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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2022/06/16

高齢者施設で盛り上がる脳トレ系レクリエーション7種と実践方法

構成・文/介護のみらいラボ編集部 2.jpg

老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設では、利用者が任意で参加するレクリエーションが定期的に開催されます。レクリエーションにはさまざまな種類がありますが、頭を使うレクリエーションはとくに「脳トレ系レクリエーション」と呼ばれ、とても人気です。

ちなみに、脳トレとは「脳を活性化させるトレーニング」のこと。その言葉のとおり、高齢者施設では記憶力や想起力、集中力といった脳の機能を鍛える目的で、脳トレ系レクリエーションが実施されています。

●関連記事:脳科学者が解説!高齢者が脳トレに取り組むメリットと効果的な実施方法

今回は、高齢者施設で脳トレ系レクリエーションが行われる理由と、盛り上がる脳トレ系レクリエーションの種類を7つ紹介します。高齢者向けレクリエーションに脳トレ系の遊びを取り入れたいと考えている介護スタッフは、ぜひ参考にしてください。

1.高齢者のレクリエーションで脳トレを行う理由

高齢者向けレクリエーションは、高齢者施設を利用する高齢者の「認知機能の低下予防」「機能訓練」「生活の質(QOL)の向上」「利用者同士のコミュニケーション活性化」などを目的に、随時開催されるイベント行事です。高齢者向けレクリエーションには頭を使うレクリエーション・体を使うレクリエーション・創作するレクリエーションなど、さまざまな種類があり、それぞれに期待される目的も異なります。

脳トレ系レクリエーションは、頭を使うレクリエーションの一つであり、認知機能の維持・向上や脳の老化スピードを遅らせることに貢献するといわれています。そのため、高齢者向けレクリエーションのなかでも、とくに重要視とされる傾向にあります。

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また、脳を鍛える目的で行われる脳トレは、実際に病院や介護施設でも認知症予防の施策として推奨されています。

(出典:立川病院「認知症の予防について」
(出典:宜野湾整形外科医院 介護まえはら「脳トレで認知症・もの忘れ予防」

団塊の世代が75歳以上になる2025年には、「高齢者の5人に1人が認知症患者となる」と見込まれているのがわが国の実情。脳トレ系レクリエーションは、認知症の予防効果が期待できる重要な取り組みといえるでしょう。

(出典:厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)」

2.高齢者レクリエーションで盛り上がる脳トレ7種類

高齢者向け脳トレ系レクリエーションを楽しんでもらうには、まず「利用者が主体的に取り組める問題を選ぶ」ことが大切です。一般的な脳トレ系の問題ではなく、時代感を高齢者向けにアレンジした問題を出題しましょう。

個人で取り組む場合は、一人ひとりの利用者にプリントを渡して正解を考えてもらう方法がおすすめです。チーム対抗戦にする場合は、グループ内で情報を共有しやすいようにホワイトボードなどを使って出題するとよいでしょう。

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なお、ひと口に脳トレ系レクリエーションといっても、そのジャンルはさまざま。ここからは、盛り上がりやすい脳トレ系レクリエーションを取り上げ、それぞれの内容を詳しく紹介します。

漢字・日本語

漢字・日本語の脳トレ系レクリエーションは、漢字や熟語、単語を用いたクイズ・言葉遊びをして楽しむレクリエーションです。シンプルに難しい漢字の読みを当ててもらったり、出題者がバラバラの書き順で文字を書き、それが何の漢字かを当ててもらったりなど、遊び方はさまざまあります。

●関連記事:高齢者向け「漢字脳トレ」のレク9選

有名なことわざの一部を空白にして、空白の部分に何が入るのかを当ててもらう「ことわざ穴うめクイズ」などは、盛り上がる脳トレ系レクリエーションの代表例。「介護の未来ラボ」では、ことわざ穴うめクイズの介護レク素材を提供しているため、ぜひ参考にしてください。

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漢字・日本語の脳トレ系レクリエーションは盛り上がる反面、バリエーション豊かすぎるために、問題によっては難易度が非常に高くなるケースもあります。利用者に「難しくて解けない」という悔しさを感じさせないように、難易度が高めの問題はいくつかの選択肢を用意したうえで出題すると良いでしょう。

計算・数字

計算・数字の脳トレ系レクリエーションは、その名の通り計算・数字にちなんだクイズや算数問題を解いて楽しむ脳トレレクリエーションです。シンプルに計算式の答えを解いてもらったり、特定の数字を指定の形で囲んでもらったりなど、さまざまな遊び方があります。

なかには、一風変わった計算・数字系のレクリエーションもあります。たとえば、縦・横・斜めの数字の和が等しくなるようにマス目を埋めていく「魔方陣パズル」や、天びんに乗せた各記号の重さを解いてもらう「天びんパズル」などがその一例。そうした脳トレ系レクリエーションは、問題そのものの理解が必要になるため、出題者となる介護職員は参加者全員に詳しくルールを説明したうえで進行しましょう。

