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仕事・スキル 介護士の常識 2024/08/27

#介護職向け歳時記#秋

10月の行事や記念日一覧|お祝いに合った行事食も紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumb.jpg

10月は気候がよく夜の時間も長いことから、スポーツや読書を楽しむのにぴったりです。空気が澄んで爽やかな気候となるため、イベントや行事にも最適な時期と言えるでしょう。また、さつまいもやぶどう、柿といった秋の味覚も多く出まわるので、施設の食事やおやつに取り入れて、利用者さんに季節感を楽しんでもらうのもおすすめです。

この記事では、10月の行事や行事食について詳しく解説します。10月のイベントやレクリエーション、行事食に悩んでいる介護職の方は、ぜひ参考にしてください。

1.10月の行事・記念日一覧

10月の行事・記念日カレンダー

10月は和風月名で「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。神無月の「無」は「ない」という意味ではなく、助詞の「の」を意味するもので、旧暦の10月は農作物の実りを神に感謝する月だったため、「神の月」という呼び名になりました。

一方で、この時期は出雲大社に全国の神が集まり、出雲以外の国から神がいなくなるため「神無月」と名付けられたとの俗説も存在します。俗説とはいえ、この説は平安時代に創作され、以来長く語り継がれています。

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた二十四節気(にじゅうしせっき)において、10月は秋に分類され、10月8日頃は「寒露(かんろ)」、10月24日頃は「霜降(そうこう)」と呼ばれます。ちなみに、寒露は夜が長く露が冷たくなる時期を指し、霜降は寒い地域では霜が降り始めるという意味です。

10月の誕生花はバラで、花言葉は「美」「愛」です。バラは日中と夜間の寒暖差があるほど色が濃くなる性質があり、寒さが強くなり始める10月頃のバラは、特に発色が美しいと言われます。

こちらの記事では、10月の代表的な行事や記念日について、それぞれの由来や風習、過ごし方などを紹介します。

衣替え:10月1日

衣替えとは、季節の変わり目にそれぞれの気候にあった衣服に着替える慣習です。もともとは中国の宮廷で行われていたもので、日本には平安時代に伝わり、その後宮中行事として定着しました。

日本で衣替えの日が定められたのは、洋服文化が広がり役人が制服を着るようになった明治時代と言われています。暦が新暦になったのをきっかけに正式に日程が定められ、役所や学校など制服がある組織に浸透していきました。

衣替えは一般的に、夏は6月1日、冬は10月1日とされています。ただし、地域によって気候が異なるため、それぞれの組織が独自に衣替えの日を定めているケースも珍しくありません。

スポーツの日:10月の第2月曜日

スポーツの日は、かつて「体育の日」として親しまれていました。体育の日は、1964年に東京オリンピックが開催されたことを記念して、1966年に制定された国民の祝日です。東京オリンピックの開会式が10月10日であったことから、体育の日はその日に固定されていましたが、2000年からは10月の第2月曜日に変更になっています。

体育の日の名称がスポーツの日になったのは、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピックがきっかけでした。以降は、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」という趣旨のもと、全国各地でスポーツに関するイベントが行われています。

なお、スポーツの日に名称が改正されたのは、「体育」という言葉に義務的・教育的なイメージがあるためです。

十三夜:10月下旬

お月見と言えば、旧暦8月15日の「十五夜」が有名ですが、旧暦9月13日の「十三夜」も十五夜に次いで美しい月だと言われています。そのため、日本には古くから十三夜にもお月見をする風習が根付いていました。ちなみに、十五夜が中国から伝わった風習であるのに対し、十三夜は日本で生まれた風習です。

十三夜は新月から数えて13日目にあたり、満月が少し欠けた形が特徴です。十五夜と十三夜のどちらもお月見を楽しむ風習ですが、昔はどちらか一方しか見ないことを「片月見」「片見月」と呼び、縁起が悪いこととされていました。

十五夜と十三夜両方の名月をあわせて「二夜の月(ふたよのつき)」と呼びますが、災いを避けるためにもこの2つはセットで見るのが良いそうです。

ハロウィン:10月31日

ハロウィンは、世界各国で毎年楽しまれている秋のイベントです。日本でも1990年代の終わり頃から、ハロウィンパーティが開かれたり、子どもたちや若者が仮装を楽しんだりする光景が見られるようになりました。

ハロウィンの起源は、古代ケルト民族が行っていた儀式だと言われています。ケルト民族の文化では11月1日が新年の始まりで、10月31日の夜は先祖の霊が家族に会いにくると言い伝えられていました。また、この日はあの世の扉が開いて、悪霊や魔女が町にやってくるとも考えられていました。そのため、人々は悪霊や魔女から身を守るために、仮装をして仲間だと思わせていたのだそうです。

現代ではそうした宗教的な意味合いが薄れ、子どもたちが仮装をして「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)」というフレーズとともに、近所の家を訪問するイベントになっています。

