【2月】高齢者向けおすすめレクリエーションと盛り上げるポイント
2月になるとお正月気分も抜け、施設内は通常の落ち着きを取り戻すことでしょう。一方で、「2月は1月に比べるとイベントが少ない」と感じ、レクリエーションのアイデアが浮かばずに悩む人もいるかもしれません。
でも実は、2月は記念日が多い月。そこからヒントを得れば、節分の豆まき以外にも季節感があって、みんなで盛り上がれるレクリエーションが実施できます。また、同じ豆まきでも、方法を変えることで例年とは違う楽しさを味わってもらえるでしょう。
そこで今回は、2月におすすめの高齢者向けレクリエーションと、盛り上げるためのポイントについて解説します。
1.2月はどんな月?レクリエーション実施の注意点も
2月は和風月名で如月(きさらぎ)と呼ばれますが、まだ寒さが厳しく、衣を更に重ねて着る月であることから、「衣更着」という別名もあります。また、2月8日を「農作業が始まる日」という意味で「事始め」とする地域もあり、そうした地域では餅をついて神様に供えたり、里芋やごぼう、大根、にんじんなどを入れたお事汁というみそ汁を食べる風習が残っています。
「衣更着」の呼び名が示す通り、2月は寒さが厳しいため、部屋の中で動かずにいたいと思う高齢者も多いでしょう。しかし、寒いからといって運動をしないでいると、筋肉量が減少し、身体機能を低下させてしまうことになりかねません。2月のレクリエーションでも適度に運動する機会を設けましょう。
とはいえ、冬は寒さが原因で血管が収縮し、血圧も上昇しやすくなる時期。心臓への負担が大きくなるため、運動レクリエーションを行う際は温度変化に注意が必要です。できるだけ温度の変化が少なくなるように、屋内で運動したり、外出する場合は昼間の暖かい時間を選んだりしましょう。体を冷やさないように汗を拭くことや、脱水を防ぐためにこまめに水分補給することも必要です。
2.【2月の行事別】高齢者向けレクリエーションと盛り上げ方
みなさんのなかには、「2月はあまりイベントがないから、レクレーションを考えるのが大変」と思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、2月にはさまざまな記念日があり、レクリエーションの素材も豊富にあります。
以下では、2月におすすめの高齢者向けレクリエーション8つを紹介します。それぞれの盛り上げ方のヒントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
節分|地方ごとの風習の違い
「節分」は季節を分けるという意味で、本来は年に4回あります(立春、立夏、立秋、立冬の前日はすべて節分です)。しかし、旧暦では立春が1年の始まりであることから、2月の節分がとくに重要とされ、立春の前日が節分行事として定着しました。節分は2月3日だと記憶している人も多いと思いますが、実は日付は固定されておらず、年によって変動します。たとえば、2021年は2月2日が節分でした。
節分の風習は地域によって特徴があり、「鬼は外」ではなく「鬼は内」という地域や、大豆ではなく落花生をまく地域、焼いたいわしの頭を柊の枝に刺して飾る地域などさまざまです。そのため、利用者の節分の思い出も、生まれ育った地域によって異なるはず。レクリエーションの際に節分の思い出について話してもらうと、一層盛り上がるでしょう。地域ごとの風習をクイズ形式で出題するのもおすすめです。
節分|恵方巻作り
節分に恵方巻を食べる風習は、大阪で商売繁盛を祈願して始まったという説が有力で、巻き寿司をその年の「恵方」とされる方角を向いて食べると、縁起が良いと伝えられています。
恵方巻で定番の具材は、穴子やうなぎ、きゅうり、かんぴょう、えび、しいたけなどです。七福神にちなんで7種類の具材を入れる場合もあります。きゅうりは「九の利を得る」という意味につながり、細くて長いかんぴょうは「長寿祈願」につながるなど、具材にもいろいろな意味があるため、調理レクリエーションとして恵方巻を作れば、調理工程を楽しむだけでなくさまざまな話題が広がるでしょう。
恵方巻を食べる際には、目を閉じて願い事をしながら無言で食べるルールになっています。利用者が実行しやすいルールを決めてから全員で食べ始めると、節分レクリエーションがさらに盛り上がるでしょう。
恵方巻は本来、一本まるかじりするものとされていますが、高齢者用に食べやすく切るなど、誤嚥には十分に注意しましょう。
節分|豆まき
豆や米には霊力が宿るとされており、節分の豆まきには邪気を払い、無病息災を願う意図があります。また、昔から季節の変わり目には邪気が生じやすくなるといわれるため、「魔を滅する」という意味で、豆をまくようになったという説もあります。
節分の日には、毎年豆まきをするという施設もあるでしょう。鬼のお面をかぶった職員をめがけて豆を投げる以外にも、豆まきの方法はいろいろ考えられます。たとえば、鬼のイラストを的にした的当てゲームもその一つ。鬼の色を変えたり、大きさを変えたりしてそれぞれに点数をつけ、得点を競い合うとレクリエーションが盛り上がるでしょう。
