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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2022/05/27

【12月】高齢者向けレクリエーションのアイデアと実施のポイント

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12月は「師走」と呼ばれるあわただしい時期であると同時に、楽しいイベントが数多く実施される月でもあります。高齢者施設でレクリエーションを行う際は、寒さ対策や水分補給に気を配りながら、季節感のある内容を取り入れることが大切です。

この記事では、12月に行うおすすめのレクリエーションのアイデアを8つ紹介します。寒い時期にレクリエーションを行う際の注意点にも触れるので、高齢者施設で働くスタッフはぜひ参考にしてください。

1.12月のレクリエーションを高齢者に楽しんでもらうには?

12月は和風月名で「師走」とも呼ばれ、1年の締めくくりとなる月です。年末のあわただしい時期であるため、レクリエーションを行う際は事前にしっかりと計画を立てることが大切です。

また、12月は1年で最も昼の時間が短い「冬至」を迎え、だんだんと寒さが厳しくなる時期。寒さや乾燥による影響が大きい高齢者は、健康リスクが高まります。体温が下がることで免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなったり、急激な温度変化で心筋梗塞や脳卒中のリスクが増加したりするため、十分に注意しましょう。

加えて、こまめな水分補給にも気をつけてください。水分補給は、感染症や脳卒中予防の観点からも大切です。レクリエーションの途中にも、水分補給を促す声かけをするとよいでしょう。

(出典:全国健康保険協会「12月 冬の水分補給」

2.【12月の行事】高齢者向けレクリエーションのアイデア

12月は、クリスマスや大みそかといった大きな行事があります。お正月の準備も含めた幅広いレクリエーションを実施できるでしょう。

以下では、12月におすすめのレクリエーションのアイデアと実施例を紹介します。事前の準備が必要な場合は、しっかりとスケジュールを組んで行いましょう。

クリスマス

12月の1番のイベントと言えば、クリスマスです。近年は、高齢者にもクリスマスを楽しむ文化が浸透しており、クリスマスにまつわるレクリエーションも喜ばれます。クリスマス会の準備や飾りつけなど、レクリエーションを通して利用者に参加してもらいましょう。ツリーや部屋の飾りつけは、12月の上旬から段階的に進めてください。全員で準備を進めることで、クリスマス気分がぐんと盛り上がりますよ。

クリスマスにおすすめのレクリエーションとしては、壁画作りが挙げられます。数人ごとのグループに分かれたら、見本の絵やマスキングテープ、ホログラムテープ、はさみなどを使って、壁にツリーやサンタクロース、クリスマスリースなどの絵を描いてもらいましょう。ツリーの幹を事前に準備して、飾りつけのみをお願いするのも良い方法です。

クリスマス会の出し物として、ハンドベル演奏を披露するのもおすすめです。ハンドベル演奏は経験がなくても参加しやすく、高齢者でも手軽に楽しめるレクリエーションの一つ。練習時間は必要ですが、全員で一緒に演奏をやり切ったときには得がたい達成感があるでしょう。

お正月の準備

12月のレクリエーションとしてお正月の準備を行う際は、お正月に使う箸袋や干支をモチーフにした作品制作がおすすめです。

箸袋は、和紙や折り紙で簡単に作れます。お正月らしいスタンプやシールで飾りつければ、センスが光る個性的な箸袋のできあがり。年明け最初の食事で使用するとさらに喜ばれるでしょう。

干支をモチーフにした作品は、壁面などを使ってスケールの大きなものにすると、よりお正月らしい雰囲気を演出できます。また、大きな作品を協力しながら作ることで、一体感や充実感も得られるでしょう。

高齢者のなかには、縁起や作法を重視する人が少なくありません。そのため、年末や年明けにあわただしくお正月の準備をすることは避けましょう。正月飾りは12月28日までに飾りつけが終わるように、12月中旬から準備することが大切です。

年賀状作成

年賀状を作成するレクリエーションもおすすめです。毎年の習慣として行っている人はもちろん、年賀状を送る習慣がなかった人にとっても、周囲に感謝の言葉を伝える良い機会になるでしょう。

年賀状作りをサポートするときは、書きたい文章の量で選べるように、デザインを複数用意すると喜ばれます。高齢者のなかには思うように体を動かせない人もいるため、スタンプやシールなどの素材を用意して、文字を書かずに年賀状を作る方法を提案しても良いでしょう。利用者の状態や意向に合わせて、無理なく作成できる準備を整えることが大切です。

