#9月のレクリエーション#壁面飾り#秋のレクリエーション#認知症ケアの現場から
高齢者と一緒に作る秋の「十五夜」の壁面飾り【9月】型紙付き|認知症ケアの現場から(12)
文・写真/安藤祐介
介護施設では利用者さんに見て楽しんでもらったり、認知機能を賦活したりする目的で季節に応じた壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りは、レクリエーションとして利用者さんと一緒に作製するのが理想的ですが、作り方が複雑だと認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくい場合があります。かといって、簡単すぎると短時間で完成してしまい、レクリエーションとしての楽しさが薄れてしまうでしょう。
そこで本記事では、幅広い利用者さんに提供が可能で、数週間から1か月かけて作製が楽しめる秋の壁面飾りをご紹介します。
1.壁面飾りの目的・期待できる効果
- 季節の移り変わりが感じられて、見当識が賦活される
- 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
- 作品を見て楽しめるので、気分転換につながる
- 日中の活動性が向上して、体力の維持につながる
- 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
- 作品作りに携わることで、生活の充実感につながる
2.秋の壁面飾りの作り方
塗り絵の図案を用意する

モミジ・イチョウ・ススキなど、秋が感じられる塗り絵の図案を用意します。図案は中秋の名月や月見窓(丸窓)が連想されるように円形(満月)で囲みましょう。
※筆者が作製した塗り絵の図案は記事最下部よりダウンロードできます。
塗り絵を塗ってもらう

色鉛筆が把持できる利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。複数の図案を用意しておき、利用者さんに好みの図案を選んでもらうと、作製意欲が高まりやすくなるでしょう。
なお、塗り絵はバインダーなどで固定しておくのがおすすめです。紙が動かなくなるので、手が不自由な利用者さんでも塗りやすくなるほか、テーブルの天板に傷や凹凸があっても気にせず塗れます。
出来上がった塗り絵の枚数が壁面飾りの大きさと比例するため、大きな壁面飾りを作製したい場合は数週間から1か月かけてレクリエーションを行い、利用者さんと協力しながら少しずつ枚数を増やしましょう。
<ポイント>
この工程で塗った塗り絵が、最終的に秋のお月見をイメージした壁面飾りになります(完成図は2-4をご覧ください)。月の部分と夜空の部分で色が分かれていると飾ったときに見栄えがするので、月の部分になる塗り絵の背景は『黄色系』で塗ってもらい、夜空になる塗り絵の背景は『青色系』で塗ってもらいましょう。

塗り絵を切ってもらう

ハサミの使用が可能な利用者さんに、完成した塗り絵を円形に切ってもらいます。複雑な図形ではないので切りやすいですが、切る作業には指先や腕の自由な動きが求められるため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに依頼しましょう。
塗り絵を飾り付ける

円形に切った塗り絵を黄色系と青色系に分け、お月見をイメージしながら壁に飾ります。模造紙に張り付けてから壁に飾っても良いですし、テープやひもに張り付けて上からつるすのも良いでしょう。綿などを活用して月にかかる雲を作製すると、よりお月見らしい印象の壁面飾りになります。
3.職員が注意すべきポイント

利用者さんのなかには、塗り絵は好きでも「何色に塗ればいいかわからない」「間違った色で塗りたくない」と思い、不安になったり取り組むのに躊躇したりする方がいらっしゃいます。そういった場合は、上手な利用者さんが塗ってくれたお手本を見やすい位置に置いておき、参考にしてもらうと良いでしょう。
また、認知症がある利用者さんは用意されている色鉛筆の色が多いと混乱を招くことがあります。図案を塗るために必要な色だけをケースに入れておくなどして、取り組みやすい環境を整えてください。
4.塗り絵の図案10種プレゼント
リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。
●モミジ
●イチョウ
●リンドウ
●コスモス
●柿の木
●赤とんぼ
●ススキ
●十五夜
●餅つきうさぎ
●うさぎと月
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