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仕事・スキル 介護職のスキルアップ 2022/12/14

#みんな知らない高齢者の世界#インタビュー#レクリエーション

取り入れてみよう!Zoomレク〜ごぼう先生に聞く活用方法と実施時のコツ〜|みんな知らない高齢者の世界

取材・文/タケウチ ノゾミ(イージーゴー) 004.jpg

コロナ禍で今までのようなレクリエーションの実施が難しくなった中、オンライン会議ツールのZoomを使用したZoomレクが注目されています。Zoomレクに興味はあるものの、開催方法についてお悩みの施設も多いのではないでしょうか。そこで「健康体操クリエイター」としてこれまでに100回以上Zoomレクを実施してきたごぼう先生に、活用方法や実施時のコツについて聞いてみました。

●関連記事:高齢者の体操は何をすべき?ごぼう先生に聞く効果的な方法と注意点

1.Zoomレクの魅力は?

――Zoomレクの魅力は何でしょうか。

双方向のコミュニケーションを取れるところが一番大きな魅力ですね。かれこれ100回以上はオンライン体操をやっていますが、皆さんからのコメントや質問を受け付ける時間が長い方が、満足度が高まっていると感じています。

各地への訪問が難しい状況でも喋れた、会えたみたいな感覚を覚えられることは、オンラインならではの強みですよね。Zoomは「関係性が築ける一つのコミュニケーションアイテム」という感じがしています。

2.Zoomレク実施時の注意点は?

――Zoomレクを実施する際に気をつけていることを教えてください。

「自分自身も楽しめるようにやること」が大事だと思っています。僕はオンライン体操をする際、いつもアドリブでやっているんです。自分の言葉で喋った時と、原稿を読んだ時で伝わり方が違うのと同じで、決められた内容を繰り返すほど伝わりにくいし、自分も楽しくなくなっちゃうんですよね。

なので、どんな体操をするか、どんな言葉を投げかけるかっていうのは毎回その場で考えていて、新鮮な感覚です。この新鮮さは「皆さんに楽しんでもらう」ことに関しては非常に大切な点だと思いますし、自分自身の楽しさにも繋がっていますね。

後は、なるべく身振り手振りを大きくするようにもしています。例えば「ごぼう先生どうですか」って誰かが言った時に、認知症の方が「そんなやつは知らん」と言ったタイミングでズッコケたりとか。気持ちが良いことを言われた時は、目を閉じて胸に手を当てて、ありがとうといった感じを表したりとか。

その時の感想がひと目で分かるように、動作やリアクションを人一倍大きくしています。そのお陰で、オフラインの体操でもリアクションが大きくなりました。



3.Zoomレクのコツとトラブル対応の工夫

――Zoomレクを実施する際のコツはありますか。

Zoomレクを開催するようになってから、奥行きが使えるようになってきました。自分がカメラに近づいたり、引きでリアクションをして全身が見えるようにしたりとか。

Zoomだとずっと同じ場所に立って話しがちですが、カメラに近づいたり遠ざかったりした方が、「画面の向こうの方々に向けて発信をしていますよ」というのを伝えやすくなると感じています。その辺りは、開催するうちに見えてきたオンラインのテクニックかなと思いますね。

他にも、トラブル時の対応も意識しています。オンラインだと通信環境が悪くて相手の声が聞き取れなかったり、画面がフリーズしてしまったりすることもあるのですが、そんな時は「紙に書いて教えて」や「チャットで教えて」と伝えるようにしています。

トラブルが発生してしまうことがあっても、悲しいまま終わってしまうことは、少しの工夫でかなり減ってきているなと感じていますね。

4.参加者の動きが良くなる秘訣

――ごぼう先生のZoomレク活用法があれば教えてください。

スタッフさんも一緒に体操に参加してもらうことかなと思います。これは今まで何百回と体操を繰り返してきて感じたことなのですが、後ろでスタッフさんも一緒に体操をしている施設の方が、参加者さんも動きが良いです。

スタッフさんも一緒に楽しんでいるかどうかは、その場の居心地の良さにも関わるのではと考えています。スタッフさんと参加者さんが同じ目線で一緒に楽しんでいる施設だと、比較的雰囲気が良いなと感じていますね。



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5.ごぼう先生からのメッセージ

――ごぼう先生のZoomレクに参加希望の施設に向けてメッセージをお願いします。

まだ介護現場はZoomの経験がある方が少ないですし、インターネット自体も不慣れな方々が多いと感じています。なので、そういった少し苦手なところを企業さんに手伝ってもらえると良いのかなと思いますね。

僕のオンライン体操はほとんどが第一興商さんと連携しながら行っているので、第一興商さんに声を掛けて、サポートを受けてもらえればと思います。僕の場合はそのサポート後にイベント開催に至るケースが多いので、自分達だけでやるよりは第一興商さんの力を借りながらできると良いかなと。

最近は、介護現場のサポート役として仕事をすることが、利用者さんの笑顔に繋がるんだなと感じるようになりました。なので企業さんと力を合わせながらサポート役になれたのは、凄く仕事のやりがいに繋がっています。テレビの中からにはなりますが、これからも介護職の一員として皆さんの業務をサポートできれば嬉しいです。

取材・文/タケウチ ノゾミ 編集/イージーゴー

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プロフィール

ごぼう先生

株式会社GOBOU 代表取締役 簗瀬 寛

大人のための体操のおにいさん。体操クリエイター。鍼灸師。社会福祉主事。LOVOTシニアハッピーライフアンバサダー。

ごぼう先生

1985年愛知県出身。日本福祉大学卒業。座ったままできる集団体操を指導する。全国各地500ヶ所以上、シニアを中心とした4万人以上と一緒に健康体操を行う。3万ヶ所以上の介護施設や地域サロンで、イス体操コンテンツを活用。
著書に「ごぼう先生と楽しむ大人の健康体操」(あさ出版)「介護界のアイドルごぼう先生とみんなを笑顔にする方法」(講談社)など。
2018年にキングレコードからメジャーデビュー。第一興商「DAM」のエルダーコンテンツに導入。YouTubeのチャンネル登録者は3万人(2022年11月現在)

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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