なお、日本ではじめてハロウィンを取り上げたのは、東京・原宿にあるバラエティショップで、1970年代のことでした。とはいえ、その頃はハロウィンの商品を販売したり、販売促進のためのパレードを行ったりする程度で、大がかりな仮装イベントなどはなかったようです。

●関連記事:ハロウィンにおすすめのレクリエーション定番7選

2.10月の行事食

10月の行事食

食欲の秋・収穫の秋と言われるように、10月はおいしい秋の味覚を楽しめる時期です。10月が旬の食材には次のようなものがあります。

・野菜:さつまいも・しいたけ・カブ
・海鮮:サバ・秋鮭・ニシン
・果物:柿・りんご・ぶどう


旬の食材を料理に取り入れると、食卓に季節感が出てテーブルが華やかになりますよ。

また、10月は行事・記念日にちなんだ行事食を楽しむ機会もたくさんあります。以下では、10月の主な行事食を紹介しましょう。

運動会弁当:スポーツの日

行事食とは呼べませんが、スポーツの日の運動会やスポーツイベントなどに、お弁当は欠かせません。体を動かしておなかがすいているなか、みんなで食べるお弁当の味は格別ですよね。

スポーツの日に、運動会やレクリエーション大会を開催する介護施設も多く見られますが、その際は食事を「お弁当スタイル」にするのがおすすめです。さつまいもの甘煮や秋鮭のフライなど、秋の味覚を取り入れたお弁当を提供すれば、きっと利用者さんに喜ばれるはずです。

運動会弁当の定番とも言える玉子焼きやポテトサラダを添えたり、デザートに柿やぶどうを用意したりするのも良いでしょう。

室内で食べる場合は、仕切りがあるランチプレートを使用すると弁当箱に見立てられて便利です。弁当パックなどにつめる場合は、食べるまでに時間がかかるため、食中毒などが起こらないように衛生面に十分注意してください。

栗料理・豆料理:十三夜

十三夜は栗や豆の収穫期にあたります。お月見のお供えにもそうした作物が用いられていたため、十三夜は「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。

お供えした後の栗や豆は調理して食べるのが古くからの風習で、栗は焼き栗や栗ごはん、豆はゆで豆にするのが一般的だったようです。

栗は栄養豊富な食材として知られており、特にビタミンB1やビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。ビタミンB1を摂取すると疲労回復効果が期待できるため、夏の疲れがたまった秋にはおすすめです。また、ビタミンCは抗酸化作用や免疫力アップ、食物繊維は便秘改善に効果があると言われます。

施設で取り入れる場合は食事に使うだけでなく、焼き菓子やケーキといったスイーツにするのも良いでしょう。

一方の豆には、良質なたんぱく質がたっぷり含まれており、筋肉や骨などの体づくりに役立ちます。栗と同じくビタミンB1、ビタミンCが豊富なほか、骨粗しょう症の予防効果やコレステロールを減少させる働きが期待される、イソフラボンも多く含まれています。

かぼちゃ料理:ハロウィン

ハロウィンには、魔除けとして飾る「かぼちゃのランタン」が欠かせませんが、もともとのハロウィンではカブでランタンを作っていたそうです。その後、ケルト民族が移住したことでアメリカにもハロウィンが伝わりますが、アメリカにはカブを食べる習慣がありませんでした。そのため、手に入れやすいかぼちゃが代用されるようになり、かぼちゃのランタンが世界中に広まったのだそうです。

ただし、ハロウィンのランタンに使われるオレンジ色のかぼちゃは食用ではなく、海外にはハロウィンにかぼちゃを食べる風習もありません。つまり、ハロウィンにかぼちゃのスイーツやかぼちゃ料理を食べるのは、日本独自の風習というわけです。

介護施設でハロウィンを楽しむ際は、下記のようなかぼちゃ料理を出すのがおすすめです。

・ポタージュ
・コロッケ
・そぼろ煮
・ソースグラタン


かぼちゃの硬さが残ると、かむ力が弱い利用者さんにとって食べづらい料理になってしまうので、やわらかく煮たりスープやペースト状の料理にしたりといった工夫が必要です。

また、利用者さんのなかには、ハロウィンを知らない方がいる可能性もあります。ハロウィンにちなんだイベントをする際は事前に説明し、みんなで楽しめるようにしましょう。

まとめ

10月には、衣替えやスポーツの日、十三夜、ハロウィンといった行事や記念日があります。スポーツの日には運動会やレクリエーション大会などを開催し、運動会弁当を提供すると利用者さんに喜んでもらえるでしょう。また、10月の行事食には十三夜の栗料理・豆料理、ハロウィンのかぼちゃ料理などがあります。施設の食事やおやつに活用して、利用者さんに秋を感じてもらってはいかがでしょうか。

介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けて有益な情報を提供しています。毎月のイベントや行事食などで悩んでいる介護職の方に向けて、各月の行事情報もお伝えしているので、ぜひ介護のみらいラボを参考にしてください。

●関連記事:秋におすすめの高齢者向けレクリエーション7選

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