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高齢者レクリエーション 脳トレ・クイズ 百人一首なぞり書き 2022/06/21

【なぞり書き百人一首】夏の歌④ 風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける

構成・文/介護のみらいラボ編集部

夏の歌の第4回目にピックアップしたのは、従二位家隆の作品。歌意や作者の解説なども掲載しておきますので、情景や詠み手の思いを感じながら、ゆっくりと文字をなぞってみましょう。

夏の歌4.jpg

歌の意味と作者について

歌番号98番は、鎌倉時代初期の公卿・歌人である従二位家隆の作品。上賀茂(かみがも)神社の御手洗(みたらし)(がわ)に吹く心地よい風と(なら)の葉のそよぎを感じながら、夏の最後を飾る清らかな神事を眺める----。そんな爽やかな情景を読んだ一首です。

(かぜ)そよぐ ならの小川(おがわ)(ゆう)ぐれは

みそぎぞ(なつ)の しるしなりける

小倉百人一首 歌番号(98番) (じゆ)()()家隆(いえたか)

)

)

歌意

風がそよそよと吹いて、楢の木の葉を揺らしている。この「ならの小川」の夕暮れは、すっかり秋らしくなってしまったが、六月(みなづき)(ばらえ)のみそぎが行われているのが、まだ夏であることの証であるよ。

ことば

●風そよぐ:「そよぐ」は、そよそよと音をたてるという意味

●ならの小川:上賀茂神社の境内を流れている御手洗川のこと。「神社の楢の木の葉に風がそよぐ」という意味と、「御手洗川に涼しい風が吹いている」という意味を掛けた言葉でもあります

●みそぎ:半年間の罪やけがれを(はら)い清める神事で、「六月祓」あるいは「()(ごしの)(はらえ)」と呼ばれます

●夏のしるしなりける:「夏の証なのだよ」という意味

作者

従二位家隆(じゆにいいえたか):権中納言だった藤原(ふじわらの)光隆(みつたか)の息子である藤原(ふじわらの)家隆(いえたか)のこと。百人一首の撰者である藤原(ふじわらの)定家(さだいえ)の父・俊成(としなり)に和歌を習い、その詠みぶりは定家と並び称されるほどだったそうです。

[参考]

『全訳読解古語辞典 第五版』(三省堂)
『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『解説 百人一首』 (ちくま学芸文庫)

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