毎日の表情筋トレーニングで、もっとすてきな笑顔に!
構成・文/介護のみらいラボ編集部介護士のみなさんのなかには、「利用者と接するときは、いつも笑顔でいることを心がけています」という方も少なくないのではないでしょうか。笑顔はスムーズなコミュニケーションに欠かせない要素。そうした意識を持つことは、とても大事です。でも、その一方で「コロナ禍でマスク生活が続いたせいか、思うように表情がつくれなくなった」と感じている人が増えているのも事実。
思うように表情がつくれなくなった理由のひとつとして考えられるのが、"顔の運動不足"からくる表情筋の衰えです。そこで今回は、パーソナルトレーナーの柳本絵美先生に、すてきな笑顔をつくるための「表情筋トレーニング」について教えていただきました。
「笑顔」の力が利用者に安心感を与える
日々、たくさんの利用者やそのご家族と向き合い、しっかりとコミュニケーションをとることが求められる介護士の仕事。だからこそ、利用者やご家族の状況、生活スタイル、性格などを理解したうえで、細やかな声がけや会話を積み重ねていきたいものです。
でも、利用者やご家族と意思の疎通をはかるために大事なのは、「言葉」のやりとりだけではありません。そう、「表情」や「身振り」「行動」といった言語以外でのコミュニケーションも、意思の疎通には欠かせない要素なのです。そのなかでも、特に意識したいのは「笑顔」。たとえ会話がない場面でも、利用者やご家族と笑顔で接することを心がければ、さまざまなメリットにつながるはずです。
笑顔のメリット1 コミュニケーションが円滑になる
笑顔のメリット1 コミュニケーションが円滑になる 自然でやさしい笑顔は、体調不良や今後に対する悩み、不安を抱えている利用者にとって何よりの安心感となり、より良い信頼関係を生むきっかけとなります。そして、利用者やご家族の安心感、信頼感が得られれば、その後のコミュニケーションがとてもスムーズになるにちがいありません。
介護の現場には、伝えたいことをうまく表現できない利用者や、「こんなことでみんなの手をわずらわせたくない」と遠慮してしまう利用者も決して少なくないもの。「笑顔」の力で、普段から緊密なコミュニケーションをとり、適切な対応につなげていきましょう。
笑顔のメリット2 自分自身もポジティブになれる
心理学の世界には「表情が感情をつくる」という説(「表情フィードバック仮説」と呼ばれています)があり、落ち込んでいるときやイライラしているときに、あえて笑顔をつくることで、気分が持ち直したり、幸福感が得られたりする可能性があるといわれています。まさに「笑う門には福来たる」ですね。
また、笑顔にはストレスを軽減させたり、免疫力をアップさせたりする効果もあるそう。つまり、いつも笑顔でいることは、自分自身にもとっても非常に有益なことなのです。
すてきな笑顔をつくる表情筋トレーニング
ここまで、笑顔の大切さについて説明してきましたが、なかには「表情をつくるのが苦手」「笑っているつもりなのに、相手に伝わらないことがある」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
すてきな笑顔をつくるうえで、ポイントとなるのは「表情筋」です。表情筋というのは、口や目、鼻、眉などのさまざまな部位を動かし、表情をつくり出す筋肉のこと。目のまわりの前頭筋や眼輪筋、鼻のまわりの鼻筋、口のまわりの口輪筋などがそれにあたります。そして、「笑顔が苦手」という人は、表情筋があまり鍛えられていない可能性があります。
加えて、ここ数年のマスク生活で、口のまわりの筋肉を動かす機会が激減し、その傾向がより顕著になっているかもしれません。表情筋は使わないと衰えてしまうため、あまり動かさないでいると、口角がきれいに上がらなくなる原因にも......。結果、無表情や老け顔(たるみやしわ)につながってしまうので、注意しましょう。
マスクで口元が隠れているときは、目元の印象も大切です。目のまわりやおでこ付近の表情筋が衰えてくると、目元がゆるみにくくなって、不自然な笑顔になったり、笑っているのに笑顔にみえなかったりするもの。そうならないためにも、普段から表情筋を鍛えておくことが大切です。
とはいえ、"表情筋を鍛える方法"というのは、あまり教わる機会がありませんよね。そこで、ここからはパーソナルトレーナーの柳本絵美先生に、気軽にできて効果抜群の「表情筋トレーニング」を教えていただくことにしましょう。
