高齢者にクイズがおすすめな理由は?人気の5大ジャンルと問題例も
構成・文/介護のみらいラボ編集部
介護施設で実施するレクリエーション活動の中でも、頭を使うクイズ系のレクリエーションは特に人気です。当記事では、高齢者にクイズがおすすめな理由から、高齢者向けのおすすめクイズジャンル(出題例・ポイント付き)まで徹底解説します。

介護施設・高齢者施設で定期的に行われるレクリエーション活動の中でも、特に頭を使う脳トレクイズ系のレクリエーションは人気です。周りの利用者たちと楽しみながらクイズを解くことで、コミュニケーションと脳全体の活性化が期待できます。
ここでは、高齢者にクイズがおすすめな理由から、おすすめのクイズジャンルを問題例付きで紹介します。
1.高齢者にクイズがおすすめな2つの理由
介護施設・高齢者施設では、定期的に利用者が楽しめるレクリエーション活動を実施します。中でも、あらゆる効果が期待できるレクリエーションジャンルとしてクイズは大人気です。では、なぜ高齢者にクイズのレクリエーションがおすすめなのでしょうか。
●脳の活性化につながる
●利用者同士のコミュニケーションを促進できる
上記は、高齢者にクイズがおすすめな理由としてだけではなく、高齢者がクイズを行うメリットともいえます。クイズを行うことで、記憶を蘇らせるので、脳機能を活発に活動させることができ、脳全体の活性化につながるでしょう。認知機能や記憶力・判断力・注意力が養われ、結果として認知症予防も期待できます。また、解答した内容が正解していれば大きなやりがい・達成感も感じられます。
さらに、介護施設におけるクイズレクリエーションは、脳のトレーニングだけでなく利用者同士のコミュニケーションが活性化される点も魅力です。他の利用者と協力して正解に導く形式にすることで、協調性が格段にアップするでしょう。
このように、高齢者向けのクイズにはさまざまな効果が期待できることから、実際に全国の病院や介護施設でも取り入れられています。豪華な景品を準備したり、その時々の季節に沿ったクイズを出したりすると、より盛り上がるでしょう。
(出典:眉山病院「豪華景品争奪、クイズ大会」)
(出典:小金井中央病院「通所リハビリテーション「1月のイベント(お正月)」を開催しました」)
2.【高齢者向け】おすすめのクイズ5ジャンル|問題例とポイントも
介護施設において、高齢の利用者に対してクイズレクリエーションを実施する際は、まず利用者が楽しめる内容・適切な難易度の問題を選定することが重要です。利用者たちが楽しんで取り組めなければ、脳やコミュニケーションの活性化効果も期待できません。
また、なるべく利用者たちに楽しんでもらうためにも、景品を用意しておく・グループ対抗戦にするなどの工夫も大切です。
ここからは、レクリエーションに取り入れやすく・盛り上がりやすいクイズのジャンル5つを、問題例と実施時のポイントを交えて詳しく紹介します。
○×クイズ・選択肢のあるクイズ
○×クイズや、A・B・Cなど選択肢のあるクイズは、直感的に答えられるため、思考力・判断力が低下した高齢者でも気軽に参加できるジャンルです。問題として出す内容は、利用者の年齢層に適したものや、健康に関するもの、個人的なものなど幅広い分野を取り入れるとよいでしょう。
下記は、○×クイズ・選択肢のあるクイズそれぞれの出題例です。
【○×クイズ出題例】
問題 | 答え |
---|---|
クイズ(1) 昭和は63年まであった。○か×か? |
○ |
× | |
クイズ(2) 「昭和」は本来違う元号となる予定だった。○か×か? |
○ |
× | |
クイズ(3) ボウリングのピンを一度にすべて倒すことを「ストライク」と言う。○か×か? |
○ |
× |
【選択肢のあるクイズ出題例】
問題 | 答え |
---|---|
クイズ(1) 特定の陣地から、はじき出す遊びに使うものは何と言う? |
A. テレビゲーム |
B. ビー玉 | |
C. 花摘み | |
クイズ(2) 小豆やビーズの入った小袋を、交互に投げて遊ぶ遊びは何と言う? |
A. すもう |
B. カラオケ | |
C. お手玉 |
また、高齢者向けクイズの問題は、専用サイトや、本などを活用しましょう。
当サイト内のクイズも、ぜひ活用してみてくださいね。
日本語クイズ
日本語クイズでは、ことわざや熟語・単語、難読漢字など日本語・文字に関する問題を出します。「聞きなれた言葉ではあるものの、なかなか出てこない」という問題が多く、盛り上がるでしょう。それぞれ難易度の低いものから高いものまであるため、出題する度に難易度を上げることをおすすめします。
