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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2022/01/27

#介護職お役立ち

高齢者向けのレクリエーションとは? 楽しく盛り上がるレク9選

構成・文/介護のみらいラボ編集部

高齢者向けレクリエーションは、脳機能の活性化や身体機能・心の健康の維持に大きくつながる重要なイベントです。当記事では、高齢者向けのレクリエーションの概要と具体例を詳しく紹介します。介護業界のお役立ち情報を知りたいという人は必見です。

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老人ホームをはじめとした高齢者向け施設では、利用者みんなで楽しめるレクリエーションが定期的に行われます。

利用者からすると一見「遊び」のようなイメージのあるレクリエーションですが、レクリエーションを通じて認知機能の低下を防ぐだけでなく、利用者が施設での生活をさらに楽しめるようになるため、高齢者向け施設では欠かせないイベントです。

当記事では、高齢者向けのレクリエーションの概要と具体例を紹介します。これから介護施設で働こうと考えている人や、すでに働いている介護職員・スタッフは、高齢者向け施設で行われるレクリエーションについて幅広い知識を得ておきましょう。

1.高齢者向けのレクリエーションとは?

高齢者向けのレクリエーションとは、主に高齢者向け住宅・介護老人保健施設・デイサービス・老人ホームなどの高齢者向け施設で行われるイベントです。昼食から夕食までの間など、施設利用者全員が起きて活発に動く時間帯に開催されることが一般的で、自由参加型が基本となっています。

そもそもレクリエーションとは、日々の仕事や生活における疲れをリフレッシュさせるために行う活動や娯楽行事のことです。高齢者向け施設では、「元気を取り戻す」「施設での生活を楽しいものにする」「楽しみながら機能訓練(リハビリ)を行う」ことを目的に行われます。

高齢者向けレクリエーションのメリット

高齢者向けレクリエーションには、あらゆるメリットがあります。

〇脳の機能を活性化する
高齢者向け施設の利用者が、高齢者向けレクリエーションを行うことで、日々の生活では使用しない脳部分を刺激することが可能です。これにより脳が活性化し、認知機能の維持・向上につながるとされています。

〇身体機能を維持する
高齢者向けレクリエーションにより、身体機能の維持も期待できます。国立長寿医療研究センターの「認知症予防マニュアル」でも、運動による認知症が有効とされています。座りながらできる軽い運動から、バランスを使って体全体を動かす運動まであらゆる運動があります。

(出典:国立長寿医療研究センター「認知症予防マニュアル」

〇心の健康を維持する
高齢者向けレクリエーションにより、日々の生活では得られない新たな刺激を得ることが可能です。気分転換にもなり、結果として心の健康を維持できます。心身ともにリフレッシュすることができ、人生の新たな楽しさを見つける機会にもなるでしょう。

〇コミュニケーションの機会が生まれる
介護が必要になると、これまで通り外に出て他者とコミュニケーションをとることが少なくなってしまいます。しかし、高齢者向けレクリエーションでは、他の利用者と深く交流することが可能です。孤立することもなく、他の利用者と笑って過ごせることから、ストレスの緩和にもつながるでしょう。

〇生活の質(QOL)が向上する
高齢者向けレクリエーションにより楽しみが生まれると、それが生きがいになるケースも多々あります。「次のレクリエーションも楽しみ」と思えるようになれば、生活の質(QOL)は大いに向上するでしょう。

高齢者向けレクリエーションの種類

高齢者レクリエーションとひとくちに言っても、あらゆる種類があります。基本的には、頭・体・音を使ったレクリエーションや、創作によるレクリエーションが多く開催されます。

〇頭を使うレクリエーション
認知機能の維持・向上、さらに利用者同士のコミュニケーション活性化を目的に行われるレクリエーションです。具体的には、クイズ・脳トレやパズル、さらに将棋や麻雀などが挙げられます。

〇体を使うレクリエーション
運動不足の解消や利用者同士のコミュニケーション活性化を目的に行われるレクリエーションです。具体的には、ラジオ体操や風船バレー、玉入れなどが挙げられます。チームで行うレクリエーションの場合は、他者と協力・連携するという力も鍛えられます。

