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仕事・スキル 介護施設・職場 2023/12/11

eスポーツの導入でコンテンツのマンネリ化を解消!通所リハビリテーション「デイケアさとやま」の取り組み|気になるあの介護施設

取材・文/タケウチノゾミ 編集/イージーゴー thumbnail_1.jpg

静岡県沼津市にある「デイケアさとやま」では、2023年7月よりeスポーツを導入し、利用者さんやスタッフから高い評価を得ています。eスポーツを導入している施設は珍しいですが、一体どのようにゲームを活用しているのでしょうか。取り組みの内容や利用者さんからの反応について、医療法人友愛会の柳田礼央氏に話を聞いてみました。

1.デイケアさとやまはどんな施設?

ーー「デイケアさとやま」の施設紹介をお願いいたします。

宮崎県に本部を持つ医療法人友愛会が運営する、静岡県沼津市に位置する通所リハビリ施設です。内科・整形外科・リハビリテーション科の「さとやま整形外科内科」と在宅型有料老人ホームの「聖人の家 風のガーデン」に併設した施設で、2017年に開設されました。当施設は半日型のデイサービスで、1日の滞在時間は約3時間です。また、2023年現在の一日あたりのご利用人数は約50人で、主に70代から80代の方にご利用いただいています。

2.eスポーツ導入のきっかけ

ーー施設にeスポーツを導入した経緯を教えてください。

コンテンツのマンネリ化を解消したいと思ったことがきっかけです。当施設では、利用者さんの身体機能向上のためにさまざまな体操や運動を実施していましたが、どのコンテンツもマンネリ化してきてしまっていました。こうして利用者さんのために、何か目新しいコンテンツはないかと模索していた頃のこと。シニア世代におけるeスポーツが話題になっていることや、健康ゲーム指導士という資格があることを知りました。

ちなみに健康ゲーム指導士とは、ゲームを通じて、高齢者の健康寿命や社会参加寿命の延伸を手伝う人材のことです。「eスポーツの導入は高齢者施設における新たなコンテンツになるのでは」との考えから、まずは健康ゲーム指導士の資格取得を施設の職員で目指し、その後eスポーツの導入を決めました。eスポーツの体験会や施設でのイベントの実施などを経て、2023年の7月から本格的な導入を開始しました。

3.初心者でも取り組みやすく、片手でも操作できるゲームを導入

ーー現在はどのようなゲームを導入しているのですか。

2023年現在は、「太鼓の達人」と運転シミュレーションゲームを導入しています。太鼓の達人は、楽曲のリズムにあわせて和太鼓を叩くリズムゲームで、誰でも取り組みやすいゲームです。一方運転シミュレーションゲームは、その名の通り車の運転をするゲームです。ゲームをする際はハンドルを握って操作するため、本当に車を運転しているかのような気分を味わえます。どちらも初心者でも取り組みやすく、片手でも操作できるため、これまでゲームに親しみがなかった方も楽しめるのではと感じ導入しました。

運転シミュレーションゲームを楽しむ利用者さん

運転シミュレーションゲームを楽しむ利用者さん

4.eスポーツに取り組む時間は1日50分

ーー利用者さんは一日のスケジュールの中でどのくらいeスポーツに取り組むのでしょうか。

一日のスケジュールのうち、eスポーツに取り組む時間は50分間です。施設の滞在時間中ずっとゲームを続けるのは難しいうえに、個別でリハビリが必要な方もいらっしゃるため、体操など身体を動かすコンテンツと平行して実施しています。そのため集団ではなく、個別でゲームを楽しんでいただいていますね。2プレイしたら次の方に交代していただき、全ての利用者さんが取り組めるように気を配っています。

5.利用者さんからの反応は?

ーー利用者さんからの反応はいかがですか。

皆さん、本当にゲームを楽しんでいると感じています。先日は和歌山県のデイサービスと太鼓の達人の交流会を開催したのですが、かなり盛り上がりました。この交流会は、お互い6人ずつメンバーを選び、ネット対戦機能を使って課題曲3曲をプレイし合うイベントです。利用者さんにイベントの開催を伝えたところ、「もっと上手くなりたい」「頑張って勝ちたい」などの反応があり、選抜メンバーは大会当日まで課題曲を練習していました。

そして迎えた当日は大盛りあがり。選抜メンバー以外の利用者さんも、後ろから熱心に応援していました。このようなイベントの開催は、モチベーションアップにとても良い影響を与えたのではないかと感じています。今後も定期的に、大会のようなイベントを開催していきたいですね。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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