認知症がある利用者さんと一緒に作れる壁面飾り「秋のリース」|認知症ケアの現場から(2)
文・写真/安藤祐介![写真A.jpg](https://kaigoshoku.mynavi.jp/contents/kaigonomirailab/recreation/2022/11/3917725964e666d29ff1aa1c4f3522a34318587b.jpg)
介護事業所では、認知症がある利用者さんに余暇を充実して過ごしていただけるように作業活動を提供することがあると思います。 手先が器用だったり、理解力が高かったりすれば様々な作業活動が適応になりますが、長時間集中して取り組むことが難しかったり、複雑な工程で混乱が見られたり、簡単すぎると出来栄えが幼稚っぽくなってしまったりして、どんな作業活動を提供すればいいのか悩むことがあるのではないでしょうか。 そこで今回は認知症がある利用者さんが持っている能力を十分に発揮し、職員と一緒に楽しみながら作れる季節のリースをご紹介します。
1.作業活動の代表的な3つの工程
作業活動において、認知症がある利用者さんにはそれぞれ得意とする工程があります。代表的なのが『塗る』『切る』『貼る』の3つであり、1つに長けた方もすべて得意な方もいます。 各利用者さんが特にどの工程で力を発揮されるのかを実際に取り組んでもらいながら把握し、3つの工程を組み合わせて季節のリースを作ります。
2.工程1『塗る』
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最初に工程1では『塗る』を行います。季節に合わせた塗り絵を用意し、塗るのが得意な利用者さんに色鉛筆で塗ってもらいます。 秋の季節で言えば、モミジ・イチョウ・リンゴ・キノコ・ドングリ・コスモスなどが塗り絵の図案として適しています。
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後の工程で『切る』『貼る』を行いリースにするので、各図案の大きさはある程度揃えておきます。また、複雑な図案だと『切る』工程の難易度が上がるので、切りやすいシンプルな図案のほうが取り組みやすいです。認知症がある利用者さんに塗り絵を提供する時のポイントはこちらの記事を参考にしてください。
3.工程2『切る』
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続いて工程2では『切る』を行います。工程1で出来上がった塗り絵を、切るのが得意な利用者さんにハサミを使用して切ってもらいます。
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利用者さんがどこを切ればいいのかわかりやすいように、塗り絵の各図案の一番外側の線を太く濃くしておくのがポイントです。
ここで切り取ったものがリースを飾りつける素材になるので、塗るのが得意な利用者さんが少なく切れる素材が少ない場合は、工程1で完成した塗り絵をカラーコピーしたものを用意しておきます。
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ハサミは利用者さんにより手指の長さや手の平の大きさや握力などが違うため、使いやすい形状が異なります。色々な種類のハサミを用意しておき、試し切りしてもらいながら好みのハサミを見つけてもらうのがお勧めです。利用者さんが自ら「私はこの色のハサミにするよ」と選んだハサミを使ってもらうことで活動への意欲にもつながります。
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また、切る工程では紙の切れ端が散らばりやすいので、利用者さんの膝の上に置ける大きめの箱を用意すると親切です。
工程3『貼る』
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工程3では『貼る』を行います。工程1・2で用意した様々な季節の素材を、ダンボールなど丈夫な素材をリース状に加工した台紙の上に貼ってもらいます。貼る時はセロハンテープや液状のりを使用しますが、セロハンテープのほうが飾り付け後に貼り付けた素材をはがしやすく、台紙を次の作品作りに生かしやすいです。
なお、セロハンテープで貼り付ける際は、職員が一定の長さに切ったセロハンテープを、粘着面が外側になるように輪にして素材の裏側に貼り付け、それを利用者さんに台紙に貼り付けてもらうと工程が円滑です。
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最後に出来上がったリースに紐を通して壁に飾れば完成です。どの素材をどんな順番でどんな向きで貼り付けるかで利用者さんの個性が出やすく、どのような貼り方であっても一定の出来栄えになるので成功体験につながりやすい作業活動です。
まとめ
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今回は、工程2『切る』で切り取った素材をリース状にしましたが、模造紙や壁に貼れば大掛かりな作品を作製することもできます。塗る・切る・貼るの工程がいずれも適応にならない利用者さんがいても、出来上がった作品を『見る』ことはできるかもしれません。 作品が多くの方の目に触れ楽しまれることは作製に携わった方々の喜びや達成感にもつながりやすく、より質の高い作業活動になるのではないでしょうか。参考にしていただければ幸いです。
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