〇音を使うレクリエーション
肺機能の向上や脳の活性化、ストレス緩和を目的に行われるレクリエーションです。懐かしい音楽を聴く・歌うなどで昔の記憶を思い出したり、日々の生活の不安や緊張感を和らげたりします。場合によっては、楽器を演奏することもあります。

〇創作するレクリエーション
認知機能の維持・向上や生活の質(QOL)を高めることを目的に行われるレクリエーションです。具体的には、編み物や折り紙、さらに書道や調理などが挙げられます。調理レクリエーションでは他利用者との連携力も培うことができ、施設内のコミュニケーションがさらに活性化します。

2.道具なし! 高齢者向けレクリエーション3選

高齢者向けレクリエーションでは、何らかの道具が必要となるものが一般的です。しかし、中には道具は一切必要なく開催できるものもあります。

道具なしで開催できる高齢者向けレクリエーション
・パタカラ体操
・口じゃんけん
・後出しじゃんけん

道具なしのレクリエーションは、準備や片付けの手間がかからない点が魅力です。施設内にさほど道具が揃っていない場合は、上記のレクリエーションを実践してみましょう。

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

パタカラ体操

パタカラ体操とは、「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発声しながら口をしっかり動かす口の体操です。高齢者は、口や舌の筋肉が低下し、嚥下機能が低下します。食べ物の誤嚥を防ぐためには、口や舌の運動にぴったりのパタカラ体操が適切です。「パ」は口唇を閉じ、「タ」は舌先を口蓋に、「カ」は舌の付け根付近を口蓋の奥につけ、「ラ」は巻き舌にして舌の裏側の口蓋に当てることがポイントとなります。

<やり方>

(1) 「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ1音ずつ順に発声する
例:「パ」→「タ」→「カ」→「ラ」
(2) 「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ1音ずつ連続して順に発生する
例:「パパパ...」→「タタタ...」→「カカカ...」→「ラララ...」
(3) 「パ」「タ」「カ」「ラ」を含む文章を発声する
例:「パンダのたからもの」

口じゃんけん

口じゃんけんとは、その名の通り口を使ってじゃんけんをするというゲームです。一般的なじゃんけんは手を使って行いますが、口じゃんけんは口を使って「グー」「チョキ」「パー」を表現します。グーは口をすぼめ、チョキは口をとがらせる・舌を出す・横に広げるなどし、パーは口を大きく開けることがポイントです。

一度のルール説明では覚えきれない利用者も多くいるため、まずはリーダーや指導者同士で例を見せてあげるとよいでしょう。

<やり方>

(1) 2人以上の組を作る
(2) 最初に手を使った一般的なじゃんけんをさせて慣れさせる
(3) 口じゃんけんのやり方を説明し、リーダーが声かけをしながら実践する

(出典:えどがわ区民ニュース「健口体操」

後出しじゃんけん

後出しじゃんけんとは、リーダーの「じゃんけんぽん」という合図と手に応じ、利用者が1テンポ後に手を出すゲームです。リーダーに勝つ手を出すか、負ける手を出すか、あいことなる手を出すかは、リーダーの指示によって異なります。言葉だけのルール説明では理解できないケースも多々あるため、口じゃんけんと同様、実践前に一度リーダーや指導者同士での例を見せてあげましょう。

やや頭を使うゲームなため、最初はゆっくり行い、慣れてきたタイミングを見計らってスピードを上げることもおすすめです。

<やり方>

(1) 最初に手を使った一般的なじゃんけんをさせて慣れさせる
(2) 後出しじゃんけんのやり方を説明し、リーダーが声かけをしながら実践する
(3) 利用者が勝つ・負ける、もしくはあいこになる手の指示を交互に混ぜながら何度も後出しじゃんけんを行う
(4) 慣れてきたら、スピードを上げて難易度を高める

