【なぞり書き百人一首】秋の歌⑩ 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第10回目にピックアップしたのは、文屋朝康の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
歌番号37番は、秋の風に吹き飛ばされる草葉の上の水滴を、真珠が散らばる様に見立てた美しい一首。「小倉百人一首」の撰者である藤原定家も、この作品を気に入っていたといわれています。
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
小倉百人一首 歌番号(37番) 文屋朝康
歌意
草葉の上で白く輝いている露の玉に、風がしきりに吹きつける秋の野では、まるでひもに通していない真珠の玉が、乱れ散ったように見えることだ。
ことば
●白露:草の葉の上に乗って白く光る露(水滴)のこと
●風の吹きしく:「しく」は「しきりに~する」という意味
●つらぬきとめぬ:「ひもを通してつなぎとめていない」という意味
●もみじのにしき:秋の紅葉の美しさを錦織にたとえた言葉
●玉:真珠のこと。平安時代は真珠に穴を開けてひもに通し、アクセサリーとして大切にしたそうです
作者
文屋朝康(ふんやのあさやす):「小倉百人一首」の22番に歌がある文屋康秀の子。あまり高い官職ではありませんでしたが、歌の才能は高く評価されており、多くの歌会に名を連ねていました。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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