鬼にふんした職員が頭上にかごを乗せ、そこにボールを投げ入れる玉入れゲーム形式の豆まきも、チーム対抗戦ができて団結する楽しさを味わえます。
バレンタインデー
バレンタインというのは、3世紀頃のローマに実在したキリスト教の司祭の名前です。当時のローマでは、兵士たちの勇敢さを維持するために結婚が禁止されていました。しかし、バレンタインは若い兵士をかくまい、内密に結婚式を行ったために、2月14日に処刑されてしまいます。そのため、恋人たちのために尽力し処刑されたバレンタインに祈りを捧げる日として、2月14日がバレンタインデーになったのだそうです。
高齢者の中には、バレンタインデーになじみのない人もいます。バレンタインデーをテーマにしたレクリエーションを行う際は、由来などを分かりやすく説明すると興味を持ってもらえるでしょう。調理レクリエーションでチョコレート作りを体験してもらい、利用者同士で贈り合ったり、バレンタイン司祭に思いを馳せながらみんなで味わったりするのもおすすめです。
立春
立春は二十四節気の最初で、春の始まりを意味します。二十四節気は、太陽の動きに合わせて1年間を24等分するため、立春の日付は固定されていません。
ご存じのとおりひな祭りは3月3日ですが、ひな人形の飾り付けは立春から2月中旬ごろまでに済ませるのが良いとされています。そうした風習にちなんで、桃の節句を待ちわびながら、紙コップなどで手作りのひな人形を製作するのもよいでしょう。
また、豆腐は邪気を払い身を清めるとされるため、立春に食べると縁起が良いといわれています。調理レクリエーションに豆腐を使った料理を作るのも一案です。
歌舞伎の日
2月20日は歌舞伎の日。歌舞伎の創始者といわれる出雲阿国(いずものおくに)という女性が、江戸城内で徳川家康に初めて歌舞伎踊りを披露した日にちなんだ記念日です。
歌舞伎の演目を実際に見た経験がある人は少ないかもしれませんが、歌舞伎から発生した言葉は日常生活でもひんぱんに使われています。たとえば「二枚目」は、歌舞伎で美男子や色男の役柄を指す言葉であり、「三枚目」は滑稽な人やお笑い担当の人を指す言葉です。また、得意なことを意味する「十八番」という言葉も歌舞伎から発生しました。
歌舞伎の日にちなんだレクリエーションでは、この日の由来とともに、歌舞伎から発生した言葉などを雑学クイズにして出題すると楽しさを感じてもらえるでしょう。出雲阿国のように利用者自身の十八番として、歌や踊りを披露してもらうのも良いアイデアです。
猫の日
2月22日は、「ニャンニャンニャン」の語呂合わせで猫の日とされています。猫や犬などの動物には人を癒す力があるといわれ、アニマルセラピーは介護の現場でも活用されています。そのため、実際に触れ合うことができなくとも、猫の写真や絵を見るだけで心がなごむという人もいるでしょう。
猫の日のレクリエーションでは、猫をモチーフにした工作をしたり、絵を描いたりするのがおすすめです。「黒猫のタンゴ」「雪やこんこ」などの猫が出てくる歌を歌うのもよいでしょう。
うるう年
太陽暦では、地球が太陽の周りを1周する時間を1年と考え、1年は365日とされます。しかし、1周にかかる時間はちょうど365日ではないため、誤差を調整する目的で4年に1度、1年が366日になります。そうやって、平年よりも1日増えた分を2月の最終日に据えた年が「うるう年」です。
うるう年といえば、パラ五輪を思い浮かべる人もいるでしょう。厳密には、うるう年にならないオリンピックイヤーも存在しますが、4年に1度しかない特別な年にちなみ、レクリエーションでオリンピックを開催するのも良いでしょう。
たとえば、ボッチャはパラリンピック公式種目で、高齢者施設でも実施しやすい競技です(赤または青の球を投げたり、転がしたりして、目標球と呼ばれる白い球にいかに近づけるかを競います)。試合には駆け引きの要素もあるため、参加者も観覧者も一緒になって盛り上がれるでしょう。ボールはお手玉で代用でき、準備の手間が少ない点もおすすめの理由の一つです。
まとめ
2月は立春があり、暦の上では春となります。実際にはまだ寒い日が多く、動くことが面倒に感じる時期でもありますが、利用者の身体機能を低下させないように、レクリエーションには適度な運動を取り入れましょう。2月のレクリエーションでは、節分に関するもののほか、バレンタインデーや歌舞伎の日、猫の日にちなんだ企画が行えます。うるう年には、特別感のあるイベントを企画すると盛り上がるでしょう。
「介護のみらいラボ」では、介護現場で働く人に有益な情報を掲載しています。レクリエーションのヒントも充実しているため、レクリエーションに悩んだ際などは、ぜひ「介護のみらいラボ」をご利用ください。
※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています
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