【なぞり書き百人一首】秋の歌⑮ 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
構成・文/介護のみらいラボ編集部
秋の歌の第15回目にピックアップしたのは、藤原基俊の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
子どもの出世を約束してくれた人が、結局は何もしてくれなかった......。そんな失意の気持ちを秋の寂しさに重ね合わせた一首です。作者は藤原基俊、子どものことを頼んだ相手は、76番歌を詠んだ藤原忠通だとされています。
契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋もいぬめり
小倉百人一首 歌番号(75番) 藤原基俊
歌意
約束してくださった、「私を頼りにしていなさい」という恵みの露のようなありがたい言葉に望みを託しておりましたのに、ああ、今年の秋もむなしく過ぎて行くようです。
ことば
●契りおきし:「約束しておいた」という意味
●させもが露:させもは「よもぎ」、露は「恵みの露」のこと
●あはれ:嘆きの感情を表す感動詞
●秋もいぬめり:「秋も過ぎ去ってしまうことだろう」という意味
作者
藤原基俊(ふじわらのもととし):和歌や漢詩の才能に優れており、歌壇の指導者として活躍しました。しかし、学識を鼻にかけて世間を見下すようなところがあったために、出世にはあまり縁がなかったようです。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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