数え年とは?数え年の計算方法や満年齢との違い・使用シーンを解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
数え年は、日本で古くから使われてきた年齢の数え方で、広く使われている「満年齢」とは異なる考え方です。現在、数え年は七五三や長寿のお祝い、厄年といった伝統的な行事・神事に使われることが多く、日常的な年齢確認にはほとんど使われません。そのため、「満年齢はわかるけれど、数え年で何歳になるのかよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。
当記事では、数え年の起源や使い方、計算方法などについて解説します。数え年と満年齢の違いや計算方法を理解すれば、場面に応じて適切に使い分けられるので、年齢の数え方に対する理解を深めたい方は、ぜひ当記事をお役立てください。
1.数え年とは?
数え年とは、生まれた年を1歳とし、元日(1月1日)を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えていく数え方です。一方、生まれた年を0歳とし、誕生日のたびに1歳ずつ増えていく数え方を満年齢といいます。そのため、数え年は満年齢より1~2歳多くなることになります。
かつて日本では、数え年で年齢を数えていましたが、明治時代に「年齢計算二関スル法律」が公布されたことで、西暦に基づく満年齢が使われるようになりました。それまで、「年単位」でみんなが一斉に年を取っていたのが、何月何日という「出生日単位」で数えるようになったわけです。ただし、公的なもの以外については、その後も数え年の習慣が残され、完全に一本化されたのは1950年代前半のことです。
(出典:国立天文台「1年とは?」)
0歳ではなく1歳から始める理由
生まれた時点を1歳と数える数え年が使われた背景には、いくつかの説があります。1つは「生命は母親の胎内に宿った瞬間から存在する」という考え方に基づくという説です。赤ちゃんは母親のおなかの中で約10か月(十月十日)を過ごすため、誕生した瞬間に1歳とみなされるわけです。
また、小学校の最初の学年を「0年生」ではなく「1年生」とするように、「漢字文化圏では0の概念がなく1から始まるため」という説もあります。
年齢には暦が深く関係しますが、その点で考えるなら、昔の日本や中国で使われていた太陰太陽暦は月の日数にばらつきがあり(※)、誕生日を起点に年齢を数えるのが不便だったという側面もあるでしょう。ただし、こうした説は地域や時代によって解釈が異なるため、どれが正解かを断定することはできません。
※1か月が30日の月(大の月)と、29日の月(小の月)があり、大小の月の並び方は毎年変わっていました。
(出典:国立天文台「1年とは?」)
(出典:菊池市役所「韓国発見シリーズ49 「世界で唯一「数え歳」を使う国、韓国」」)
正月に年を取るとする理由
数え年では、誕生日ではなく正月を基準に年を取りますが、これについての理由も諸説あります。その中で、最も浸透しているのは「お正月に歳神様が現れるから」という説です。
歳神様とは家内安全や五穀豊穣をもたらす神様で、元旦の初日の出とともに各家庭を訪れて、新しい年の幸せをもたらすとされています。そのため、日本では古くから「お正月=歳神様を迎える大切な日」として扱われてきました。ちなみに、年末に大掃除をするのは、「身の回りの汚れを落として気持ち新たに新年を迎える」「旧年の災厄を払う」というだけでなく、歳神様を家に迎え入れるための準備でもあります。また、お正月に鏡餅を飾るのも、歳神様の依り代としていたことに由来します。
家に招かれた歳神様は、お年玉として1年分の生きる力を授けてくれるとされており、「神様に年をいただくことで、みんながそろって1歳ずつ年を取る」という考え方が、数え年につながったのだそうです。
(出典:國學院大學メディア「新年を迎える日本人の心を知る」)
(出典:大野湊神社「すぐわかる!「数え年」と「満年齢」の違い」)
(出典:産泰神社「【2024年(令和6年)年齢早見表】満年齢って?数え年との違いは?七五三などシーン別の使い分け方法を紹介」)
(出典:湊川神社「数え年ってなぁに? 年の数え方」)
2.満年齢とは?
