介護福祉士向け|公務員になる方法・仕事内容・給料相場を解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
介護に関する高度な知識を持つ介護福祉士は、高齢化社会が進む日本において、重要な役割を担う職業です。実際に、全国各地の介護施設や医療機関などでは、多くの介護福祉士の方が活躍しています。
介護福祉士というと、民間の施設で働くイメージがあると思いますが、実は、自治体が運営する公的な介護施設、医療機関に勤務することを希望する介護福祉士の方も少なくありません。公的な施設に勤務する場合、介護福祉士も公務員の扱いとなります。
当記事では、介護福祉士が公務員を目指す方法や仕事内容、給料相場などを詳しく解説します。
1.介護福祉士が公務員になるには?
介護福祉士の資格取得者は、介護福祉士の資格を生かして、公務員になることも可能です。介護福祉士が公務員になるには、まず国や自治体が実施する公務員採用試験に合格する必要があります。採用試験には、応募条件が設けられていることもあるため、公務員を目指す場合は、国・自治体のホームページなどで詳細を確認するようにしましょう。
公務員の種類と働く場所
介護福祉士が目指せる公務員の種類には、地方公務員と国家公務員の2つがあります。
地方公務員とは、都道府県や市町村といった自治体で働く公務員です。介護福祉士が地方公務員として働く場合は、「福祉職」や「地方公務員上級福祉職」という採用枠があります。
主な勤務先は、自治体や自治体が委託した社会福祉法人などが運営する介護施設や医療機関などです。介護施設には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、ケアハウスなども含まれます。
一方、国家公務員には、「福祉職」というカテゴリーでの採用枠は設けられていません。国家公務員として働く場合の福祉関連職には、国家公務員総合職に含まれる「人間科学区分」や「法務省専門職員(人間科学)」などがあり、受験する採用試験も「国家公務員総合職試験」となります。
ただし、福祉関連職だけでなく、教育職や心理職の希望者も同じ採用試験を受けるため、試験自体はかなりの難関とされています。主な勤務先は厚生労働省・法務省となり、介護の実践スキルを生かせる業務は少ない傾向です。
2.公務員として働く介護福祉士の仕事内容
介護福祉士が公務員として働く場合、「民間施設と仕事内容がどう違うのか?」についてイメージしにくい方もいるでしょう。
公的な介護施設で働く場合は、民間と同様の働き方となるケースが多く見られますが、役所や省庁などで働く場合は、介護福祉士の資格を生かしつつ、公務員ならではの業務に携わることも少なくありません。
以下では、公務員として働く介護福祉士の仕事内容を詳しく解説します。
介護業務
公的な介護施設・障害者施設などで働く場合の主な業務は、高齢者や障害がある方たちの食事、歩行、入浴、排せつといった日常生活の介護や介助です。さらに、レクリエーション・イベントの計画や実施、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフと連携したサポートなども行います。
利用者さんが施設に通所するデイサービスやスタッフが利用者さんの自宅を訪ねる介護訪問などに携わる場合もあります。
一方、病院などの医療機関に勤務する場合、介護をする対象は入院患者さんです。医療機関では、身体の自由がきかない入院患者さんの食事や排泄などの世話をしたり、看護師のサポートを行ったりします。
事務・相談業務
地方公務員になると、各自治体の福祉保健局や福祉局といった部署に配属される場合もあります。部署の名称は自治体によって異なりますが、住民の健康や福祉に関わる業務を担う部署であることが一般的です。
福祉保健局などに配属された介護福祉士は、住民からの介護相談や、行政の福祉サービスを受けるために提出された書類の確認などのデスクワークに携わります。さらに、介護関連の啓蒙活動や介護相談会といったイベントの企画・運営を行うこともあります。
国家公務員の場合は、配属先によって業務が大きく異なるものの、デスクワークが中心です。例えば、「介護福祉専門官」として働く際は、国家試験の運用や介護福祉士の養成、介護福祉士の資質向上策の検討などの業務を担当することになります。
3.公務員の介護福祉士の給料相場は?
