【なぞり書き百人一首】春の歌⑦ 高砂の をのへの桜 咲きにけり 外山のかすみ たたずもあらなむ
構成・文/介護のみらいラボ編集部
春の歌の第7回目にピックアップしたのは、前権中納言匡房の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。
歌の意味と作者について
今回紹介するのは、前権中納言匡房の作品。作者が内大臣・藤原師通の酒宴に参加したときに、「遙かに山桜を望む」という題を与えられて詠んだ歌で、自然への愛情がストレートに表現されています。
高砂の をのへの桜 咲きにけり
外山のかすみ たたずもあらなむ
小倉百人一首 歌番号(73番) 前権中納言匡房
歌意
遠くの高い山の頂にある桜が、美しく咲いたことだ。人里近い山にかすみが立つと、せっかくの桜が隠されてしまうから、どうか立たずにいてほしい。
ことば
●高砂:高く積もった砂を指す言葉で、ここでは「高い山」の意味
●をのへ:「峰の上」のことで、峰つづきの高いところ、山頂を意味します
●外山:人里に近い山のこと
●かすみ:霞(立春のころにたつ霧)のこと
●たたずむもあらなむ:「なむ」は希望をあらわす終助詞で、「立たないでくれ」という意味
作者
前権中納言匡房(さきのごんのちゅうなごんまさふさ): 学者一族として有名な大江家に生まれた、平安時代を代表する学識者。幼い頃から神童と呼ばれ、8歳で「史記」や「漢書」を読み通したといわれています。
[参考]
『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)
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