【なぞり書き百人一首】秋の歌⑧ 小倉山 峰のもみぢば 心あらば いまひとたびの みゆきまたなむ
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第8回目にピックアップしたのは、貞信公の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
歌番号26番は、小倉山(京都市)の紅葉の美しさを題材にした作品。宇多上皇(第59代天皇)が小倉山に出掛けた際、「我が子である醍醐天皇にも、美しい紅葉を見せたいものだ」と願ったことに対して、随行していた貞信公が詠んだ歌です。
小倉山 峰のもみぢば 心あらば
いまひとたびの みゆきまたなむ
小倉百人一首 歌番号(26番) 貞信公
歌意
小倉山の峰の紅葉よ、もしお前に私の望みを理解する気持ちがあるならば、もう一度天皇がおいでになるときまで、散らずにそのまま待っていてほしい。
ことば
●小倉山:京都市右京区にある紅葉の名所
●心あらば:紅葉を人になぞらえた言葉で、「思いやりがあるならば」「人の情がわかるならば」という意味
●いまひとたび:「もう一度」の意味
●みゆき:行幸。天皇が外出されること
●またなむ:「待っていてほしい」という意味。「なむ」は願望を表す言葉
作者
貞信公(ていしんこう): 藤原忠平のことで、関白太政大臣・藤原基経の四男。従一位関白太政大臣の座まで出世するなど、長期にわたって政権を支え、藤原氏が栄える基礎をつくりました。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
スピード転職も情報収集だけでもOK
マイナビ介護職は、あなたの転職をしっかりサポート!介護職専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングを行います。
はじめての転職で何から進めるべきかわからない、求人だけ見てみたい、そもそも転職活動をするか迷っている場合でも、キャリアアドバイザーがアドバイスいたします。

SNSシェア