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仕事・スキル 介護士の常識 2022/07/06

要介護認定とは?基準・要支援と要介護の違い・区分ごとの特徴も解説!

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公的介護保険サービスを受けるためには、要介護認定が必要です。要介護認定は公的介護保険サービスを受けるための条件になるだけでなく、どの度合い(レベル)の介護サービスが必要かを表す基準にもなります。

当記事では、要介護認定の概要から、要支援状態と要介護状態の違い、要介護認定の分類や認定基準の詳細、分類ごとの利用可能な介護保険サービスまでを徹底的に解説します。要介護認定の知識をきちんと身に付けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.要介護認定とは?

要介護認定とは、個人の「介護を必要とする度合い(レベル)を数値化したもの」です。要介護認定における介護の度合いは全部で7段階あり、「要支援1〜2」と「要介護1~5」に分けられています。

介護保険制度では、介護を必要とする状態、あるいは日常生活で何らかの支援を必要とする状態になった場合、さまざまな介護保険サービスを1~3割の自己負担で利用することが可能です。ただし、介護保険サービスを利用するためには、要介護認定を受けていることが条件となります。

(出典:厚生労働省「参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み」

要支援状態と要介護状態の違い

前述の通り、要介護認定には要支援・要介護という2種類の認定があります。

要支援 要介護
分類 要支援1〜2 要介護1〜5
主な利用サービス 介護予防サービス、生活支援サービス 介護サービス

要支援状態は、「基本的な日常生活動作は一人で行うことができるが、部分的な支援が必要な状態、もしくは要介護状態を予防するために何らかの支援を必要とする状態」を指します。要支援認定を受けた人は、主に介護予防サービス、生活支援サービスを受けることができます。

一方で、要介護状態は「基本的な日常生活動作を一人で行うことが困難であり、何らかの支援を必要とする状態」を指します。要介護認定を受けた人は、主に老人ホームや訪問介護事業所などによる介護サービスを受けることができます。

要介護認定の実施方法

介護保険サービスを受けるには、市区町村または地域包括支援センターの窓口に相談し、要介護認定の申請を行う必要があります。審査判定は原則として、コンピュータによる一次判定と、介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門家で組織)による二次判定の2段階で行われます。なお、一次判定の前には介護認定調査員による訪問調査が実施されます。

一次判定では、介護認定調査員による訪問調査結果と主治医が提出した意見書の内容を、「1分間タイムスタディ・データ※」と呼ばれるコンピュータの推計システムを用いて分析します。

※介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院している約3,500人の高齢者が、48時間にわたってどのような介護サービスがどれくらいの時間行われたかをデータ化した推計システム

二次判定では、保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成された認定審査会が会議を行い、判定を決定します。その際、一次判定の結果や主治医の意見書、訪問調査時の特記事項にもとづいて、最終的な要介護度を判断することになります。

なお、要介護認定の結果には有効期間があります。継続して介護サービスを利用したい場合は、必ず更新手続きを行いましょう。継続期間中に心身の状態に変化があった場合は、市区町村または地域包括支援センター窓口で区分変更申請を行うことも可能です。

(出典:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」

2.要介護認定の分類・認定基準の詳細

2021年12月時点において、全国の要介護(要支援)認定者数は下記の通りとなっています。

要介護(要支援)認定者数
690.6万人
(うち男性219.4万人/女性471.2万人)

(出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告の概要(令和3年12月暫定版)」

上記を見ると要介護(要支援)認定者は非常に多くいることが分かりますが、要介護認定における介護の度合いは7段階あるため、すべての人が一人で日常生活を送ることが困難な状態になっているわけではありません。

また要介護認定の基準は、介護の手間(その人の介護にどのくらいの手間がかかるか?)を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間」によって決まっています。

要介護認定等基準時間の分類
(1)直接生活介助(食事・排せつ・入浴など)
(2)間接生活介助(洗濯・掃除など)
(3)問題行為関連行為(徘徊など)
(4)機能訓練関連行為(歩行訓練・日常生活訓練など)
(5)医療関連行為(褥瘡処置・輸液管理などの診療補助)

