【なぞり書き百人一首】秋の歌⑫ 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第12回目にピックアップしたのは、能因法師の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
歌番号69番は、秋の自然美をテーマにした能因法師の作品です。秋の山では美しい紅葉があたりを染め抜きますが、ここではそうした情景を「錦織物」になぞらえつつ、あでやかに歌い上げています。
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり
小倉百人一首 歌番号(69番) 能因法師
歌意
激しい風で吹き散らされた三室山のもみじの葉が、竜田川の水面を埋め尽くしていて、まるで絢爛たる錦織物のようだった。
ことば
●嵐:激しく吹く風のこと
●三室の山のもみぢ葉は:「三室の山」は、神が鎮座する山という意味。ここでは、大和国(現在の奈良県生駒郡斑鳩町)の神奈備山を指しています。
●竜田川:大和国を流れる川の名称
●錦:さまざまな色糸を使って、絢爛豪華な模様を織り出す絹織物のこと
作者
能因法師(のういんほうし):平安時代中期の歌人。文章生(学者)として漢文学や歴史学といった学問を研究していましたが、後に出家。藤原長能から和歌を学び、諸国を旅しながら多くの名歌を残しました。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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