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仕事・スキル 介護士の常識 2024/04/29

5月の行事・記念日を一覧で解説|主な行事食についても紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

5月はとても過ごしやすい気候で、月のはじめには長期休みのゴールデンウィークがあります。暦の上では初夏にあたり、農作業の始まりを祝う八十八夜や、自然に親しむ祝日であるみどりの日、端午の節句、母の日など、行事や記念日も盛りだくさんです。介護施設でそれぞれにちなんだレクリエーションや行事食の提供を行えば、楽しい時間を過ごせるだけでなく、利用者さんが季節を感じるきっかけにもなるでしょう。

この記事では5月の行事や行事食について詳しく解説します。5月のイベントやレクリエーション、行事食に悩んでいる介護職の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.5月の行事・イベント一覧

5月は和風月名で「皐月(さつき)」と言います。皐月の由来には諸説ありますが、「田植をする月」を表す「早苗月(さなへつき)」を略したという説が有力なようです。そのほか、稲を植えることを古語で「さ」と呼ぶことから「さ月」になったという説もあります。

二十四節気(※1)においては夏に分類され、5月5日頃を「立夏(りっか)」、5月21日頃を「小満(しょうまん)」と呼びます。

※1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。立春や春分、夏至なども二十四節季の1つです。

5月の誕生花はピンクのバラで、花言葉は「感謝」「幸福」などです。以下では、5月の代表的な行事を取り上げて、それぞれの風習や過ごし方などを解説します。

八十八夜:5月2日前後

八十八夜とは立春から数えて88日目にあたる日で、春から初夏へと移り変わる時期です。八十八夜をすぎると気候が安定し、農作物に被害を与える遅霜の心配がなくなるため、茶摘みや苗代作りなどの農作業を始める目安にもなっています。

また、「米」の字が「八十八」に分けられることや、縁起のよい末広がりの八が重なることから、八十八夜は農業の吉日とされています。「八十八夜に摘んだお茶を飲むと、1年を無病息災で過ごせる」「長生きできる」と伝えられているのも、そうした縁起のよさによるものです。

八十八夜は立春から数えるので、立春にあわせて日付が変わります。ちなみに、2024年は5月1日が八十八夜です。

みどりの日:5月4日

5月4日はみどりの日です。みどりの日は国民の祝日で、「国民の祝日に関する法律」で以下のように規定されています。

自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。

(引用:内閣府「各「国民の祝日」について」

つまり、みどりの日は「美しい山や海、川などの自然に感謝する日」というわけです。

現在、みどりの日は5月4日に定められていますが、もともとは昭和天皇の誕生日である4月29日でした。しかし、2005年(平成17年)の祝日法改正により、4月29日は「昭和の日」に名前が変更され、みどりの日は5月4日に移動して現在の祝日になっています。

端午の節句:5月5日

5月5日の端午の節句は、男の子のすこやかな成長を祈る伝統行事であり、「子どもの日」として親しまれています。

端午というのは、「月初めの午の日」を意味する言葉で、端午の節句はもともと「5月最初の午の日」のことでした。その後、「午(ご)」を数字の五に読み替えるようになり、奈良時代には5月5日が端午の節句として定着していきました。

端午の節句の起源である古代中国では、強い香気で厄を払うとされる菖蒲を吊したり、菖蒲湯に浸かったりすることで無病息災を祈願していました。端午の節句はそうした風習とともに日本に伝わりますが、菖蒲が「武事・軍事を尊び大切にする」という意味の「尚武(しょうぶ)」と同じ読みであることから、次第に男の子の成長を祈る行事へと変化していったのだそうです。

端午の節句には、五月人形を飾ったり鯉のぼりを立てたりしてお祝いするのが一般的です。

奈良時代や平安時代には、菖蒲の葉で作った冠を飾ったり、薬玉を柱に下げたりしたほか、災厄を払う行事として騎射(うまゆみ)、競馬(くらべうま)などが催されました。武家では男の子の誕生を祝って家の前に鎧や兜、のぼりなどを飾っていましたが、江戸幕府が贅沢を禁止したことで鎧や兜は家のなかでの飾り付けへと変化し、現在のようなスタイルになったと言われています。

端午の節句には、各地の神社で特別なイベントや祭も開催されます。たとえば、浅間大社では菖蒲やよもぎ、ちまきがお供えされるほか、800年以上前から続く神事として流鏑馬の浅間大社流鏑馬式が行われています。

母の日:5月の第2日曜日

母の日は、毎年5月の第2日曜日に行われる、母親に感謝の気持ちを伝えるイベントです。日付は毎年変わり、2024年は5月12日となります。

母の日の起源にはいくつか説がありますが、よく知られているのはアメリカのジャービス母娘から始まったとする説です。

1907年、アメリカのウエストバージニア州に住むアンナ・ジャービスは、亡くなった母のミセス・ジャービス(南北戦争で負傷兵の衛生状態を改善するため、地域の女性を結束させた人物)を追悼しようと、教会で追悼の会を開催しました。その際、アンナは祭壇に母が好きだった白いカーネーションを飾り、「生きている間に母に感謝の気持ちを伝える機会を設けるべき」という思いを伝えます。

アンナの思いに共感した町の人たちは、1年後、同じ教会に集まって「母をたたえる記念式」を開催。それが始まりとなって「母親に敬意を払い、感謝する日」は各地に広まってきました。

