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仕事・スキル 介護士の常識 2022/04/26

基幹相談支援センターとは?施設の概要・働く際に求められるスキルも

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相談支援専門員や社会福祉士、保健師の活躍フィールドの中には「基幹相談支援センター」があります。基幹相談支援センターは、地域の福祉に関する相談や支援の中核的な役割を担っており、全国の市町村に設置された機関です。しかし求人数も多くはないことから、具体的な仕事内容や求められるスキルがいまいち分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、基幹相談支援センターの役割・仕事内容・必要とされる背景・求められるスキルについて徹底解説します。最後に、基幹相談支援センターで働くことが向いている方の特徴も紹介するため、就職先・転職先の1つとして基幹相談支援センターも検討している方はぜひ参考にしてください。

1.基幹相談支援センターとは?役割や設置の背景も

基幹相談支援センターとは、地域の福祉に関する相談・支援の中核的役割を担う機関です。障がい者をはじめとした「何らかの支援やサポートが必要な人」が利用する機関であり、利用者は基幹相談支援センターに相談することで、相談対応から支援まで必要とするサポートをワンストップで受けることができます。

基幹相談支援センターは全国の市町村に設置されており、いわゆる「地域のコンシェルジュカウンター」のような働きをしています。主な事業内容は、下記の通りです。

・総合相談
・相談支援体制の強化
・地域移行・地域定着
・権利擁護・虐待防止

なお、基幹相談支援センターは、役所や相談支援事業所といったほかの機関との併設事業となっているケースも多くあります。

(出典:厚生労働省「基幹相談支援センターの役割のイメージ」

基幹相談支援センターの仕事内容

基幹相談支援センターで働く際は、前述した事業によって具体的な仕事内容も異なることを覚えておきましょう。各事業の仕事内容は、下記の通りです。

〇総合相談
基幹相談支援センターでは、3障がい(知的・身体・精神)に加えて、あらゆる障がいのニーズに対応した相談支援を実施します。ひとくちに障がい者といっても、人によってニーズは多種多様です。基幹相談支援センターの総合相談は「断らない相談支援」がモットーとなっており、一人ひとりの細かなニーズをいかに察知し、適切な提案ができるかが重要となります。

〇相談支援体制の強化
基幹相談支援センターでは、地域の相談支援事業所などと連携し、ネットワークを構築したうえで、事業者に対する専門的な指導や人材育成のサポートを行います。専門的な知識を有したうえで特定の事業者や事業者に対する連携・委託・サポートを行い、相談支援体制の総合的な強化を目指すことも重要な役割の1つです。

〇地域移行・地域定着
基幹相談支援センターでは、障がい者支援施設や精神科病棟と連携し、障がい者の地域生活の移行をサポートします。地域移行を希望する方に対して、希望に応じた支援のうえ地域移行をサポートすることは、基幹相談支援センターで働くスタッフの重要な役割です。

〇権利擁護・虐待防止
基幹相談支援センターでは、家庭内および施設内での虐待に関する相談支援の実施や、制度利用が認められる知的障がい者・精神障がい者に対する成年後見制度の利用支援を行います。虐待に関する相談支援においては、基幹相談支援センターで総合的に実施するケースもあれば、各事業が独立した事業所から実施するケースもあります。

他の相談支援事業者との違い

何らかの障がいを抱えた方や要支援・要介護状態となった高齢者の相談先には、基幹相談支援センターだけでなく、「障害者相談支援事業所」「指定一般相談支援事業所」「指定特定相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所」「地域包括支援センター」なども挙げられます。

その中でも基幹相談支援センターは、総合的かつ専門的な相談の実施や、地域の相談支援体制を強化する取り組みを主とした支援事業です。いわゆる、「障がいを抱えていることでこんな悩みがあるけど、どのような福祉サービスで解決できるかがわからない」といった方の駆け付け先ともいえるでしょう。

また、ほかの相談支援事業者は相談支援専門員がメインとなる一方で、総合的な支援相談に対応する基幹相談支援センターは、社会福祉士や精神保健福祉士、保健師の配置が推奨されていることも特徴です。

基幹相談支援センターが必要とされる背景

障がい者に対する相談支援事業が1996年に創設されて以来、国は障がい者一人ひとりのあらゆるニーズに対応できる支援システムの強化に取り組んできました。そして、取り組みの1つとして、2012年に基幹相談支援センターが設立されます。基幹相談支援センターは、さらなる支援体制の強化に伴い、事業機能が強化されたり相談支援の対象者が拡大されたりして、必要性は徐々に高まりました。

障がい者をサポートするための取り組みの強化は、今後も引き続き行われます。障がい者の細かなニーズに対応する制度や機能が拡大すれば、需要はさらに高まるでしょう。そのため、基幹相談支援センターで働く人材の需要も、自ずと高まることが考えられます。

2.基幹相談支援センターで求められる資格・スキル

基幹相談支援センターには、「必ずこの資格を保有した人材を配置しなければならない」といった決まりはありません。しかし、地域の状況に応じて必要な人材を配置することが求められます。推奨される基本的な人員配置基準は、下記の通りとなっています。

・相談支援専門員・主任相談支援専門員
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・保健師 など

ここからは、各資格の概要や取得方法のほか、現場でどのような働き方をするかを説明します。

(出典:厚生労働省「行政説明「障害者福祉における相談支援の充実に向けた取組について」」
(出典:厚生労働省「基幹相談支援センター設置促進のための手引き 」

相談支援専門員

相談支援専門員とは、障がいのある方が自立した日常生活を送ることができるよう、地域移行を含むあらゆる生活支援を行うことを専門とした職業です。相談支援専門員の資格を取得するためには、3~10年以上の実務経験を経て初任者研修を受講する必要があります。