冬至の風習

冬至は、1年のうちで最も夜が長く昼が短い日。太陽の位置により日付が変動し、2022年は12月22日になります。

冬至にゆず湯に入ると、風邪をひかずに冬を越せるという言い伝えがあります。しかし、ゆずを入れた湯につかると、人によっては肌に刺激を感じる場合もあるので注意が必要です。レクリエーションで実施するときは、足湯などでゆずの香りを楽しむのがおすすめです。

足湯を行う際は、お湯とゆずを入れた大きなバケツとビニール袋を用意し、足をビニール袋で覆ってからバケツのお湯につかります。ゆずを用意するのが難しければ、精油を使っても良いでしょう。足元から体が温まり、さわやかなゆずの香りも楽しめるおすすめのレクリエーションです。

歌合戦

大みそかに行われる「NHK紅白歌合戦」を楽しみにしている高齢者もいるでしょう。NHKの紅白歌合戦は、1951年から毎年続いている男女対抗形式の音楽番組です。

レクリエーションとして、「NHK紅白歌合戦」にちなんだカラオケ大会を実施するのも良いでしょう。2つのチームに分かれて対抗戦にするとより盛り上がります。人前で歌うのが苦手な人がいる場合は、審査員として参加してもらうのがおすすめです。

赤穂義士祭

赤穂浪士たちが討ち入りをした12月14日には、全国にある赤穂浪士ゆかりの地で「赤穂義士祭」が行われます。それにならって、日本史に関するクイズをレクリエーションで楽しみましょう。日本史が得意な人はもちろん苦手な人も楽しめるように、難易度を3段階程度に分けるのがおすすめです。

クイズを使ったレクリエーションでは、過去に得た知識を思い出す過程で脳が活性化し、脳トレ効果が期待できます。脳トレとは「脳を活性化させるトレーニング」のことで、脳を鍛える目的で行います。クイズを解く達成感や充実感も得られるでしょう。

●関連記事:脳科学者 篠原菊紀さんに聞くー高齢者が「脳トレ」に取り組むメリットと効果的な実施方法

年越しそば

大みそかには、年越しそばを食べる風習があります。「なぜ、そばを食べるのか」については多くの説があるものの、細く長いそばを食べることで「健康長寿」を願うという説が有名です。

年末の雰囲気を感じてもらうため、年越しそばに関するレクリエーションを行ってみてはいかがでしょう。おすすめは、年越しそばが描かれた絵を使って間違い探しを楽しむ方法。間違い探しは集中力が求められるため、じっくりと観察して間違いを見つけることで、脳トレ効果が期待できます。

●関連記事:「大晦日」の間違い探し

あわせて、そばにまつわる雑学クイズを行うのもおすすめです。「年越しそばを食べる人の割合」や、「そば粉が何パーセント以上入っているとそばと表記できるのか」などの問題を3択形式で出題し、年越しそばが完成するまでの間に楽しんでもらいましょう。

映画鑑賞(映画の日)

12月1日は「映画の日」です。日本で初めて映画が上映されたことを記念し、一般社団法人 映画産業団体連合会が制定しました。

(出典:一般社団法人映画産業団体連合会「映画の日」

座ったまま楽しめる映画上映会は、多くの人が参加しやすく室内で実施できるため、12月にぴったりのレクリエーションです。

映画は楽しいだけでなく、懐かしい過去を思い出したり、あまり見ないような映画を見て心の刺激になったりする場合もあります。そのため、映画上映会の後に利用者同士で感想を言い、交流する機会を設けるのもおすすめです。

なお、高齢者は長時間集中することが難しい傾向にあります。映画を選ぶときは長編を避け、長くても1時間半程度で見終わる映画を選ぶようにしましょう。

ジャンルは、クリスマスや冬をテーマにした作品や昔の人気俳優が出ている作品、時代劇、笑って楽しめるコメディなどがおすすめです。事前に利用者の意見を集め、興味のあるジャンルをリサーチすると良いでしょう。

まとめ

12月はイベントが多く忙しい月であるため、クリスマスやお正月の準備にかかる期間を考えながら、計画的にレクリエーションを実施することが大切です。利用者の体温低下や水分補給に気を付けつつ、レクリエーションを楽しんでもらいましょう。

「介護のみらいラボ」では、他の月や季節ごとにおすすめのレクリエーション情報も多数掲載しています。介護業界で働く人に向けたさまざまな情報を発信しているため、ぜひ「介護のみらいラボ」をご覧ください。

●関連記事:高齢者におすすめの行事レクリエーションを季節ごとに紹介!
●関連記事:冬に楽しめる高齢者向けレクリエーション7選!冬の行事一覧も
●関連記事:【11月】高齢者向けおすすめレクリエーション7選と計画・実施のポイント
●関連記事:【1月】高齢者向けおすすめレクリエーション7つと実施の注意点

※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています

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