大人数向け高齢者レクリエーション8選|成功させるためのポイントも
介護施設で行われる高齢者レクリエーションには、活動を通して気持ちをリラックスさせたり、身体機能を活性化させたりする目的があります。大人数でも行えるレクリエーションをいくつか準備しておくと、毎日の生活に変化が付けられるので、マンネリ化も防げるでしょう。
大人数で行う高齢者レクリエーションには、ルールが簡単で誰でも参加できる内容のものがおすすめです。
当記事では、大人数向けの高齢者レクリエーションの実例をご紹介します。大人数で行うレクリエーションを成功させるポイントについても解説するので、利用者さんが楽しんで参加できるレクリエーションの企画・実施にお役立てください。
1.大人数で楽しめる高齢者レクリエーションのアイデア8選
下記は、大人数で楽しめる高齢者レクリエーションのアイデア例です。どのレクリエーションも、利用者さん同士の関わりが持てる内容になっているため、利用者さんの達成感や満足感につながりやすいでしょう。
● 都道府県クイズ
● 伝言ゲーム
● 運動会
● コグニサイズ
● ホワイトボードレク
● ビンゴゲーム
● 新聞紙を使ったレク
● 合唱
また、利用者さん同士のコミュニケーションにつながるレクリエーションは、身体機能の向上だけでなく、認知症ケアにも良い影響を与えるとされています。ぜひ現場で活用してください。
都道府県クイズ
都道府県クイズとは、県名の読み方や、県名に使われている漢字の共通点などをクイズ形式で出題するレクリエーションです。例えば、次のようなクイズがあります。
【問題】県名に「山」が入っている都道府県はいくつあるでしょうか。
(1)3つ
(2)4つ
(3)6つ
【正解】(3)6つ
山形、富山、山梨、和歌山、岡山、山口の6つです。
【問題】県名に動物の名前が入っている都道府県を4つ答えましょう。
【正解】群馬、鳥取、熊本、鹿児島
高齢者さんのなかには「クイズはあまり得意じゃない」という方もいるので、難易度別に問題をいくつか準備しておくと良いでしょう。
この他にも、都道府県の特産品に関するクイズや、有名な祭り・イベント、観光スポットなどから都道府県名を当てるクイズを入れても盛り上がるでしょう。難しいクイズには随時ヒントを出すようにすると、参加者全員が楽しめる活動になります。
伝言ゲーム
伝言ゲームは、与えられたお題を伝達していくレクリエーションです。お題を正確に聞き取り、覚えて、伝えるという行為を繰り返すため、脳トレの一種として活用されることもあります。
【伝言ゲームの進め方】
①数人のグループを作ります。
②先頭の人にお題を書いた紙を見せ、覚えたら回収します。
③先頭の人は、次の人にだけ覚えた内容を伝えます。
④「前の人から聞いた内容を正確に次の人に伝える」を繰り返します。
⑤最後の人が、伝えられたお題を発表します。
最後の人までお題が正しく伝わっていれば成功です。失敗しても、「お題が少しずつ変化していくユニークさ」を笑い合えるのが伝言ゲームの良いところです。5人1組程度のグループに分かれた上で、勝敗ではなく達成することを目的に実施しましょう。
運動会
運動会は、大人数だからこそ楽しめるレクリエーションの1つです。季節のイベントとしても盛り上がるので、玉入れや綱引き、リレーなど、おなじみの競技でプログラムを組んで楽しみましょう。種目やチームは、利用者さんの身体状況に合わせて決めるのがおすすめです。
通常のレクリエーションとは違った雰囲気を出すために、飾りつけやメダルを準備するとより印象的な活動になります。
コグニサイズ
コグニサイズは、国立長寿医療研究センターが開発した、認知課題と運動を組み合わせたレクリエーションです。例えば、足踏みしながら数を数えたり、3人1組でしりとりしながら足踏みしたりといった具合に、身体と頭のエクササイズを同時に行います。
立った状態が不安定な場合は椅子に座って行うなど、利用者さんの体調や身体状況に合わせて、転倒に注意しながら行いましょう。
ホワイトボードレク
ホワイトボードレクは、ホワイトボードを使ってクイズやゲームを行うレクリエーションで、視覚的に伝わりやすく、高齢者の方でも集中しやすいのがメリットです。利用者さん同士で相談したり、話し合ったりしながら進められるので、コミュニケーションの促進にも効果的でしょう。
ホワイトボードレクには、あるなしクイズや、福笑い、連想ゲームなど、チームで楽しめる活動が多く見られます。制限時間を設けたり、チーム対抗戦にしたりすると、さらに盛り上がるでしょう。
ビンゴゲーム
