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仕事・スキル 介護士の常識 2024/03/22

時候の挨拶とは?季節別の書き出し・結びの例文も紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

介護施設のなかには、利用者さんのご家族に向けて定期的に手紙を送るところがあります。手紙を通じて利用者さんの普段の様子を報告することは、ご家族と介護施設の信頼関係を深めることにつながるでしょう。そうした意味で、ご家族に手紙を書くことは、介護職の方にとって重要な仕事と言えます。

この記事では、手紙のマナーである時候の挨拶を取り上げ、書き出し・結びの文例を紹介します。手紙の正しい書き方・マナーが知りたい方は、ぜひご覧ください。

1.介護施設からご家族に向けて手紙を送る目的

介護施設からご家族に向けて手紙を送る目的は、利用者さんの日常の過ごし方や健康状態を報告し、安心してもらうためです。利用者さんのご家族は離れて暮らしているため、利用者さんが普段どのように過ごしているのか、日常生活に不満はないかなどを詳細に知る機会は多くありません。定期的に手紙を送ることで、ご家族の不安や疑問の解消に努めましょう。

また、ご家族への手紙は、介護する側の存在を身近に感じてもらったり、信頼関係を築いたりする役目も果たします。ご家族との連携をとりやすくするためにも、手紙を送ることはとても大切です。

2.時候の挨拶とは?書き出し・結びの文例も紹介

介護業界に限らず、手紙を送る際には時候の挨拶からはじめるのが一般的です。時候の挨拶は、季節の移り変わりを表現するだけでなく、相手の体調を気づかう一文でもあるため、書き記すことで「誠実な人」「礼儀正しい人」という印象を与えられるでしょう。

なお、俳句で用いられる「季語(特定の季節を表す言葉)」と同様に、時候の挨拶にも季節や月ごとのふまえたフレーズがあります。

ここでは、時候の挨拶の書き出しと結びの文例を紹介します。ご家族に手紙を送る際にふさわしいものを選んで活用してください。

1月(睦月)

1月は1年の始まりの月であり、寒さの厳しい時期です。時候の挨拶は新年を迎えた喜びを表すものや、寒いなかで体調を気づかうものを選ぶとよいでしょう。

【書き出し】

ご家族おそろいで、穏やかな初春をお迎えのことと存じます。
七草の候、皆様におかれましてはよいお年をお迎えになったことと存じます。
新春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

【結び】

今年も昨年と変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
今年は昨年より幸多き年になりますよう、心よりお祈りいたします。
寒さの厳しい折、ご自愛ください。

2月(如月)

2月は1年のなかで最も寒い月とされ、代表的な行事に節分があります。時候の挨拶で節分に触れるのもよいでしょう。また、1月と同様日々の寒さや体調を気づかったり、春に向けての思いを盛り込んだりすると、より季節感が出ます。

【書き出し】

節分が過ぎ、ようやく寒さもゆるみはじめました。
余寒も厳しい毎日が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
初春にはほど遠い寒さのなか、皆様お変わりなくお過ごしですか。

【結び】

立春を日々楽しみに、体調を崩さないようお気をつけください。
日脚は伸びましたが、寒さは厳しい今日この頃。くれぐれもご自愛ください。
早春の候、いっそうのご隆盛を心よりお祈り申し上げます。

3月(弥生)

3月は少しずつ寒さが落ち着く月です。ひな祭りや卒業式など行事も多いため、ご家族の状況に合った時候の挨拶を選んでください。3月上旬は、春の訪れを感じさせるフレーズを使うのもおすすめです。

【書き出し】

春風が吹きはじめ、草の芽も芽吹きも感じられる季節となりました。
桜前線が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
旅立ちの春を迎え、お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。

【結び】

季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
春の訪れとともに、皆様にも幸せが訪れますようお祈り申し上げます。
新年度前のお忙しい時期かと存じますが、健康にはご留意ください。

4月(卯月)

新年度を迎える4月は、新たな出会いが多い月です。時候の挨拶にも、新たな出会いを祝う言葉や春の訪れを感じさせる言葉を添えるのがよいでしょう。

【書き出し】

春風が吹きはじめ、草の芽も芽吹きも感じられる季節となりました。
桜前線が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
旅立ちの春を迎え、お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。

【結び】

春らしい陽気が降り注いでいますが、油断なさらずお身体にはご留意ください。
新年度を迎えてお忙しい日々が続くかと存じますが、お身体ご自愛ください。
花々が咲き誇る春に、ますますのご活躍を心よりお祈りいたします。

5月(皐月)

5月は春から初夏への移り変わりを感じる月。さわやかな気候を表す言葉や、季節の変わり目に体調を気づかう表現を取り入れるのがおすすめです。5月中旬以降は、夏の始まりを告げるような挨拶を選ぶのもよいでしょう。