3.集団で盛り上がる!高齢者向けレクリエーション3選

高齢者向けレクリエーションでは、大人数になればなるほど盛り上がるものも多くあります。数人や1人で行うレクリエーションとは違って、大人数で行うレクリエーションは交流の機会も多くなり、盛り上がりや達成感を共有することが可能です。

集団で盛り上がれる高齢者向けレクリエーション
・伝言ゲーム
・色玉入れ
・風船バレー

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

伝言ゲーム

伝言ゲームとは、決められたお題を最初の人から最後の人まできちんと伝えられるか協力するゲームです。お題の例は単語や短文ではなく、「朝8時から行った堤防釣りで、大きなアジが連れました。」など、覚えるポイントがいくつかある長文を用いることが基本となります。

伝言ゲームとひとくちに言っても、糸電話やイラスト・文字、ジェスチャーを用いたものや、お題から連想されるイメージ・単語を用いて伝言するなど、バリエーションが豊富にあります。高齢者向け施設では、耳が聞こえにくい人・目が見えにくい人などあらゆる利用者がいるため、適切なバリエーションを選ぶことがポイントです。下記は、「糸電話を用いた伝言ゲーム」のやり方です。

<やり方>

(1) 大人数の利用者を円形、もしくは一直線に、糸が貼る程度の間隔まで広げて座らせる
(2) 伝言ゲームの順番を決めて、最初の人に糸電話でお題を伝えてから、覚えたお題を最初の人が次の人に伝える
(3) 次の人に糸電話でお題を伝える工程を順番に繰り返し、最後の人まで回ったら答え合わせをする

色玉入れ

色玉入れとは、色のついた玉と箱を用意し、利用者に色のついた玉を一致する色の箱に投げさせるというゲームです。玉を掴んで狙った場所に投げるというシンプルなゲームですが、運動機能・認知機能の維持・向上につながる重要なレクリエーションと言えます。

基本的には椅子に座った状態で行うため、椅子に座りながらでもできる位置に玉と箱を置いておきましょう。けがをしないよう、柔らかい玉を使うことが必須です。施設内利用者の関係づくりを支援するために、チーム対抗戦で行うこともおすすめと言えます。チーム対抗戦で行う場合は、色のついた玉と箱のセットを2つずつ作りましょう。

<やり方>

(1) 赤・白・青・黄色など異なる色の玉と箱を、数種類用意する
(2) 玉を入れる箱と投げる位置、さらに秒数を決める
(3) 投げる位置に利用者を座って円形、もしくは一直線に並ばせる
(4) 色玉入れのルールを説明し、リーダーの合図とともに実践する
(5) 定めた秒数が経過したらストップし、玉の数をカウントして結果発表する

風船バレー

風船バレーとは、風船のボールを用いて、通常のバレーボールのルールでプレイするというゲームです。椅子に座りながら行えるため体の負担が少なく、転倒やけがの心配はありません。上半身の運動にも効果的です。風船は非常に軽くゆっくりと動くため、運動が苦手な高齢者でも簡単に参加できます。

しかし、少なからず体の筋肉を使うため、突然体を動かすことによる痛みが生じてしまわないよう、風船バレーを行う前には十分な準備運動が必要となることも覚えておきましょう。

<やり方>

(1) 風船バレーを行うフィールドを決め、ネットや紐、テープなどを用いて細かなラインを定める
(2) 2~3人ごとのチームを2つ作る
(3) 1セットの制限時間を決め、基本的なルールを参加者に説明した上で実践する
(4) リーダーは試合を見ながら得点をカウントする
(5) 制限時間が終了したらストップし、得点をカウントして結果発表する

頭や体を使う!人気の高齢者向けレクリエーション3選

頭や体を使ったレクリエーションは、運動機能や認知機能の維持に大きくつながることが特徴です。しかし、一人ひとりの能力によって対応できないケースもあるため、高齢者本人の認知能力・身体能力に合わせた上で、安全面に配慮するなど、実施時にはいくつかの注意点をおさえておきましょう。