ビンゴゲームは、多くの人が知っているレクリエーションの1つです。手持ちのカードから出た数字のマスを抜いていき、タテ、ヨコ、ナナメのいずれかの列がそろえば「ビンゴ」となります。ビンゴゲームは手軽ですが単調になりやすいので、景品の準備がしやすいクリスマス会や季節行事の一貫として取り入れるのがおすすめです。
普段のレクリエーションに取り入れるなら、手持ちのカードにお題を書き込むビンゴゲームはいかがでしょうか。例えば、お題を「くだもの」にした場合、まずは利用者さんに、自分の想像するくだものをビンゴカードのマス目に記入してもらいます。その後、自分の書いたくだものを順に1つずつ発表していき、カードのタテ、ヨコ、ナナメのいずれかが揃えばビンゴとなります。マス目が3×3や5×5などのカードを用意し、利用者さんに合わせて難易度を変えられるように工夫しましょう。
新聞紙を使ったレク
新聞紙は加工しやすいので、工夫次第でさまざまな活動に利用できます。丸めてボールにすれば運動系の活動になり、印刷された文字や写真を活用すれば、あいうえお探しや草冠の漢字探しなどの「テーマ探し」に使うことも可能です。
また、新聞紙は力の弱い高齢者でも扱いやすく、手指を使った製作にも使えるので、目的に合わせてレクリエーションに取り入れましょう。
新聞紙を使ったレクの一部を種類別に一覧にまとめたので、参考にしてください。
種類 | レクリエーション名 |
---|---|
運動系 |
● キャッチボール ● 輪っかリレー ● ホッケー ● お手玉 |
脳トレ系 |
● 文字探し ● 色探し ● 人探し |
製作系 |
● 袋作り ● コサージュづくり |
合唱
高齢者にとって、歌や音楽は共通の話題・思い出につながりやすいテーマです。合唱をレクリエーションに取り入れる際は、誰もが知っている童謡や、季節に合った歌を選ぶようにしましょう。
歌を歌うことでストレスが発散できるほか、童謡で懐かしい思い出が蘇れば、精神的なリラックスにもつながります。また、歌で口を動かすことで、口腔機能向上の効果も期待できるでしょう。
2.大人数での高齢者レクリエーションを成功させるためのポイント
大人数での高齢者レクリエーションを成功させるには、参加する方の多くが楽しめる内容にすることが重要です。加えて、進行を担当する介護スタッフ自身が楽しむことも大切です。
ここからは、大人数での高齢者レクリエーションで押さえるべきポイントを3つご紹介します。
実力差が出にくく、多くの方が楽しめるレクリエーションを選ぶ
高齢者レクリエーションでは、実力差が出にくいものを選びましょう。特に大人数で行う場合は、より多くの利用者さんが楽しめる内容であることが重要です。
例えば、立った状態で行うレクリエーションが難しい利用者さんがいる場合は、座った状態で行えるように工夫しましょう。また、ルールはなるべく簡単でわかりやすいほうが盛り上がります。
レクリエーションを通してコミュニケーションを促す
チームで取り組めるレクリエーションを取り入れると、利用者さん同士のコミュニケーションが活発になります。
認知症の原因の1つに、「他者とのコミュニケーションの減少」が挙げられていることからもわかる通り、コミュニケーションは高齢者にとって大事な活動です。大人数でのレクリエーションでは、積極的にコミュニケーションの機会を創出するようにしましょう。
また、レクリエーションを通して協力したり相談したりすることで、連帯感や達成感も得られます。
レクリエーションで連帯感や達成感が得られると、他の活動にも意欲的に取り組めるようになるでしょう。
安全対策を含む準備をしっかりしておく
大人数での高齢者レクリエーションを行う場合は、安全対策を万全にしておきましょう。身体を大きく動かす場合や、新聞紙のボールや棒を使う場合など、広い場所が必要なレクリエーションでは、環境整備をしっかりと行い事故が起こらないように配慮してください。
また、活動前や活動中の利用者さんの体調の変化にも、注意が必要です。
まとめ
大人数での高齢者レクリエーションは、「日常的なレクリエーション」と「イベント的に行うレクリエーション」とに分けておくと、活動にメリハリが出てマンネリ化を防げます。大人数であることのメリットをうまく利用しつつ、多くの利用者さんが楽しめるように工夫しましょう。
また、介護スタッフのみなさんも一緒に楽しむことを心がけ、その場の全員で盛り上がるのが成功のカギです。
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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています
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