#5月のレクリエーション#壁面飾り#春のレクリエーション#認知症ケアの現場から
高齢者と一緒に作る春の「鯉のぼり」の壁面飾り【5月】型紙付き|認知症ケアの現場から(19)
文・写真/安藤祐介![thumbnail.jpg](https://kaigoshoku.mynavi.jp/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/thumbnail.jpg)
介護施設では、利用者さんに季節の移り変わりを感じてもらったり、余暇時間を楽しんでもらったりする目的で、壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りは、レクリエーションとしてできるだけ多くの利用者さんと作製するのが望ましいですが、身体・認知機能が高い利用者さんに頼りがちになったり、認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくくなったりすることもあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる、5月の鯉のぼりをイメージした壁面飾りの作り方をご紹介します。作製の工程を、大きく「塗る」「切る」「貼る」の3つに分けてありますので、工程ごとに力を発揮しやすい利用者さんに担当してもらうなどして、より多くの利用者さんとレクリエーションを楽しみましょう。
1.壁面飾りの目的・期待できる効果
- 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
- 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
- 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
- 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
- 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
2.鯉のぼりの壁面飾りの作り方
塗り絵の図案を用意する
![塗り絵](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/5f4113f920781b5439c014e708a8bfca8ecc39b5.jpg)
5月5日の「こどもの日(端午の節句)」に合わせて飾られることが多い、鯉のぼりの図案を用意します。絵柄の違うものいくつかを用意しておくと、利用者さんが好みの図案を選ぶ楽しみが生まれ、取り組みへの意欲が増すでしょう。
図案は、簡単・やや複雑・デフォルメされたものなど難易度を分けておくと、利用者さんの能力に応じて提供しやすくなります。図案は後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすくなるように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。
※筆者が作製した塗り絵の図案は、こちらからダウンロードできます。
「塗る」工程
![塗り絵](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/493fb31cd781865995878f2c7afb192b3909dc75.jpg)
色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りはあまり複雑な手の動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。提供する際に、塗り絵を大きめのバインダーに挟んで固定しておくと、片麻痺などで手が不自由な利用者さんも取り組みやすくなります。
認知症がある利用者さんは、何色で塗れば良いかわからなくなることがあるため、用意する色鉛筆の色を限定したり、他の利用者さんの作品を見えやすい位置に置いて、お手本にしたりすると良いでしょう。
「切る」工程
![塗り絵切り抜き](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/363abe1da900b7a71f97620623996b74f72f260c.jpg)
ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要なため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに担当してもらいましょう。
切ってもらう際はA4用紙のまま渡すよりも、職員が大まかに切ってから渡したほうが取り組みやすくなります。利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意しておき、実際に使いながら好みのものを選んでもらうと良いでしょう。
「貼る」工程
![貼り付け](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/33e7d4236c12e98b87b2a63abb3d70b3abe5cc75.jpg)
ゴミ袋などに使われることが多い、ポリエチレン製の袋(45ℓ程度)を用意します。作製中や飾った後に破れないように、丈夫な素材を選ぶのがおすすめです。
鯉のぼりの胴体をどの程度の長さにしたいか想定しながら、必要な長さに切りましょう。飾り付けたときに立体感が出るように、袋の上下に余白を設けておくのがポイントです。
![貼り付け](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/041a4b692af07dfe3911f04a885ae94ad2bf4a5d.jpg)
切り終えたら、全面に両面テープを貼り、前の工程でできあがった小さな鯉のぼりを貼り付けていきます。
![貼り付け](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/c5a50e28a5511ca94cfc087d5f5fd4d13d2a948c.jpg)
真鯉は寒色系、緋鯉は暖色系になるように色を選びながら貼っていくと、見栄えが良くなります。利用者さんには、両面テープ部分に鯉のぼりを貼り付けてもらうほか、色分けをしてもらったり、職員が軽く貼り付けた鯉のぼりを上から押さえてもらったりしましょう。
![貼り付け](/contents/kaigonomirailab/recreation/2024/05/776c531425495588a729778c68836c3ce00fd786.jpg)
鯉のぼりに頭や尾などを付け、壁に飾り付けたら完成です。
3.職員が注意すべきポイント
認知症がある利用者さんは、鯉のぼりをさまざまな色で塗ることがありますが、問題ありません。最終的にたくさんの鯉のぼりを集めて1つの共同作品にするため、何色で塗っても大丈夫なことを、職員にも利用者さんにも周知しておきましょう。
「塗る」工程は単調になりやすいため、利用者さんによっては集中力が続かないことがあります。適宜声かけをして塗り方の丁寧さを労ったり、並行して「切る」工程を依頼したりすると、作業に変化が出て長い時間集中してもらいやすくなります。
塗り方や切り方などの助言を必要とする利用者さんがいる場合は、社交性が高い利用者さんや、お世話が好きな利用者さんに近くに座ってもらいましょう。それによって利用者さん同士の交流が活発になったり、関係性が深まったりすることもあるので、席次にもしっかり配慮してください。
4.塗り絵の図案プレゼント
リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。
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