高齢者におすすめの行事レクリエーションを季節ごとに紹介!
日本には春・夏・秋・冬、それぞれの季節によってさまざまなイベントや行事が存在します。だからこそ、老人ホームやデイサービスといった高齢者施設で定期的に開催されるレクリエーションでも、施設利用者・入居者全員が楽しめるだけでなく、季節感のあるものが数多く取り入れられています。
でも、なかには「高齢者にとって、なぜ季節のレクリエーションが大切なの?」「季節ごとにどのようなレクリエーションを行えば良いか分からない」と悩んでいる介護スタッフもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、高齢者にとって季節感のあるレクリエーションが大切な理由と、季節ごとの行事、高齢者レクリエーション例を詳しく紹介します。高齢者施設でレクリエーションを計画している人は、ぜひ参考にしてください。
1.高齢者にとって季節のレクリエーションが大切な理由
多くの介護施設では、定期的に開催する高齢者向けレクリエーションに季節の行事を取り入れています。では、なぜ高齢者にとって季節のレクリエーションが大切なのでしょうか。
要介護状態となって、老人ホームなどに入居したり、自宅で介護を受けていたりする高齢者のなかには、自らの意思で自由に外出することが難しい人もいます。そして、そうした人たちは単調な生活を送りがちになってしまいます。
しかし、定期的に季節の行事を取り入れたレクリエーションを実施すれば、「すっかり春らしくなったな」と季節の移り変わりを実感したり、「夏といえば、昔こんなことがあったな」と過去の思い出を振り返ったりすることができます。また、「今年の春もあのレクリエーションがあるのかな」「楽しみだな」と感じてもらえれば、高齢者自身の心が安定したり、生き生きとした生活を送ったりすることにもつながります。
レクリエーションでは、季節感を演出するための装飾やおやつ作りを利用者に担当してもらうこともあります。そうやって全員に何かしらの役割をこなしてもらえば、利用者の参加意欲がさらに高まりレクリエーションも一段と盛り上がるでしょう。
このように、介護施設では季節を感じるレクリエーションが非常に重要な役割を担っています。また、認知症デイケアなどでは、認知機能予防を目的とした四季折々のレクリエーションが実施されているケースも少なくありません。
2.季節ごとの行事と高齢者レクリエーションの例
春・夏・秋・冬の季節ごとの代表的な行事として、下記のものが挙げられます。
季節 | 代表的な行事 |
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春 (3月~5月) |
●ひな祭り ●お花見 |
夏 (6月~8月) |
●七夕 ●夏祭り ●花火 |
秋 (9月~11月) |
●お月見 ●スポーツ大会 ●紅葉狩り |
冬 (12月~翌2月) |
●クリスマス ●お正月 ●バレンタインデー ●節分 |
高齢者施設で行う季節のレクリエーションは、代表的な行事に沿ったテーマで行うのがおすすめです。ここからは、季節の代表的な行事とレクリエーション例について詳しく説明します。
春(3月~5月)
春の季節(3月~5月)には、ひな祭り、お花見などの行事が楽しめます。太陽の日差しが暖かくなる季節なので、施設内でのレクリエーションはもちろん、外出して楽しむレクリエーションも人気です。
3月:ひな祭り |
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ひな祭りのレクリエーションとしては、「ひな人形作り」「メイクアップ」が挙げられます。ひな人形作りでは、紙コップや折り紙など身近なアイテムを用いると良いでしょう。地域によってひな祭りの風習やひな人形の飾り方が異なるので、人形を作りながらそれぞれの思い出話を披露してもらうのもおすすめです。 ひな祭りの主役は女性。女性の利用者から希望者を募り、施設の職員によるメイクアップを楽しんでもらうのも一案です。「この色が似合いそう」「こっちの色も素敵!」と会話がはずみ、利用者の気持ちが一段と華やぐでしょう。男性の利用者には、メイクをした女性利用者の写真を撮影する「カメラマン」を担当してもらいましょう。 |
4月:お花見 |
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4月は桜がきれいな季節。近くの公園などに出掛けて、利用者全員でお花見を楽しみましょう。外出が難しい利用者がいる場合は、敷地内に咲く季節の花を楽しんだり、切り枝の桜を楽しんだりするのもおすすめです。あわせて、桜餅や三食団子を利用者全員で作る調理レクリエーションを取り入れても良いでしょう。 |
夏(6月~8月)
夏の季節(6月~8月)には、七夕祭りや夏祭り、花火などの行事が楽しめます。この季節は日中の暑さが厳しくなるため、快適な気温で過ごせる屋内レクリエーションがおすすめです。
7月:七夕 |
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7月7日は七夕。願い事を書いた短冊や色とりどりの七夕飾りをササにつるして、星に祈るイベントです。レクリエーションの際は、そうした代表的な風習に加えて壁面飾りを楽しむのがおすすめです。画用紙、紙コップ、折り紙といった身近な材料で「織り姫とひこ星」「天の川」などを描き、利用者全員で壮大な七夕の世界観を作ってみましょう。手先を細かく動かす作業が多いので、機能訓練の効果も期待できます。 |
8月:夏祭り・花火 |
