#6月のレクリエーション#壁面飾り#梅雨のレクリエーション#認知症ケアの現場から
高齢者と一緒に作る梅雨の「アジサイ」の壁面飾り【6月】型紙付き|認知症ケアの現場から(20)
文・写真/安藤祐介![thumbnail.jpg](https://kaigoshoku.mynavi.jp/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/a6edac4d34c5098dea826ee0f7db76bda0b16951.jpg)
介護施設では、利用者さんに季節の移り変わりを感じてもらったり、余暇時間を楽しんでもらったりする目的で、壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りは、レクリエーションとしてできるだけ多くの利用者さんと作製するのが望ましいですが、身体・認知機能が高い利用者さんに頼りがちになったり、認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくくなったりすることもあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる、6月のアジサイをイメージした壁面飾りの作り方をご紹介します。作製の工程を、大きく「塗る」「切る」「貼る」の3つにわけてありますので、工程ごとに力を発揮しやすい利用者さんに担当してもらうなどして、より多くの利用者さんとレクリエーションを楽しんでください。
1.壁面飾りの目的・期待できる効果
- 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
- 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
- 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
- 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
- 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
2.アジサイの壁面飾りの作り方
塗り絵の図案を用意する
![塗り絵](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-2.jpg)
6月の梅雨の時期に飾られることが多い、アジサイの図案を用意します。絵柄が違うものをいくつか用意しておくと、利用者さんが好みの図案を選択する楽しみが生まれ、取り組みへの意欲が増すでしょう。また、アジサイの数や花びらの複雑さなどで図案の難易度をわけておくと、利用者さんの能力に応じた提供がしやすくなります。
図案は後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすくなるように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。
※筆者が作製した塗り絵の図案は、こちらからダウンロードできます。
「塗る」工程
![塗り絵](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-3.jpg)
色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りはあまり複雑な手の動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。提供する際に、塗り絵を大きめのバインダーに挟んで固定しておくと、片麻痺などで手が不自由な利用者さんも取り組みやすくなります。
認知症がある利用者さんは、何色で塗れば良いかわからず手が止まることがあるため、用意する色鉛筆の色・本数を限定したり、他利用者さんの作品を見えやすい位置に置いて、お手本にしたりすると良いでしょう。
「切る」工程
![塗り絵切り抜き](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-4.jpg)
ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要なため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに担当してもらいましょう。切ってもらう際はA4用紙のまま渡すよりも、職員が大まかに切ってから渡したほうが取り組みやすくなります。
利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意して、実際に使いながら好みのものを選んでもらうと良いでしょう。
「貼る」工程
![台紙](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-5.jpg)
どの程度の大きさの壁面飾りを作りたいのかに応じて、切ったアジサイを貼り付けるための模造紙を用意します。
![切り抜いただるまを貼る](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-6.jpg)
アジサイを青系・紫系・ピンク系にわけ、のりやテープを使って利用者さんに貼り付けてもらいます。貼り付ける工程が難しい利用者さんには、アジサイの色わけを手伝ってもらったり、職員が貼り付けたアジサイを上からしっかりと押さえてもらったりすると良いでしょう。
![切り抜いただるまを貼る](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/06/care20-7.jpg)
貼り終えたら、梅雨らしいイメージになるように、画用紙で作った傘やテルテル坊主などを壁に飾り付ければ完成です。
3.職員が注意すべきポイント
利用者さんの中にはアジサイをさまざまな色に塗る方がいますが、色塗りについてはそれで問題ありません。最終的に、たくさんのアジサイを集めて1つの共同作品にするため、あまり色にこだわらなくても良いことを、職員や利用者さんに周知しておきましょう。
「塗る」工程は単調になりやすいため、利用者さんによっては集中力が続かないことがあります。職員は適宜声かけをして、アジサイの色合いや塗り方の丁寧さなどを労ったり、並行して「切る」工程を依頼したりすると、作業に変化が出て長い時間集中してもらいやすくなります。
塗り方や切り方などに助言を必要とする利用者さんがいる場合は、社交性が高い利用者さんや、お世話が好きな利用者さんに近くに座ってもらいましょう。それによって、利用者さん同士の交流が活発になったり、関係性が深まったりすることもあるので、席次にもしっかり配慮してください。
4.塗り絵の図案プレゼント
リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。
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