【なぞり書き百人一首】春の歌④ いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
構成・文/介護のみらいラボ編集部
春の歌の第4回目にピックアップしたのは、伊勢大輔の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

歌の意味と作者について
桜は、百人一首でも数多く詠まれている日本の春の象徴です。今回は、そんな桜の花の美しさ、華やかさを題材にした作品を紹介しましょう。作者は平安時代の女流歌人・伊勢大輔、歌番号は61番です。
いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな
小倉百人一首 歌番号(61番) 伊勢大輔
歌意
旧都となった奈良の都の八重桜が、今日は新都である京都に献上され、九重の宮中でひときわ美しく咲き誇っていることよ。
ことば
●いにしへ:「過ぎ去った古い時代」という意味
●八重桜:八重咲きになる桜の品種。この歌は、八重桜が奈良から京都の宮中に献上されるときに歌われたものだとされています
●九重:「宮中」の意味
●にほひぬるかな:「色美しく咲く」の意味。ここでの「にほひ」は、香りではなく見た目の美しさを表す言葉
作者
伊勢大輔(いせのたいふ):平安時代中期の女流歌人で、百人一首49番の歌の作者・大中臣能宣の孫。一条天皇の中宮である藤原彰子に仕え、紫式部や和泉式部とも親しい間柄だったそうです。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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