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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2024/07/02

#7月のレクリエーション#8月のレクリエーション#夏のレクリエーション

介護施設の夏祭りにおすすめの室内ゲーム7選!企画の進め方や注意点も解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部
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もうすぐ夏がやってきます。介護職のみなさんのなかには、「今年も夏祭りのイベントを開催しよう」「いろいろな企画を用意して利用者さんに楽しんでもらおう」と考えている方も多いのではないでしょうか。

介護施設で開催する夏祭りのイベントには、季節を実感してもらうこと以外にもさまざまなメリットがあります。例えば、利用者さん同士、あるいは利用者さんとスタッフのコミュニケーションが促進されるのも、夏祭りの大きなメリットです。利用者さんのなかには、他者との交流に積極的でない方もいらっしゃいますが、イベントを通じてほかの利用者さんやスタッフとのコミュニケーションを楽しめば、孤独感の解消や心の安定につながるでしょう。

当記事では、介護施設で夏祭りをするときの企画の進め方やおすすめのレクリエーションを紹介します。夏祭りの企画を考えている介護職の方は、ぜひ参考にしてください。

1.介護施設で夏祭りを行うメリット

先に紹介したように、介護施設で夏祭りを開催するメリットは多くあります。

1つめのメリットは、利用者さんのQOLの向上です。施設に入居している方のなかには、自らの意思で自由に外出することが難しい人もいらっしゃいます。そして、室内で過ごす時間が長いと、どうしても生活が単調になりがちです。

しかし、夏祭りのように季節感のあるイベントに参加すれば、「今年も夏がやってきたんだな」「昔は地元の夏祭りに出かけていたな」と季節の移り変わりを実感したり、懐かしい光景を思い出したりすることができます。また、定期的なレクリエーションは、単調な生活のアクセントにもなります。つまり、季節のイベントを楽しむことは、生活の質の向上にもつながるわけです。

2つめのメリットは、コミュニケーションの促進です。高齢になって身体機能が低下したり、コミュニティへの参加意欲が低下したりすると、他者との交流を楽しめなくなるケースが増えてきます。だからこそ、イベントを通じて、他の利用者さんやスタッフと交流する機会はとても大事です。コミュニケーションの楽しさを思い出してもらえれば、孤独感が減少するだけでなく、生活に張り合いも出てくるでしょう。

高齢化によって運動機能が低下すると、体を動かす機会が減ってしまいますが、盆踊りのように体を動かすレクリエーションを実施すれば、運動機能の維持・向上に役立ちます。また、クイズやゲームなどのレクリエーションは、普段とは違う脳の使い方をするため、脳が活性化するといわれています。そうした点も、夏祭りイベントを行うメリットでしょう。

●関連記事:高齢者レクリエーションの意義は?介護士が企画する際のポイントも

2.介護施設の夏祭りにおすすめのゲーム・レクリエーション

続いて、介護施設で夏祭りをするときに、おすすめのレクリエーションを4つ紹介します。介護施設で夏祭りを企画している方は、ぜひ最後までご覧ください。

ヨーヨー釣り

ヨーヨー釣りは、夏祭りの雰囲気を盛り上げるのに最適です。日常では味わえない楽しさを提供できるので、利用者さんの生活にメリハリが生まれるでしょう。

また、ヨーヨー釣りは、手指のトレーニングや集中力の強化にも役立ちます。成功したときの達成感が大きく、お互いに応援し合ったりもできるので、利用者さん同士の交流にもつながるでしょう。チーム対抗戦にして、釣り上げた数を競ったりするのもよいかもしれません。

ヨーヨー釣りを実施するには、水を入れた水槽とヨーヨー、釣り竿などが必要ですが、利用者さんの安全に配慮するのであれば、マグネット式のヨーヨー釣り(ヨーヨーと釣り竿にマグネットを付け、くっ付けて釣り上げるやり方)にアレンジするのも1つの方法です。水を使わなくて済むので、安全かつ手軽に楽しめますよ。

ピンポン玉すくい

すくい物の中でも代表的な金魚すくいは、江戸時代後期ごろ始まったとされており、浮世絵などにも金魚すくいを楽しむ子ども達の姿が描かれたものがあります。お手軽に楽しめるピンポン玉すくいで、夏祭りの定番ゲームを楽しみましょう。

大きいボウルのかわりにビニールプールなどを使うと、なお本格的になり楽しいです。
準備するもの・遊びかたはこちら

屋台メニューの提供

介護施設の夏祭りでは、屋台メニューを提供するのがおすすめです。夏祭りならではの食事やおやつを楽しむことで、祭りの雰囲気がいっそう盛り上がるでしょう。チョコバナナやかき氷、たこ焼き、わたあめなど、昔からの定番メニューを振る舞えば、懐かしい思い出がよみがえって、利用者さん同士の会話もはずむはずです。季節感を楽しんでもらうなら、冷たくてのどごしのよいゼリーやババロアなどを提供してもよいでしょう。

ただし、利用者さんのなかには嚥下機能が衰えている方もいらっしゃるため、食べやすさや安全性には十分な配慮が必要です。たこ焼きをやわらかくしたり、チョコバナナを一口大に切ったりするなどの工夫をしながら、バラエティ豊かなメニューを提供してください。

盆踊り

盆踊りは、多くの利用者さんにとってなじみ深いものであり、曲が流れると体が自然に動き出す方もいらっしゃるでしょう。また、盆踊りには全身運動、気分のリフレッシュ、コミュニケーションの活性化など、さまざまな効果が期待できます。