ここからは、要支援の2分類と要介護の5分類に分けて、それぞれの認定基準を詳しく説明します。

要支援の2分類

要支援は、要支援1〜2に区分されていますが、いずれも「基本的には1人で生活できる」とみなされるため、介護サービスは受けられません。利用できるサービスは、介護予防サービスや生活支援サービスのみとなっています。

下記は、要支援1・要支援2の認定基準です。

認定基準 要介護認定等基準時間
要支援1 ほとんどの日常生活動作をすべて自分一人で行うことができるが、労力が必要となる一部の掃除や家事は一人で行えない状態 25分以上32分未満またはこれに相当する状態
要支援2 要支援1の状態と比較すると、自分一人で行えることが少なくなり、一部の介護が必要になっている状態 5分以上32分未満またはこれに相当する状態

(出典:厚生労働省「参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み」

具体的にいうと、食事や排せつなどは自分で行えるものの、何らかの理由で掃除を一人で行うことができないという場合は要支援1、入浴時に自分で背中を洗えなかったり、片足を上げて浴槽をまたげなかったりする場合は要支援2となります。

要介護の5分類

要介護は、要介護1〜5に区分されています。要介護状態となると、身体機能および認知機能の低下が見られ、一人で日常生活を送ることが困難とみなされます。そのため、介護サービス全般を受けることが可能です。

認定基準 要介護認定等基準時間
要介護1 手段的日常生活動作(IADL)が低下し、部分的な介護が必要となっている状態 32分以上50分未満またはこれに相当する状態
要介護2 日常生活動作(ADL)においても部分的な介護が必要となっている状態 50分以上70分未満またはこれに相当する状態
要介護3 日常生活動作(ADL)・手段的日常生活動作(IADL)のいずれも著しく低下し、全面的な介護が必要となっている状態 70分以上90分未満またはこれに相当する状態
要介護4 動作能力が低下し、介護がなければ日常生活を送ることが困難となっている状態 90分以上110分未満またはこれに相当する状態
要介護5 動作能力がさらに低下し、日常生活を送るためには介護が必要不可欠となっている状態 110分以上またはこれに相当する状態

(出典:厚生労働省「参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み」

要介護1は部分的に介護が必要な状態を指し、要介護5はいわゆる「寝たきり」の状態を指します。度合いが高くなるほど、区分支給限度基準額やサービス利用回数は増加します。

3.要介護認定の分類によって利用できる介護保険サービスが異なる

前述の通り、要介護認定の分類によって利用できる介護保険サービスの種類や頻度は異なることを覚えておきましょう。要介護認定の分類別における利用可能な介護保険サービス・利用頻度を、下記に説明します。

要支援1〜2 要介護1〜5
訪問介護/訪問看護
デイサービス/デイケア
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ×
特別養護老人ホーム ×
(要介護3から利用可能)
認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)

(要支援2から利用可能)

(参考:公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」

介護予防サービスしか受けられない要支援認定者は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や特別養護老人ホームを利用することができません。また要介護認定者であっても、介護サービスによって要介護の度合いに関する規定があることも覚えておきましょう。

介護保険の支給限度基準額も異なる

要支援1〜2、要介護1~5の分類によって、介護予防サービス、介護保険サービスの利用による介護保険の支給限度基準額も異なります。要介護の分類による支給限度額は、下記の通りです。

分類 支給限度基準額
要支援1 50,320円/月
要支援2 105,310円/月
要介護1 167,650円/月
要介護2 197,050円/月
要介護3 270,480円/月
要介護4 309,380円/月
要介護5 362,170円/月

(出典:公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」

なお、実際の支給限度基準額は金額ではなく単位制(1単位あたり10円)となっており、要支援1は5,032単位、要介護1なら16,765単位です。支給限度基準額を超えて介護予防サービス、介護サービスを利用することも可能ですが、超過分の費用はすべて利用者の自己負担となります。

まとめ

要介護認定とは、個人の「介護の必要度を数値化したもの」です。要介護認定を受けた人は公的介護保険サービスを利用できるだけでなく、適切な度合い(レベル)の介護サービスを受けることができます。

要介護認定は、要支援1〜2と要介護1~5の7段階に分けられており、それぞれ認定基準や利用可能な介護サービス、利用頻度、支給限度基準額が異なることを覚えておきましょう。

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※当記事は2022年4月時点の情報をもとに作成しています

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