その後、1914年にアメリカ議会は5月の第2日曜日を「母の日」と正式に制定し、白いカーネーションを贈ることが母の日のシンボルとして定着しました。ちなみに、5月の第2日曜日というのは、ミセス・ジャービスが亡くなった日が、第2日曜日だったことに由来しています。

日本では、明治末期に初めて母の日のイベントが行われています。しかし、当時は「キリスト由来の文化」という位置づけであり、認知度はさほど高くありませんでした。母の日が全国的に知られるようになったのは、1937年(昭和12年)にお菓子メーカーが開催したイベントがきっかけです。イベントには20万人もの母親が招待され、それ以降母の日が日本中に定着していきました。

2.5月の行事食

5月は新茶のシーズンです。また、端午の節句では子どものすこやかな成長を願い、ちまきや柏餅を振る舞う伝統があります。ここでは、介護の現場にも活用できる5月の行事食をイベントごとに紹介します。

新茶:八十八夜

新茶とは、その年最初に摘んだお茶のことで、一番茶とも呼びます。お茶は春から秋にかけて4回収穫でき、最初に採れるお茶が一番茶、最後に摘んだものが四番茶です。お茶は摘んだ後も順次芽吹いてくるため、6月初旬頃までに摘まれたものが新茶と呼ばれています。

新茶のいちばんの特徴は、栄養分(特に、テアニンやグルタミン酸といったアミノ酸)が豊富に含まれていることです。冬の間に蓄えられた栄養はお茶の新芽に凝縮され、うまみと甘み、やわらかな苦みとなります。

また、格別に香りがよいことも新茶の特徴です。新茶には独特のみずみずしさや爽やかさがありますが、それらは製茶後の短い期間しか味わえない、期間限定の香りと言えるでしょう。

新茶を楽しむ際は、ひと冷ましした低温のお湯でいれると、よりおいしさを実感できます。高温のお湯でいれると、渋み成分が多く出てしまい、せっかくのうまみが負けてしまうため注意してください。

ちまき・柏餅:端午の節句

端午の節句の代表的な食べ物は、ちまきや柏餅です。

古代中国では、5月に災害や戦乱などが発生しやすいとされており、端午の節句には香りの強い菖蒲やよもぎなどを使って邪気を払う風習がありました。

ちまきに使われる茅(ちがや)も、菖蒲と同じように邪気を払う際に使われていた植物です。現在では、笹の葉や竹の皮で代用されることも少なくありませんが、もともとは茅の葉で巻かれていたために「ちがやまき」と呼ばれ、そこからちまきという名称になったとされています。

ちまきは地域によって特色が異なります。そのため、利用者さんの出身地に合ったものを提供すると喜ばれるでしょう。

北海道や東日本、四国と九州の一部では、中華ちまきが中心です。中華ちまきは、もち米を肉やタケノコ、シイタケなどの具材と一緒に竹の皮で包んで蒸したもので、おこわとも呼ばれます。

西日本と四国・九州の一部、沖縄では、甘いお団子を笹の葉に包んで細長い形にしたものが主流です。

また、鹿児島県には端午の節句に灰汁巻き(あくまき)と呼ばれる餅菓子を食べる風習があります。灰汁巻きというのは、灰汁に漬け込んだもち米を竹の皮で包んで炊き上げ、きなこや黒糖をまぶして食べる郷土料理です。

一方、柏餅を端午の節句に食べるようになったのは、江戸時代からだそうです。柏の木の葉には、新芽が出る時季まで古い葉が落葉しない性質があります。そのため、新芽を子ども、古い葉を親になぞらえて、「家系が途切れず子孫繁栄につながる縁起のいい植物」だと考えられるようになりました。

初ガツオ・タケノコ:端午の節句

端午の節句には決まった料理がないため、縁起のよい食材を使ったメニューが人気です。

5月に旬を迎えるタケノコは、成長が早く上に向かって伸びていくことから、まっすぐスクスクと育ってほしいという願いを込めて使われます。タケノコ料理には、煮物や炊き込みごはん、天ぷらなどがあります。

カツオは漢字で「勝男」とも書けるため、武士の時代から縁起がよい食材とされていました。端午の節句でも、強く元気に育つようにとの願いを込めてカツオを食べる場面が多く見られます。身が引き締まった初ガツオはたたきや刺身に向いているほか、焼き物や煮物、揚げ物など、さまざまな料理に活用できます。

まとめ

5月の主な行事として挙げられるのは、八十八夜や端午の節句、母の日などです。祝日としてみどりの日もあるので、自然に親しむイベントを企画するのもおすすめです。

5月の行事食には、八十八夜の新茶や端午の節句で振る舞われるちまき、タケノコ料理、カツオ料理などがあります。東日本ではもち米に肉やシイタケなどを加え、竹の葉に包んで蒸しあげる中華ちまきが一般的なのに対し、西日本では甘く味付けしたお団子を笹の葉に包んで食します。地域によって食べ方が異なるため、利用者さんの出身地に合ったものを提供すると喜ばれるでしょう。

介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けたお役立ち情報を数多く紹介しています。毎月のイベントや行事食などで悩んでいる介護職の方のために、各月の行事情報も掲載しているので、ぜひ介護のみらいラボを参考にしてください。

※当記事は2023年12月時点の情報をもとに作成しています

●関連記事:【5月】高齢者向けおすすめレクリエーションを行事別に紹介!

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