【書き出し】

初夏の香りが感じられる季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
風薫るさわやかな季節となりました。
穏やかで過ごしやすい季節となりましたが、皆様お変わりありませんか。

【結び】

過ごしやすい季節とはいえ、体調を崩されることがないようご自愛ください。
寒暖の差が激しい時節柄、くれぐれも体調にお気をつけください。

6月(水無月)

6月は梅雨の時期です。雨の季節ならではのフレーズや初夏を表す言葉を入れると、季節感のある時候の挨拶となります。

【書き出し】

長雨の候、露に輝く紫陽花が美しい時期となりました。
雨の日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
初夏の風にすがすがしさを感じる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

【結び】

天気が崩れやすい季節ですので、お身体に気をつけてお過ごしださい。
薄暑の時節柄、お風邪など召しませぬよう、お身体ご自愛ください。

7月(文月)

夏本番を迎える7月は、夏の始まりを想起させるフレーズを入れるのがおすすめです。暑さで体調を崩す方もいらっしゃるため、相手の体調を気づかう言葉を添えるのもよいでしょう。

【書き出し】

梅雨明けが近づき夏本番も迫ってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
日を追うごとに暑さが厳しくなりますが、お健やかにお過ごしでしょうか。

【結び】

しばらくは厳しい暑さが続きますが、健康には十分お気をつけください。
酷暑の日々、夏風邪など召しませぬようご自愛ください。

8月(葉月)

8月は夏の暑さがピークを迎える月です。時候の挨拶に相手の体調をねぎらう言葉を添えると、ご家族に喜ばれるでしょう。花火やお祭り、ひまわりといった「夏の風物詩」を取り入れるのもおすすめです。

【書き出し】

連日厳しい暑さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
ひまわりが元気に咲く今日この頃、皆様お元気にお過ごしでしょうか。

【結び】

暑い日々はまだ続くと思われますので、体調を崩されませんようお気をつけください。
残暑厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。

9月(長月)

9月は徐々に涼しくなり、秋の気配が感じられる月です。気候が落ち着いて過ごしやすくなったことに触れると、ご家族への気づかいが感じられる手紙になります。

【書き出し】

厳しかった夏の日差しが、秋風とともにやわらいできました。
秋らしく過ごしやすい気候になってまいりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

【結び】

気温も落ち着いてまいりましたが、季節の変わり目ですのでくれぐれもご自愛ください。
朝夕の冷え込みが厳しくなってまいりましたので、お身体にはお気をつけください。

10月(神無月)

10月は作物が実り、美しい中秋の名月が楽しめる時期です。秋の味覚や自然の彩りに触れることで、季節感のある時候の挨拶にしましょう。

【書き出し】

野山の木々もすっかり色づいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
涼やかな秋の風が吹く季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

【結び】

実りの秋、ご家族でこの好季節をご満喫されますようお祈りいたします。
秋の深まりとともに寒さが募る季節ですが、くれぐれもお身体にお気をつけください。

11月(霜月)

11月は冬の気配が感じられる月です。徐々に冷え込みはじめ、山のほうでは初雪の便りが届きはじめます。寒さで体調を崩しやすくなるため、健康を願うフレーズを入れるのがおすすめです。

【書き出し】

過ぎ行く秋を感じる時期となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
日増しに寒さが増してきました。お変わりなくお過ごしでしょうか。

【結び】

日々寒さも厳しくなりますので、体調を崩されぬようお気をつけください。
深冷の季節ですので、くれぐれもご自愛ください。

12月(師走)

12月は1年の終わりの月であり、何かと忙しくなる時期です。12月下旬にお手紙を送る際は、年の瀬の忙しさをねぎらうような言葉を添えると、好印象につながるでしょう。

【書き出し】

年の瀬を迎え、何かとご多用のことと存じます。お変わりございませんでしょうか。
寒さが身にしみる季節となりましたが、お風邪など召されていませんでしょうか。
今年も残すところあとわずかとなりました。

【結び】

今年も残すところあとわずかとなりました。
本年も大変お世話になりました。新年もどうぞよいお年をお迎えくださいませ。

3.まとめ

介護施設からご家族に送る手紙は、信頼関係を構築するための大切なツールです。この記事で紹介した時候の挨拶を参考にしながら、マナーに配慮した手紙を書いて、ご家族とのよい関係を築きましょう。

季節ごとにふさわしい時候の挨拶を添えることで、手紙を受け取ったご家族からの印象も、ぐんとよくなるはずです。

「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍する方に向けて、お役立ち情報を数多く発信しています。現場で役立つ知識はもちろん、お悩み解消やスキルアップに役立つ情報も掲載しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。

※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています

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