「今回取り上げる表情筋トレーニングは、口を動かしたり、口角やおでこのまわりをマッサージしたりするだけの簡単なもの。道具は一切必要ありません。でも、効果は抜群で、これまで以上にすてきな笑顔になること確実ですよ! 加えて、しわやたるみの改善も期待できます」と柳本先生。「朝出かける前に表情筋トレーニングを行えば、1日を明るい気持ちでスタートできるはずです」とのアドバイスもいただいたので、ぜひ毎日の習慣にしてください。
トレーニング1 スマイルエクササイズ
まずは、笑顔の3大基本形ともいえる「ほほえみ」「スマイル」「ビッグスマイル」を使ったトレーニングから。下記のメニューを5セット繰り返しますが、5セット目には口のまわりがあたたまり、笑顔をつくりやすくなります。なお、最初のうちは鏡の前で行い、口角がしっかり上がっているか、口角の上がり方に左右差がないかをチェックしながら取り組むことが重要です。
POINT
姿勢を正して、あごを軽く引いた状態で行いましょう。
③のビッグスマイルをつくるときは、下の歯を見せようとして口角が下がらないよう注意しましょう。口角を上手に上げられない場合は、指で口角を上げながらやってみてください。
トレーニング2 いーうーエクササイズ
スマイルエクササイズを実践してみて、「口角の上がり方が左右で違う」「思い切り口角を上げると、口のまわりの筋肉がピクピクする」と感じた方は、口まわりの表情筋をあまり使えていないかもしれません。次に紹介する「いーうーエクササイズ」で入念に鍛えましょう。
POINT
①は、口角を横に思い切り引くのがポイント。ただし、口角が下がったり、奥歯をかみしめたりするのはNGです。②は、唇をできるだけ前に突き出しましょう。
慣れてきたら声を出さずに行ってもOK。マスクをしたままでも行えます。
マッサージでトレーニングの効果をアップ!
表情筋トレーニングでは、動かして鍛えるだけでなく、マッサージで"ほぐす"ことも大切です。ほぐすことで表情筋が動かしやすくなり、「スマイルエクササイズ」や「いーうーエクササイズ」の効果がアップするので、笑顔がさらに輝きますよ! マッサージにはリラックス効果もあるので、休憩のときやお風呂あがりなどに行うのもおすすめです。
マッサージ1 口角ほぐし
マスクで口元が隠れているせいか、口まわりの筋肉がこわばっている方が増えています。やさしくマッサージしてこわばりをほぐすと口角が上がりやすくなり、笑顔に自信が持てるようになります。
POINT
洗顔のついでに行うと習慣化しやすくなります。日中にマスクの上から行うのもおすすめ。小鼻から口角に向かって伸びる「ほうれい線」、口角の下に現れる「マリオネットライン」の予防効果も期待できます!
マッサージ2 ねこの手おでこほぐし
おでこや目のまわりの表情筋がこっていると、笑っても目元がゆるみにくく、笑顔であることが相手に伝わりにくくなります。また、上のまぶたが重く下がり、目元の印象もぼやけがち。そうならないためにも、「ねこの手おでこほぐし」でしっかりほぐしましょう。おでこのしわやたるみの改善も期待できますよ。
POINT
テレビや動画を見ながら行ってもOKです。1セットだけでも十分ですが、3セットほど行うとより効果的。手が疲れる場合は、テーブルにひじをついて行ったり、椅子に座って上体を前に倒し、ひじをひざについて行ったりしてもかまいません。ただし、おでこをこすったり、かける圧が強すぎたりするとしわの原因になるので注意してくださいね。
まとめ
「コツコツ継続すれば、自分史上最高の笑顔が手に入るはず。マスクなしで生活できるようになったとき、『笑顔がすてきになったね』といわれるように、がんばりましょう!」とは、柳本先生からのメッセージです。表情筋トレーニングですてきな笑顔を手に入れて、利用者の安心感、信頼感につなげていってください。
取材・文/小川裕子
プロフィール
柳本絵美(やなぎもと えみ)
タレント、モデルとして活動するなか、ストレスから体重が増えたのをきっかけにトレーニングをスタート。現在は、トレーニングスタジオ「LOWMEL」(ローメル)の代表トレーナーとして、理想のからだをつくり、人生を豊かにするためのサポートを行う。
https://lowmel.jp/
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