基幹相談支援センターで働く相談支援専門員は、主に相談窓口で利用者の相談に対応したり、必要な支援を行うために医療機関や介護施設、さらに学校などと連携したりすることが具体的な業務内容です。障がい者に生活上のトラブルが生じた際には、緊急訪問を行うこともあります。

相談支援専門員とは?勤務先・仕事内容・なるための条件

主任相談支援専門員

基幹相談支援センターでは、相談支援専門員だけでなく主任相談支援専門員も求められます。主任相談支援専門員とは、障がい者などへの相談支援業務に関して高度な知識と経験を有しているとともに、人材育成を含むマネジメント能力も有した、いわゆる「相談支援のスペシャリスト」のことです。主任相談支援専門員は2018年に創設された、比較的新しい資格です。

主任相談支援専門員の資格を取得するためには、現任研修を修了した相談支援専門員として地域相談支援事業所・基幹相談支援センターにおいて通算3年以上従事したのち、主任研修を受講する必要があります。

基幹相談支援センターで働く主任相談支援専門員は、相談業務全般だけでなく、相談業務全般のマネジメントや、相談支援専門員では対応できない高度な相談支援を行います。また、地域課題を把握したうえでの社会資源の開発や、地域社会への働きかけ・地域づくりも重要な仕事です。

社会福祉士

社会福祉士とは、障がい者のみならず、シニア世代や子どもたちを対象に、福祉全般の相談を受けて適切なアドバイス・サポートを行う職業です。社会福祉士の資格を取得するためには、福祉系大学や一般養成施設での指定科目を修了したのち、国家試験に合格する必要があります。取得ルートによっては、実務経験が必要となることも覚えておきましょう。

基幹相談支援センターで働く社会福祉士は、障がい者の相談業務や日常生活における問題点の解決策の提案や改善に向けた支援が主な仕事内容となります。相談支援専門員に比べて、ソーシャルワーカー的な側面を持つことも特徴です。

社会福祉士とは|試験の難易度から資格の取得方法まで

精神保健福祉士

精神保健福祉士とは、精神的な障がいを抱えた方を主に支援する職業です。精神保健福祉士の主な勤務先は病院(精神科病棟・心療内科クリニック)ですが、精神障がい者の利用先である基幹相談支援センターでも大いに活躍することができます。精神保健福祉士の資格を取得するためには、福祉系大学や一般養成施設での指定科目を修了したのち、国家試験に合格する必要があります。社会福祉士と同様、取得ルートによっては実務経験が必要となることも覚えておきましょう。

基幹相談支援センターで働く精神保健福祉士は、主に精神的な障がいを抱えた方に対して、相談に対する適切なアドバイスを行ったり、必要な支援を実施したりします。社会福祉士よりもソーシャルワーカーとしての役割を強く果たすことが特徴です。

精神保健福祉士(PSW)とは?取得メリット・合格率・試験概要

保健師

保健師とは、健康管理・保健指導を通じて地域住民の病気予防や健康の維持に貢献する職業です。保健師の活躍フィールドは多岐にわたることが特徴で、基幹相談支援センターでも需要は高まっています。

保健師になるためには、看護師資格が必須です。すでに看護師資格を保有している場合は、看護系大学や一般養成施設での指定科目を修了したのち、国家試験に合格する必要があります。看護師資格を保有していない場合は、看護系大学や専門学校での統合カリキュラムを修了したのち、看護師国家試験と保健師国家試験のダブル受験をするケースが一般的です。

基幹相談支援センターで働く保健師は、利用者の相談対応や必要な支援・サポートの提供、さらに各関係機関との連携が主な仕事内容です。相談支援専門員と大きな変わりはないものの、看護師・保健師の資格を生かし、相談者の健康状況・生活状況に応じた柔軟かつ高度な対応が求められることもあります。

3.基幹相談支援センターに向いている方の特徴

基幹相談支援センターで働くことに向いている方の特徴は、下記の通りです。

・他者の状況から、ニーズを瞬時に察知できる方
・人の相談に乗ることが好きな方
・何事も責任感をもって取り組める方

基幹相談支援センターには、さまざまな方が訪れます。その中には、上手に意思を表明することができない障がい者の方も少なくありません。言葉にして伝えられなくとも、相手の状況から相手の気持ち・ニーズを瞬時に察知できる方は、基幹相談支援センターにおいて非常に求められる人材となるでしょう。

また、上記の特徴に当てはまらないことが理由で不安を感じる必要はありません。近年では研修制度も充実しているため、働きながら適性やスキルを身につけられるケースも多々あります。経験を重ねれば重ねるほど自ずと知識は身につくため、スキルアップも着実に図れるでしょう。

まとめ

基幹相談支援センターとは、地域の福祉に関する相談・支援の中核的役割を担う機関です。障がい者のニーズに対応する総合相談や相談支援体制の強化、地域移行・地域定着、権利擁護・虐待防止などあらゆる役割を果たしており、いわゆる地域のコンシェルジュカウンターのような働きをしています。

基幹相談支援センターでは、相談支援専門員や主任相談支援専門員のほか、社会福祉士・精神保健福祉士・保健師などが活躍できます。保有する資格によって活躍方法も異なるため、基幹相談支援センターでの勤務を検討している方は、「自分がどのような役割を果たせるか」を考えるとよいでしょう。

「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍する方に役立つ情報を日々発信しています。お役立ち情報を知って実践に役立てたいという方は、ぜひ「介護のみらいラボ」の他コラムもチェックしてみてください。

※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています

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