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雑学

雑学の脳トレ系レクリエーションは、雑学を駆使して「面白くてためになるクイズ」を解いてもらうレクリエーションです。〇×クイズや都道府県クイズなどは、このジャンルの脳トレレクリエーションにあたります。

〇×クイズや、いくつかの選択肢から正解を選ぶ形の雑学クイズは、たとえ正解しなくても「そうなんだ!」と盛り上がること確実です。多くの人が知っているような雑学問題から、ごく一部の人しか知らないような難問まで幅広く取り入れると良いでしょう。

なお、都道府県クイズは想像力を鍛えられるだけでなく、利用者本人が各地で経験した思い出をよみがえらせる「回想法」のような役目も果たします。「介護のみらいラボ」では、都道府県クイズの介護レク素材を提供しているので、ぜひ参考にしてください。

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間違い探し

間違い探しは、「複数のよく似た絵から、異なる箇所を探し出すゲーム」です。高齢者向け施設では、記憶力、観察力、集中力を鍛えることを目的に、頻繁に実施されるレクリエーションとなっています。

このレクリエーションのオーソドックスな遊び方は、2つのイラストを見比べて間違いを探すというものです。また、複数の絵柄のなかに1つだけほかと異なる絵柄を混ぜておき、それがどこにあるかを当ててもらう遊び方もあります。

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「介護のみらいラボ」では、間違い探しレクリエーションに使える介護レク素材を無料で提供しています。間違い探しをレクリエーションに取り入れようと考えている担当者は、ぜひダウンロードしてみてください。

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思い出しゲーム

思い出しゲームとは、利用者にとってなじみ深い「昭和時代」をテーマに、さまざまなクイズを出題する脳トレレクリエーションのこと。1960年代から2000年までに起きた大きな出来事や各時代のトレンド(音楽・ファッション)を年代別に出題するという方法が一般的となっています。

思い出しゲームを通して、「あの頃はこうだった」「あんなこともあったっけ」と昔を思い出すことは、想起力(記憶を引き出す力)のトレーニングにもつながります。また、過去の経験を思い出すことによって思い出話にも花が咲き、コミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。

連想ゲーム

連想ゲームとは、特定のお題から連想される言葉(人物や物の名前)を挙げていく脳トレレクリエーションです。連想ゲームにはいくつかの遊び方がありますが、ここでは最も代表的かつシンプルな遊び方として、古今東西ゲームを紹介しましょう。

古今東西ゲームの基本ルールは、最初に決められたお題の答えをリズムに合わせて順番に答えるというもの。例えばお題が「果物の名前」であれば、「りんご」「みかん」などお題から連想される答えを挙げていきます。ただし、ほかの利用者が挙げたものを再度挙げてはいけません。

お題となるテーマのバリエーションがとても幅広く、選んだテーマによって難易度も異なるため、ゲームに慣れて頭が柔らかくなってきた頃に「グループに所属している男性アーティスト」など、難易度が高めのお題を設定してみるのも良いでしょう。

手遊び

手遊びは、指を動かして体操をしたり、じゃんけんをしたり、あやとりやお手玉などのアイテムを使って遊んだりする脳トレレクリエーションです。脳トレと聞くと、ここまで紹介したような頭を使ったゲームをイメージする人も多いと思いますが、実は手遊びも脳の活性化に有効だとされています。

他の脳トレ系レクリエーションと同様、手遊びにもさまざまな遊び方があり、なかには手先の動きに自信のない利用者でも気軽に楽しめるものもあります。参加する利用者のレベルに合わせて、適切な遊び方を選ぶようにしましょう。

また、手遊びをレクリエーションとして行う前には必ず指体操を行って、けがや痛みの防止に努めましょう。加えて、手遊びが終わった後も整理体操を行い、手の疲れを残さないようにすることも大切です。

●関連記事:高齢者の脳トレには手遊びがおすすめ!施設のレクに取り入れるコツ

まとめ

高齢者施設で定期的に開催されるレクリエーションのなかで、頭を使うレクリエーションは「脳トレ系レクリエーション」と呼ばれており、脳機能を鍛える、あるいは活性化させる効果が期待されています。また、脳トレ系レクリエーションを通して、利用者同士のコミュニケーションが活性化することも決して少なくありません。

脳トレ系レクリエーションに積極的に取り組んでもらうためには、利用者が楽しめる問題を出題することが大切です。今回紹介した7つの脳トレ系レクリエーションから、参加者のレベルに合わせて適切な種類を選んでみましょう。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で活躍するスタッフに向けて業務に役立つ情報を多数掲載しています。また、レクリエーションの企画時にも役立つ高齢者向け介護レク素材も無料で提供しているので、ぜひ参考にしてください。

※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています

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