お正月の高齢者向けレクリエーション8選!実施の注意点も
お正月は1年の始まりを迎える大切な期間です。毎年1月になると、お正月にちなんだイベントやレクリエーションが、多くの高齢者施設で行われています。
当記事では、数あるレクリエーションの中からお正月向けのおすすめレクリエーションを8つ、実施する際のポイントや注意点を交えながら紹介します。室内のレクリエーションを通して、利用者の身体機能維持や脳の活性化を促したいと考える高齢者施設のスタッフは、ぜひ参考にしてください。
1.お正月とは?レクリエーションを実施する際の注意点も
本来、「正月」とは新年最初のひと月、つまり1月を指す言葉です。しかし、現在では門松やしめ縄などのお正月飾りを飾っておく期間である「松の内」を「正月」と捉えることが多くなっています。松の内は地方によって期間が異なり、関東では1月1日から7日、関西では1月1日から15日までです。
老人ホームやデイサービスセンターなど、多くの高齢者施設では1月にお正月イベントが行われます。レクリエーションを計画する場合は、以下の2点に注意してください。
①年末年始は準備の時間がとりにくいので、12月中旬から企画準備を進めておく
年末年始は、大掃除やお正月飾りの準備などで慌ただしくなる時期。お正月のイベント、レクリエーションについては12月中旬頃から企画準備を進めておくとよいでしょう。
②食事を伴うレクリエーションは、誤嚥や窒息事故が起きないように十分注意する
おせちや雑煮といったお正月の食事には、普段以上に注意が必要です。高齢者に餅を提供する場合は細かく切ったり、食事中にしっかり水分を取ったりして、誤嚥、窒息の予防に努めましょう。
お正月は高齢者にとってなじみ深い行事の一つです。安全に配慮した上で、多くの利用者が楽しめるレクリエーションを実施しましょう。
2.お正月におすすめの高齢者レクリエーション8選
お正月は1年の始まりの大切なイベントです。施設利用者が笑って過ごせるように、多くの人が楽しめるレクリエーションを行いましょう。
ここでは、比較的簡単でお正月気分を盛り上げられる、おすすめのレクリエーションを8つ紹介します。お正月のレクリエーションを企画する際は、ぜひ参考にしてください。
羽根つき
お正月の風物詩として知られる羽根つきですが、高齢者施設のレクリエーションとして行う際は、道具やルールをアレンジするのがおすすめです。
たとえば、羽根の代わりに風船を使うと滞空時間が長くなるため、羽子板で打ち返す難易度が下がります。歩行介助が必要な利用者がいる場合は、椅子に座って行っても良いでしょう。その際は、輪状に並べた椅子に利用者が座り、輪の中心に職員が入って利用者同士のパスをサポートしてください。
羽根つきは「ラリーの回数を伸ばすこと」を目標に、参加者全員が一丸となって盛り上がれるおすすめのレクリエーションです。
かるた大会
かるたは日本の伝統的な遊びであり、幼い頃に親しんだ人も多いでしょう。レクリエーションの参加者が多い高齢者施設では、参加者同士の実力が釣り合うようにバランスのよいグループ分けを心がけましょう。
高齢者施設でかるた大会を行う場合は、文字の大きなかるたを用意しましょう。市販のものが手に入らない場合は、段ボールなどを使って職員が手作りしてもOKです。「札の見やすさ」と「読みの聞き取りやすさ」を意識してレクリエーションを進行してください。
優勝者に賞品を設定すると、勝負に張り合いが出て盛り上がります。お手玉を投げて絵札を仕留めるなど、オリジナルルールのかるたを行うのもおすすめです。
坊主めくり
坊主めくりは、百人一首の絵札だけを使うゲームです。和歌の意味や細かい文字が分からなくても参加できるため、幼児から高齢者まで楽しめます。
坊主めくりの基本ルール
(1)百人一首の絵札のみをシャッフルし、裏返しにして束ねて置きます
(2)参加メンバーが、順番に1人1枚ずつ引いていきます
(3)男性の札を引いたら、そのまま自分の札にします
(4)坊主の札を引いたら、持ち札をすべて捨てなければいけません
(5)姫の札を引いたら、場の捨て札をすべてもらえます(捨て札がない場合は、引いた札だけが自分の札になります)
(6)すべての絵札を引き終わって、持ち札の枚数が多い人の勝利です
坊主めくりにはローカルルールが複数存在します。レクリエーションとして実施する際は、毎回適用するルールを周知しましょう。また、百人一首の札は、なるべく絵柄が大きく見やすいものを用意すると良いでしょう。
