅原道真)。山を彩る美しい紅葉を神様への貢ぎ物に見立てた、スケールの大きな作品となっています。
このたびは ぬさもとりあへず 手向山
もみぢのにしき 神のまにまに
小倉百人一首 歌番号(24番) 菅家
歌意
今度の旅は急なことで、神様に捧げるぬさを用意できませんでした。手向山の錦のような紅葉をわたくしの捧げるぬさとして、神の御心のままにお受け取りください。
ことば
●このたびは:「たび」は、度と旅の掛け詞
●ぬさもとりあへず:「ぬさ」は、神への捧げものとして神や絹を細かく切ったもの。旅の途中で、安全を祈るのに使われました。「とりあへず」は、「用意するだけの時間がなく」という意味
●手向山:旅の安全を祈って、神にぬさを捧げる場所。ほとんどが峠の頂上にあったそうです
●もみじのにしき:秋の紅葉の美しさを錦織にたとえた言葉
●神のまにまに:「神の御心のままに」という意味
作者
菅家(かんけ):学問の神様として知られる菅原道真のこと。若くして文章博士となり、その後右大臣にまで出世しますが、藤原時平の策謀により九州・太宰府に左遷。59歳で生涯を終えました。現在は、天満天神として太宰府天満宮に祀られています。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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