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8月は、全国各地で夏祭りや花火大会が開催される時期です。とはいえ、実際の夏祭りに参加することは難しいので、施設内で夏祭りを開催するのはいかがでしょう。職員がヨーヨーつりやボールすくいといった簡易的な屋台を準備し、利用者にお客さんとして楽しんでもらえば、お祭り気分がぐんと盛り上がるはず。利用者同士で話し合って、屋台側・お客さん側の役割を分担するのもおすすめです。 夏祭りが終わったあとは利用者同士の交流を目的に、中庭や施設駐車場、近くの公園などで線香花火を楽しむのも良いでしょう。花火をする際は、やけどや火の後始末に十分に注意してください。 |
秋(9月~11月)
秋の季節(9月~11月)には、お月見・スポーツ大会・紅葉狩りなどたくさんの行事が楽しめます。少しずつ肌寒くなる季節ですが、晴れた日の昼間は空気がさわやかで過ごしやすいため、屋内・屋外両方のレクリエーションが楽しめるでしょう。
9月:お月見 |
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9月といえば十五夜、十五夜といえばお月見です。お月見のレクリエーションでは、月にちなんだ工作や壁面飾りがよく取り入れられます。画用紙や折り紙などを使って、利用者全員で月やうさぎ、団子などを作りましょう。 あわせて、月見団子作りを楽しむのもおすすめです。利用者の誤嚥防止のため、白玉と豆腐を混ぜた柔らかい団子にするなど、高齢者向けに工夫したレシピを利用しましょう。 |
9~10月:スポーツ大会 |
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9~10月にかけてのレクリエーションでは、体を動かすスポーツ大会も人気があります。屋内で行うことを基本に、利用者の身体状況に合った適切な種目を決めましょう。幅広い利用者が楽しめる定番の種目としては、玉入れやスプーンリレーなどが挙げられます。 施設内のコミュニケーションを活性化させるためにチーム対抗戦にしたり、競技性のないダンスを取り入れたりするのもおすすめです。 |
11月:紅葉狩り |
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紅葉が色づきはじめた頃、外に出て紅葉狩りを楽しむレクリエーションも人気です。紅葉狩りは美しい景色を見て五感が刺激されるだけでなく、歩行訓練につながるというメリットもあります。施設に持ち帰った紅葉をファイリングしたり、利用者全員で紅葉アートを作ったりするのも良いでしょう。 |
冬(12~翌2月)
冬の季節(12月~翌2月)には、クリスマス・お正月・節分・バレンタインなどの行事が楽しめます。1日を通して肌寒さや風の冷たさをひしひしと感じる季節となるため、快適な環境で楽しめる屋内レクリエーションが人気です。
12月:クリスマス |
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12月後半に行われるクリスマスのレクリエーションでは、利用者全員でクリスマス会を楽しむことが多くなっています。職員はサンタやトナカイのコスプレをしたり、何かしらのプレゼントを用意したりして、クリスマス気分を盛り上げましょう。 ビンゴ大会などのちょっとしたゲームを行って、特別感のあるプレゼントを用意すれば、さらなる盛り上がりが期待できます。また、クリスマスにちなんだ食事メニューやおやつを提供するのもおすすめです。こうした特別感のあるイベントでは、利用者にめいっぱい楽しんでもらうことに注力しましょう。 |
1月:お正月 |
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新しい年を迎えて、「今年も頑張ろう」と気持ちを新たにする1月。レクリエーションでは、羽子板や福笑いなどお正月にちなんだものが人気です。利用者全員で去年の振り返りや今年の抱負を発表し合う時間を設けるのも良いでしょう。 |
2月:節分・バレンタイン |
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2月には、節分(3日)とバレンタインデー(14日)という2つの大きな行事があります。節分には、施設の職員が鬼にふんして利用者全員で豆まきを楽しみましょう。節分で使う豆を箸でつかみ、別皿に移動させるといったゲームも、手先の機能訓練になるのでおすすめです。 バレンタインデーには、チョコレート作りを体験してもらい、できあがったチョコレートを利用者同士で贈り合うレクリエーションがおすすめです。高齢者のなかには、バレンタインデーになじみのない人もいるため、由来を分かりやすく説明した上でレクリエーションを行うと、興味を持ってもらいやすくなるでしょう。 |
まとめ
多くの高齢者施設では、定期的に開催するレクリエーションに季節のイベントや行事を取り入れています。レクリエーションに季節の行事を取り入れることは、単調になりがちがな高齢者の生活に彩りを加えたり、自由に外出できない人に季節の移り変わりを実感してもらったりすることにもつながるので、積極的に取り入れていきましょう。
3月はひな祭り、8月は夏祭り、12月はクリスマスなど、季節によってさまざまなイベント、行事がありますが、利用者が楽しめるだけでなく、何らかの学びや機能訓練につながるようなレクリエーションを実施するのがおすすめです。また、すべての利用者が楽しめるように、常に施設の職員がサポートすることも重要です。
「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍するスタッフに向けて、日々有益な情報を発信しています。季節ごとの詳しいレクリエーションアイデアも他記事にて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています
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