百人一首を使ったレクリエーションはほかにもあり、「百人一首なぞり書き」もおすすめです。
福笑い
高齢者施設で福笑いを行う際は、大きなサイズのものを準備しましょう。多くの利用者に見えることで、一緒になって盛り上がれます。目・鼻・口などのパーツにマグネットシートを取り付けて、ホワイトボードに貼っていく方法もおすすめです。
おかめやおたふく、ひょっとこの顔を使った福笑いが一般的ですが、慣れ親しんだ施設職員の顔写真を使った福笑いも喜ばれるでしょう。
福笑いは、やり方を変えるとトレーニングレクにもアレンジできます。たとえば、手ではなくストローで吸って顔のパーツを移動させると、口の周りの筋力トレーニングになりますし、紙に印刷したパーツを切り取って準備する工作は、手先のトレーニングとして有効です。お正月だけでなく、定期的に行ってみるのも良いでしょう。
絵馬・おみくじ
外出が難しく初詣に行けない利用者がいる場合は、施設内で絵馬作りをしたり、おみくじを引いたりすることでお正月気分を味わってもらいましょう。
おみくじは文字が大きく、簡潔な文面のものが読みやすくておすすめです。絵馬は本物の形を模して、画用紙や段ボールで少し大きめに作りましょう。
準備の時間に余裕がある場合は、おみくじを結ぶ場所や絵馬をつるす場所、鳥居、さい銭箱などを制作して壁面を飾るのもおすすめです。
書き初め
書き初めは指先を使うため、脳を活性化する効果が期待できるといわれます。また、日常生活で筆を使って文字を書く機会がほとんどなくなったため、利用者の多くが懐かしさを感じるでしょう。
書き初めに必要な準備
・半紙
・筆
・すずり(または墨池)
・墨(または墨汁)
・文鎮
・下敷き
・新聞紙など
上記のものに加えて、汚れ防止のビニールエプロンなどがあると便利です。
新年の抱負や座右の銘といった好きな言葉を自由に書いてもらう場合も、職員が書いた見本をいくつか用意しておくと良いでしょう。
完成した書き初め作品を掲示する場合は、必ず作者である利用者本人の許可を取るようにしてください。
お正月クイズ
お正月についてどこまで知っているか、知識力を問うクイズは高齢者におすすめのレクリエーションです。
高齢者施設でお正月クイズを行う際は、問題文の「見やすさ」と「聞き取りやすさ」がポイントになります。ホワイトボードに書くなど、全員がストレスなく問題を把握できるように配慮してください。クイズの答えは2択、3択にするなど、多くの人が参加できる形式にしましょう。
例題
問題:お年玉の起源は?
1. 貴族が身につけていた宝玉を家来に分け与えたこと
2. 新年におはじきやビー玉を子どもにプレゼントしたこと
3. 神様にお供えした鏡餅のお下がりを子どもに分け与えたこと
正解:3
昔は、神様にお供えした鏡餅を、家長が子どもたちに分け与え、無事成長するよう祈る習慣がありました。子どもたちに分ける餅は「御歳魂(おとしだま)」と呼ばれており、現在のお年玉の起源とされています。
お正月クイズと併せて行うレクリエーションとして、イラストを使った間違い探しもおすすめです。
まとめ
お正月は高齢者にとってなじみ深い行事です。介護施設、高齢者施設でお正月のレクリエーションを行う際は、羽根つきや福笑いなど伝統的な遊びをアレンジして、季節感を演出しましょう。
なお、高齢者向けのレクリエーションゲームでは、文字の大きさやルールの聞き取りやすさなどに配慮が必要です。利用者の状態に合わせて、より多くの人が参加できるレクリエーションを企画しましょう。
「介護のみらいラボ」では介護現場で働く人に向けた有益な情報を発信しています。介護の現場で感じた疑問や悩みの解決に、ぜひお役立てください。
※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています
【日本全国電話・メール・WEB相談OK】介護職の無料転職サポートに申し込む
スピード転職も情報収集だけでもOK
マイナビ介護職は、あなたの転職をしっかりサポート!介護職専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングを行います。
はじめての転職で何から進めるべきかわからない、求人だけ見てみたい、そもそも転職活動をするか迷っている場合でも、キャリアアドバイザーがアドバイスいたします。
SNSシェア