頭や体を使う高齢者向けレクリエーション
・伝言ゲーム
・色玉入れ
・風船バレー

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

シャッフル文字

シャッフル文字とは、正解のお題の文字をシャッフルさせた文字をホワイトボードなどにかき出して、正解のお題を当てさせるゲームです。例えば、「あかいりんご」が正解のお題の場合は「ありかいんご」などのオリジナルの言葉を作ります。

1問だけではなく十数問用意しておき、クリアするたびに難易度が上がる設定をするとより盛り上がります。また、難易度が上がったときは2人チームを作り、2人で協力しながら正解のお題を探してもらうといった方法も効果的です。

<やり方>

(1) シャッフル文字を15~20問ほど決める(5~10問ごとに難易度を上げる)
(2) ホワイトボードが全員見える位置で利用者を椅子に座らせる
(3) シャッフル文字のルールを説明し、実践する
(4) 時にはヒントを出しながら、制限時間までに答えに導かせる
(5) 制限時間が終了したら、1問ごとに正解を教える

棒サッカー

棒サッカーとは、ダンボールで作ったフィールド・ゴールに新聞紙やスポンジなど比較的柔らかい素材の紙を丸めた棒とゴムボールを用いてサッカーをするというゲームです。

通常のサッカーは足でボールを蹴りますが、棒サッカーは棒でボールを動かすという仕様なため、高齢者でも座りながら簡単に楽しむことができます。チーム戦で進行することが基本であり、ボールを動かす棒を色分けしておくとより一体感が生まれます。

体の不自由な高齢者にとってはやや激しい動きとなるため、転倒の不安がない安定感のある椅子を用いなければならない点に注意してください。また、疲労を感じないよう試合時間を短くしたり、休憩(ハーフタイム)を長めにとることもポイントです。

<やり方>

(1) ダンボールでサッカーフィールドとゴールを作る
(2) 人数分の柔らかい棒を作り、ゴムボールを1つ用意する
(3) 同じ人数のチームを2つ作り、フィールドを介して一直線に座らせる
(4) 試合時間を決めたのち、棒サッカーのルールを説明し、実践する
(5) 制限時間が終了したらストップし、リーダーがカウントした得点を発表する

塗り絵

塗り絵とは、輪郭だけ描かれたイラストの中に、思い思いの色を塗って楽しむ遊びです。有名なキャラクターを用いて、思い出してもらいながら正解と思う色を塗るという遊び方もできます。集中力や手先・指先の器用さが鍛えられ、認知機能の維持や脳機能の活性化にもつながるレクリエーションです。

塗り絵はその人の感性が大きく表れるものであるため、イラストのものと実際のものの色が違っても、否定しないことがポイントです。また、目が見えにくい利用者がいることも想定して、枠線は太くしておきましょう。

塗り絵で使用する絵にはさまざまなものがありますが、基本的には花や動物、風景などが挙げられます。利用者同士で塗った絵を見せ合い、どのような意図があってこの色を塗ったのかといった意見を発表し合うことで、自分とは異なる世界観を知れたり、コミュニケーション能力の向上につながったりもします。

<やり方>

(1) あらゆるカラーの色鉛筆と、輪郭だけ描かれたイラストを人数分用意する
(2) 塗り絵のルールを説明し、利用者に思い思いの色を塗らせる
(3) 利用者全員が塗り終わったら、利用者同士で塗った絵を見せ合う

まとめ

高齢者向け住宅や介護老人保健施設などの老人ホームで行われるレクリエーションは、脳機能の活性化や身体機能・心の健康の維持に大きくつながる重要なイベントです。

高齢者向けレクリエーションとひとくちに言っても、頭や体、音を使ったレクリエーションや創作系レクリエーションなどあらゆる種類があります。さまざまな状態の高齢者がいることを踏まえ、適切なレクリエーション内容を選択することが重要です。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で活躍する人に有益な情報を多数掲載しています。ここまでの内容を参考に、「現場で役に立つ介護知識をもっと知りたい」という介護スタッフは、他のコラムもぜひチェックしてみてください。

(参考:脳活道場(わかさ出版/パズル式 脳トレぬり絵(わかさ出版))

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