車椅子に座ったまま踊ったり、ほかの利用者さんの踊りを眺めたりして楽しめるのも盆踊りのよさです。誰もが知っている定番の曲や地域色豊かな曲を使えば、利用者さんが懐かしい記憶を呼び起こすきっかけにもなるでしょう。

盆踊りは、広いスペースと音楽さえあれば実施可能なので、準備の手間がほとんどありません。ただし、盆踊りを実施する際には、転倒などの事故に十分注意してください。歩行に問題がある利用者さんがいらっしゃる場合は、振り付けの簡単なものを選んだり、スタッフが一緒に踊ったりするなど、安全に楽しめるようにサポートすることが大事です。

事前に振り付けの練習をして、利用者さんの運動機能や曲の難易度を確認しておくのもよいでしょう。

ビンゴ大会

ビンゴはシンプルなルールと全員が気軽に参加できる特性から、高齢者の方にも人気があるゲームです。参加者は、ビンゴカードを使って進行役が選んだ数字をマークしていき、縦・横・斜めのいずれかの列が埋まったら「ビンゴ」となります。

ビンゴ大会を盛り上げるためには、景品を用意するのがおすすめです。上位に入った参加者に景品を贈呈すれば、ゲームに対するモチベーションがアップするでしょう。

また、オーソドックスな数字ビンゴだけでなく、テーマを設けたビンゴを実施してみるのも一案です。「果物の名前」「動物の名前」「都道府県名」などのテーマを決め、あらかじめビンゴカードに好きな名前を書き込んでもらうことで、普段のビンゴゲームとは違った盛り上がりが期待できます。

そうしたアレンジは、参加者同士のコミュニケーションの活性化や脳のトレーニングにも役立つでしょう。

釣りゲーム

室内ででき、男性利用者さんに特に人気なのが釣りゲームです。施設に入ってからは、なかなか釣りに行けなくなった......という方が多いのではないでしょうか。

ゲーム自体は誰でも楽しめる内容なので、釣りをしたことがない高齢者にもおすすめのレクリエーションです。
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天の川の戦い

七夕に因んだ室内でできる対戦ゲームです。折り紙の星でできた天の川をうちわで仰いで、相手の陣地により多くの星を入れたほうが勝利です。

座ったままでできるゲームなので、幅広い利用者さんが楽しめるでしょう。
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3.介護施設で夏祭りをするときの企画の進め方

介護施設で夏祭りを企画する際は、以下のステップで進めるとよいでしょう。

【1】参加する方の状況を理解する
夏祭りを企画するにあたっては、参加される利用者さんの年齢や心身の状況、好みなどをきちんと理解しておいてください。それによって、より安全で1人ひとりに楽しんでもらえるイベントになるはずです。例えば、車椅子が必要な利用者さんがいらっしゃる場合は、座ったままでも楽しめるゲームやレクリエーションを企画するのがよいでしょう。

【2】夏祭りの内容を決める
利用者さんの状況を踏まえた上で、夏祭りの具体的な内容を決めます。射的や輪投げ、盆踊り、屋台といったさまざまなアイデアから、施設全体で楽しめる内容を選択しましょう。懐かしい記憶を呼び起こすようなゲームや食べ物、利用者さん・職員との交流を促せるようなレクリエーションを盛り込むのもおすすめです。

【3】予算を決める
企画内容によっては、食材や備品、装飾品などを用意するのに費用がかかります。スムーズに準備を進めるためにも、あらかじめ予算を決めておきましょう。

【4】必要な備品を決める
企画内容と予算に基づいて、道具や食品、飲料、装飾品など、必要な備品をリストアップします。利用者さんの安全確保や水分補給のためのアイテムも忘れずに準備してください。

【5】役割を分担する
最後に、職員の役割分担を決めます。誰がどのレクリエーションを担当するか、準備や片付けは誰が行うかなどを明確にしておくと、当日の運営がスムーズになり、トラブルを未然に防げるでしょう。

以上のステップを参考にしながら、利用者さんの思い出に残るような夏祭りを実施してください。

4.介護施設で夏祭りを企画するときの注意点

介護施設で夏祭りを企画する際には、熱中症や脱水症状などにも注意する必要があります。夏は高齢者にとって厳しい暑さとなるため、水分補給は非常に大事です。ただし、高齢者のなかにはのどの渇きを自覚しにくい方もいらっしゃるため、スタッフがこまめに水分補給を促すようにしてください。

また、利用者さん全員が楽しめる企画を考えることも、ポイントの1つです。それぞれの健康状態や好みに配慮しながら、みんなが参加しやすい活動を盛り込むようにしましょう。参加者の多様なニーズに対応するには、大規模な活動だけでなく、小グループで楽しめるゲームや、見学するだけで楽しいレクリエーションを用意するのも有効です。

まとめ

夏祭りのイベントには、コミュニケーションの活性化や心身のリフレッシュなど、さまざまなメリットがあります。利用者さんのQOLの向上にもつながるイベントなので、屋台メニューや盆踊り、ヨーヨー釣り、ビンゴ大会など、さまざまなレクリエーション・ゲームを企画して、施設全体で楽しみましょう。

「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍する方に向けて、高齢者レクリエーションや介護士のためのスキルアップ情報など、さまざまなお役立ち情報を提供しています。季節の行事にちなんだレクリエーション情報も豊富なので、ぜひご活用ください。

※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています

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