公務員の給料は、民間企業の給料、初任給、諸手当、ボーナス、退職金などを調査した上で算出する仕組みとなっており、民間企業の給料と大きな差が出ないように調整されています。
ただし、地方公務員と国家公務員の給料体系は同一ではありません。地方公務員の給料は、各自治体による「給料表」に準じて決まります。また、国家公務員の給料は国が定める「俸給表」に準じています。
厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護業界における常勤職員全体の平均給料は約328,720円、非常勤職員の場合の平均は約155,030円です。
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
一方、地方公務員の福祉職を見ると、令和3年における諸手当込みの平均給料は約340,333円で、諸手当を除いた平均給料は約283,652円となっています。また、国家公務員の福祉職の平均給与は約335,424円です。
(出典:総務省「令和3年地方公務員給与の実態」
(出典:人事院「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」
公務員の平均給料は、介護福祉士全体の平均給料よりもやや高い水準となっています。公務員の給料は、民間企業と比較して特に高いわけではありませんが、景気などによる給料の変動が少なく、福利厚生もしっかりしているため、経済的な安定を得られる点が魅力と言えるでしょう。
4.介護福祉士が公務員として働くメリット・デメリット
どのような仕事にもメリット・デメリットがありますが、介護福祉士が公務員として働く場合も同じです。
介護福祉士が公務員として働く場合の主なメリットは以下の通りです。
公務員として働くメリット
・収入が安定している
・民間企業と比べると給料が高め
・福利厚生が充実している
・年間の休日数が多い
・異動によってスキルアップやキャリアアップを目指せる
前述したように、公務員として働く場合は、景気の良し悪しが給料やボーナス、昇給に影響を及ぼすことが少なく、安定した収入を得られます。公務員は福利厚生が充実しているほか、休日数も多い傾向にあり、その点もメリットと言えるでしょう。休日は基本的に土日祝日となり、土日に出勤したときは、代替休暇を取得できるのが一般的です。
また、公務員には定期的な異動が行われる慣例があります。そのため、異なる配属先でさまざまな業務の知識・スキルを習得することができ、場合によってはキャリアアップを目指すこともできるでしょう。
一方のデメリットは以下の通りです。
公務員として働くデメリット
・公務員試験の競争率が高い
・希望通りに異動できないこともある
・年齢制限を設定している自治体もある
公務員は人気が高く、採用試験の競争率も高い傾向です。募集枠が少ない場合などは、採用のチャンスも限られるでしょう。また、定期的に行われる異動では、必ずしも希望が通るわけではありません。例えば、現場での介護業務を希望していても事務業務に配属されることもあるでしょう。
さらに、30歳程度を上限として年齢制限を設定している自治体もあります。設定されている年齢制限が低いと、民間施設などでキャリアを積んだ転職者などにとっては、デメリットになるでしょう。
5.介護福祉士が公務員の求人を見つける方法
公務員の求人数は、民間施設の求人数と比べると少ない傾向にあるため、積極的に求人を探す必要があります。ここでは、介護福祉士が公務員の求人を見つける方法をいくつか紹介します。
・自治体が運営する介護施設や医療機関などのサイトを活用する
現場で欠員が出たり、新規職員が必要となったりすると、各自治体のサイトが採用情報を掲載します。公的な介護施設や医療機関が求人を出す際は、運営者である自治体のサイトにも採用情報が掲載されます。
自治体や自治体が運営する施設・機関のサイトにおける採用情報は、常時掲載されているわけではなく、必要に応じて掲載されるため、こまめにチェックすることをおすすめします。
・一般の求人情報サイトや介護職に特化した求人情報サイトで検索する
求人情報サイトには、求人案件が出るたびに通知が届くサービスなどもあるため、とても便利です。また、業界に精通したキャリアアドバイザーによる転職サポートサービスなどを利用すれば、よりスムーズな求職活動ができるでしょう。
公務員の仕事は人気があり、競争率も高いため、日頃から情報収集に努めることが大切です。また、同じ実務経験や実務年数の求職者が複数いる場合、より高いスキルを持つ求職者が採用される可能性もあります。希望の仕事に就くためにも、日々新しい知識や技術を習得するように意識しましょう。
まとめ
介護福祉士が公務員になる場合、国家公務員または地方公務員の採用試験に合格する必要があります。採用試験に合格した後、国家公務員は省庁に勤務し、地方公務員は公的な介護施設や医療機関での介護業務、あるいは役所内での介護相談、デスクワークなどに携わります。
公務員の給与は、景気などにあまり影響されることがなく、福利厚生も充実しています。加えて、休日が多い点もメリットと言えるでしょう。ただし、採用枠が狭く競争率が高いため、公務員を目指す方は、日頃から情報収集やスキルアップに努めましょう。
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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています
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