下記は、日本語クイズの出題例です。
ジャンル/問題 | 答え | |
---|---|---|
ことわざ | (1)〇も木から落ちる | 猿 |
(2)〇〇は寝て待て | 果報 | |
熟語 | (1)〇分九厘 | 九 |
(2)〇念発起 | 一 | |
難読漢字 | (1)子守熊 | コアラ |
(2)凰梨 | パイナップル |
なぞなぞ・とんちクイズ
一般的なクイズは事実に基づいたものが正解となりますが、なぞなぞ・とんちクイズは思わず「なるほど」と唸ってしまうような、とんちを利かせた遊びのクイズです。頭をフル回転させられ、想像力・創造力を養う効果も得られます。答えを導き出せたときの達成感は、よい刺激やストレスの解消にもなるでしょう。婉曲的な出題方法となるため、ヒントも用意しておくことをおすすめします。
下記は、なぞなぞ・とんちクイズの出題例です。
問題 | 答え |
---|---|
(1)1時と3時の間にあるものは? ヒント:空に浮かぶもの |
虹 |
(2)「ちつてと」この動物は? ヒント:何が足りない? |
たぬき |
(3)お風呂に入っている乗り物は? ヒント:お風呂を英語で言うと? |
バス |
私は誰でしょうクイズ
私は誰でしょうクイズは、身近にあるものを擬人化し、それが何を示しているかを当てるというクイズです。出題者は、正解となる特定のものの特徴を1つずつ挙げていきます。利用者は言われた特徴を覚え、それが何か考えを巡らすことから、脳機能の活性化も期待できるでしょう。
下記は、私は誰でしょうクイズの出題例です。
問題 | 答え | |
---|---|---|
(1) |
・私は、基本的に4本足です ・ご飯を食べるときや、ちょっとした休憩によく使われています ・机といつも一緒にいます |
椅子 |
(2) |
・私は、2010年頃から日本で流行し始めました ・それ以前は、二つ折りのものが主流でした ・今では、ほとんどの人が常に持ち歩いています |
スマートフォン |
(3) |
・私は、表と裏の組み合わせが必ず決まっています ・ある一面だけ、色が違います ・ボードゲームなどでよく使われています |
サイコロ |
あるなしクイズ
あるなしクイズとは、「ある」と「なし」に分けられた言葉をもとに、「ある」のほうに共通した特徴や法則を当てるというクイズです。全体的にやや難易度が高いため、最初の説明を丁寧に行うようにし、理解できていない参加者がいないか注意しましょう。出題者は、あらかじめ問題をすべてプリントアウトしておき、利用者が見やすいようホワイトボードに大きく書くことをおすすめします。
下記は、あるなしクイズの出題例です。
【問題1】
ある | なし |
---|---|
りんご | マンゴー |
トマト | きゅうり |
バラ | ひまわり |
【問題1の答え】 「ある」のほうは、すべて「赤色」である |
【問題2】
ある | なし |
---|---|
悪魔 | 天使 |
かばん | バッグ |
ぞうきん | ふきん |
【問題2の答え】 「ある」のほうには、すべて「動物の名前」が入っている(あ「くま」・「かば」ん・「ぞう」きん) |
【問題3】
ある | なし |
---|---|
石鹸 | ボディーソープ |
風船 | しゃぼん玉 |
芝居 | 演技 |
【問題3の答え】 「ある」のほうの言葉の頭に、すべて「紙」を入れると別の意味の言葉になる |
このように、あるなしクイズには単純に共通点を見つけ出すパターンや、何か他の言葉が隠れているパターン、何かをくっつけて別の言葉にできるパターンなど、複数のパターンがあります。利用者が飽きないためにも、あらゆるパターンのクイズを出題しましょう。
まとめ
高齢者向けレクリエーションの中でも、頭を使うクイズ系レクリエーションは、利用者の脳機能の活性化や利用者同士のコミュニケーション促進につながることから、人気のあるレクリエーションです。クイズとひとくちに言ってもあらゆる種類があるため、利用者が飽きずに楽しめるためにもさまざまな種類のクイズを出題しましょう。
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参考
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