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仕事・スキル 介護士の常識 2021/11/26

#介護職お役立ち

介護食の種類4つ|食事を楽しんでもらうポイントも紹介

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令和3年8月1日から、介護保険施設における食費・居住費・高額介護サービス費の負担限度額が見直され、負担能力に応じて負担を求められるようになりました。負担限度額の見直しを受けて、改めてサービスのあり方に興味を持つ人もいるでしょう。

(出典:厚生労働省「介護保険施設における食費・居住費と高額介護サービス費の負担限度額が8月1日から変わります」

食事は人が生きる上で欠かせないものであり、同時に日々の生活における楽しみの一つでもあります。しかし、高齢者となって食べる力が衰えると、食べられる食材が減ったり食べること自体が面倒になったりして、食事を楽しめなくなってしまう人も珍しくありません。

今回は、高齢者に多く見られる食事の特徴と、介護食の種類・調理時の注意点について解説します。介護食を楽しみながら食べてもらうためのポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

高齢者の食事の特徴とは?

高齢者になると、若い頃とは好む食事の傾向が変化し、食事量も減ります。特に高齢者の食事に現れる特徴が下記の5点です。

  • 同じ料理ばかり選ぶ
  • やわらかい食材ばかり選ぶ
  • 味付けの濃い料理を選ぶ
  • 調味料を使い過ぎる
  • 食事への興味が薄れる

運動量が減り空腹を感じにくくなる他にも、以下の2点が理由で食事の好みが偏ります。

〇硬い食べ物が食べにくくなる
高齢者は、主に3つの理由によって硬い食べ物を好まなくなります。そのため、噛む力や回数が少なくて済む、やわらかくてのどごしのよい食べ物を好む傾向です。

・顎の筋力が落ちて咀嚼力が衰える
・入れ歯の使用によって噛みにくくなる
・のどの筋力が衰えて嚥下力が低下する
〇甘さ・辛さを感じにくくなる
加齢とともに味覚が鈍くなり、料理の味もぼやけたように感じます。甘さや辛さが感じにくいため、濃い味付けの料理を好む・調味料の使用量が増える傾向です。また、嗅覚も衰えるため、料理の匂いから食欲が増進される機会も減少します。

食事の内容が偏ると栄養状態も偏り、身体の調子を崩しかねません。高齢者の食事の好みが偏る理由を理解した上で、適切な栄養を摂取できるような介護食を用意することが大切です。

介護食の種類4つ|調理時の注意点

一口に介護食と言っても、大きく下記4つの種類に分けられます。

  • やわらか食
  • きざみ食
  • ミキサー食
  • ゼリー食

介護職として働く場合は、どのような状態の人にも適切な介護食を提供できるよう、すべての種類について把握しておかなければなりません。

ここでは、介護食の種類と調理時の注意点について解説します。

やわらか食

やわらか食は、歯茎や舌で簡単につぶせる程度の硬さにやわらかく煮込んだり、すりつぶしてペースト状にした食材を再度固めたりした状態の食品です。「軟菜食」「ムース食」「ソフト食」とも呼ばれます。

高齢者の咀嚼力・嚥下力に合わせてやわらかさを調節できる上、通常食とほぼ同じ形状や味に仕上げられることが特徴です。ただし、他の介護食と比べ、調理の手間や時間がかかるというデメリットがあります。

やわらか食が適している人・調理時の注意点は下記のとおりです。

◯やわらか食が適している人
・咀嚼力が弱まっている人
・嚥下力が弱まっている人
◯調理時の注意点
・やわらかさはプリンを目安にする
・脂身のある肉・魚を選ぶ
・ひき肉やすり身はつなぎを使う
・赤身は叩いてやわらかくする・すじ切りする
・骨はすべて取り除く
・野菜は繊維と直角に切る
・野菜の皮はむく
・やわらかくなるまで煮込む

きざみ食

きざみ食は、通常食と同じ食材を2~5mm程度に刻んだ状態の食品です。噛む力は弱まっていても、飲み込む力は保てている人の食事として適しています。

ただし、高齢者の食べる力によっては、きざみ食でも食べにくいことがあるため注意が必要です。噛む力や唾液の量に合わせて食材の大きさを調節したり、とろみ剤を利用したりしましょう。

きざみ食が適している人・調理時の注意点は下記のとおりです。

◯きざみ食が適している人
・咀嚼力が弱まっている人
・嚥下力は保っている人
◯調理時の注意点
・咀嚼力に合わせて食材を刻む大きさを調節する
・唾液の分泌量に合わせて適度なとろみを付ける

ミキサー食

ミキサー食は、一度調理した食材に水分を加えてミキサーで砕き、どろどろのポタージュ状に仕上げた流動食です。やわらか食が食べられないくらい噛む力や飲み込む力が弱まっている人でも、食事の味と香りを楽しむことができます。

