【なぞり書き百人一首】秋の歌⑬ さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第13回目にピックアップしたのは、良暹法師の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
修行のため人里離れた草庵(草ぶきの小さな家)に移り住み、たった一人で生活していた作者が、秋の夕暮れ時の「そこはかとなくさびしい雰囲気」をしみじみと歌った一首です。歌番号は70番。
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ
小倉百人一首 歌番号(70番) 良暹法師
歌意
あまりにもさびしいものだから、庵から外に出てあたりの景色をながめてみると、結局はどこも同じように、さびしい秋の夕暮れが広がっていたよ。
ことば
●さびしさに:「さびしくてたまらぬものだから」の意味
●宿:自分が住んでいる庵のこと
●ながむれば:「ながむ」は「感情を込めてじっと見守る」という意味
●いづこも同じ秋の夕暮れ:「どこも同じように、さびしい秋の夕暮れが広がっていた」という意味
作者
良暹法師(りょうぜんほうし):平安時代中期の僧・歌人。多くの歌合(短歌を出し合って優劣を決める遊び)に出席したとされていますが、生没の年齢が明らかでなく、その生涯もはっきりしていません。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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