ただし、見た目で食欲をそそれず、食感が感じられないために高齢者が「おいしい」と感じにくいことが大きな欠点です。また、液体の粘度が低すぎると、むせや誤嚥のリスクが高まります。水分が加わることによって料理の全体量が増え、一度に食べられる量との兼ね合いで栄養バランスが取りにくくなるため工夫が必要です。

ミキサー食が適している人・調理時の注意点は下記のとおりです。

◯ミキサー食が適している人
・咀嚼力がほとんどない人
・嚥下力が非常に弱い人
◯調理時の注意点
・やわらかさはケチャップを目安にする
・水分を加える際は出汁などを活用する
・適度にとろみを付ける
・ミキサーにかけた後に裏ごしする

ゼリー食

ゼリー食は、ミキサー食にゼラチンや寒天などを加えてゼリー状に固めた食品です。ミキサー食を上手く飲み込めず、むせてしまう人の食事に向いています。

卵豆腐やプリンなどは、そのままゼリー食として食べさせることが可能です。味噌汁やジュースといった液体が飲み込みにくい場合も、ゼリー状にすると誤嚥を起こしにくくなります。

ミキサー食が適している人・調理時の注意点は下記のとおりです。

◯ミキサー食が適している人
・嚥下機能に重度の障害がある人
・むせや誤嚥を起こす心配が高い人
◯調理時の注意点
・べた付かず切れのよいゼリー状にする
・なめらかな舌触りにする

介護食の食事を楽しんでもらうためのポイント3つ

高齢者には、栄養不足にならないためにも、積極的に食事へ臨んでもらわなければなりません。しかし、食べる力の弱まった高齢者に十分な量の食べ物を摂取してもらうためには、ただやみくもに食事を提供するだけでは不十分です。

各地域では、高齢者に介護食を楽しんでもらうため、「食支援」のサービスに取り組んでいます。

(出典:厚生労働省「在宅高齢者の口から食べる楽しみの支援の在り方に関する調査研究事業 報告書」

ここからは、介護職を「おいしく」「楽しく」食べてもらうための方法を3つ紹介します。

味だけでなく見た目も重視する

介護食は、「食べやすさ」を重視して調理された食事です。そのため、通常の食事と比べると見た目の美しさや味のよさで劣ることは否めません。ミキサー食など料理の原型を留めていない料理は「自分が何を食べているか」がわかりにくいため、高齢者にとって不安を抱きやすくなります。

また、食事は「味がおいしい」だけでなく、高齢者本人の「好みの味」であることも重要です。介護食である以上多少味付けが限定されるものの、できるだけ本人の好みや記憶に寄せられるよう工夫しましょう。

下記は、介護食でも食欲をそそりやすくするためのポイントです。

  • 出汁などを活用し「うまみ」で満足してもらえるようにする
  • 料理の彩りを華やかにする
  • 型抜きを使って見た目を整える
  • 盛り付ける食器の種類を豊かにする
  • お品書きを用いるなど、食べているメニューが理解できるようにする

姿勢を整える

食事中の姿勢を整えることで、誤嚥の可能性を下げることができます。下記は、椅子とテーブルを使って食事する場合と、ベッドの上で食事する場合で正しい姿勢を取ってもらうために介助するポイントです。

【椅子とテーブルの場合】

  • 座面の奥まで腰かけた状態でしっかりと床を踏みしめられる高さにする
  • 膝が90度の状態となる
  • テーブルとお腹の間に拳1個分の余裕を設ける
  • テーブルは、軽く前傾姿勢を取り肘を90度に曲げてちょうど腕が乗る高さにする

【ベッドの場合】

  • リクライニングの角度が45~80度の間で高齢者にとって最も楽な角度に調整する
  • リクライニングが曲がる部分にお尻が嵌るようにする
  • 膝を軽く曲げられるように足側も上げる・クッションを挟む
  • 頭に枕やクッションをあて、顎を軽く引けるようにする

食事に集中できる環境を用意する

食事から気が逸れると、飲み込む際にむせたり誤嚥したりするリスクが高くなります。テレビやラジオなどは食事を始める前に消すことが大切です。

また、部屋が暗く料理がよく見えなければ食欲もわきにくくなります。部屋の明るさを調節して料理をおいしく見せるなど、食事に集中できる環境を用意することが重要です。

まとめ

加齢によって食べる力や味を感じる力が衰えると、食事の好みが偏ったり食事量が減ったりします。また、硬い物が食べられなくなるため、食事の楽しみを保ちつつ必要な栄養を摂取できるよう、高齢者のレベルに合わせた介護食を提供することが大切です。

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