先に紹介したように、満年齢は誕生日を迎えるたびに年齢を加算する数え方で、出生日を0歳として誕生日ごとに1歳ずつ増えていきます。
1902年に「年齢計算ニ関スル法律」が施行される前は数え年が一般的でしたが、現在は日常生活だけでなく、履歴書や職務経歴書、各種契約書などに年齢を記入する際も満年齢が使われています。
(出典:国立天文台「1年とは?」)
満年齢と数え年の違い
満年齢と数え年についてまとめると、以下のような点に違いがあります。
満年齢 | 数え年 | |
---|---|---|
計算開始 | 生まれた日を0歳とする | 生まれた日を1歳とする |
年齢加算 | 誕生日を迎えるたびに1歳ずつ加算 | 正月ごとに1歳ずつ加算 |
法的基準 | 「年齢計算ニ関スル法律」に基づく | 法律ではなく文化や慣習に基づく |
後述しますが、伝統的な行事・神事では数え年を使うケースもあるため、それぞれの場面で適切に使い分けることで、円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。
3.数え年の計算方法
数え年では生まれた年を1歳とし、元旦を迎えるたびに1歳ずつ加算します。たとえば、2023年に生まれた人の場合、生まれた時点で1歳となり、2024年の正月には2歳、2025年の正月には3歳となります。つまり、誕生日に関係なく、元日を基準に年齢が増えるのが数え年の特徴です。
満年齢を数え年に置き換えたい場合は、誕生日前なら1歳、誕生日後なら2歳を加算することで数え年を算出できます。
誕生日から新年まで | 満年齢+1 |
---|---|
新年から誕生日まで | 満年齢+2 |
(出典:国立天文台「1年とは?」)
4.数え年・満年齢の使い分け方
現代の社会生活では、満年齢が広く使用されていますが、伝統的な行事や神事で数え年が使われることも少なくありません。以下では、具体的な使用例について詳しく説明します。
七五三や厄年は「数え年」
七五三や厄年といった伝統的な行事・神事では、数え年を用いるのが一般的です。これらの行事は、もともと数え年を基準に行われていたため、現在でもその風習が残っています。
七五三は、3歳・5歳・7歳の子どもの成長を祝い、神社やお寺に健康と長寿を祈願する日本の伝統行事です。一般的に数え年で祝うものとされていますが、満年齢でお祝いしても問題ありません。参拝日は11月15日が基本ですが、この日は祝日ではないため、家族の都合がつきにくいケースもあります。そのため、近年は10月中旬〜12月初旬で都合のよい日を選ぶ方も多いようです。神社や写真館なども、そうした事情に合わせて柔軟に対応しています。
厄年は、人生の中で災厄が降りかかりやすい年齢とされており、男性の本厄は数え年で25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳・61歳が該当します。厄年には本厄、前厄(本厄の前年)、後厄(本厄の翌年)があり、本厄は最も厄が表れる年とされます。どの厄も同じくらい運気が下がるといわれており、厄年には神社で祈祷を受け、災厄をお祓いするのが一般的です。
還暦や履歴書は「満年齢」
還暦は、60歳を迎える方の長寿を祝う伝統的な儀式で、干支が一巡して生まれ年の干支に戻る=暦が還ることからそう呼ばれています。昭和30年代過ぎまでは数え年の風習が残っていましたが、現代はほとんどの方が自分の年齢を満年齢で数えているため、還暦祝いも60歳誕生日に行うようになりました。
還暦のお祝いには赤いものを贈るのが習わしですが、赤色には「厄除け」「魔除け」の意味があります。つまり、還暦の贈り物には「新しい人生を災いなく過ごし、長生きしてください」という願いが込められているわけです。
また、日本をはじめとする多くの国では、公的な年齢計算に満年齢を使用しており、履歴書や職務経歴書、契約関係の書類などは満年齢で統一されています。間違った年齢を記載すると、トラブルや悪影響につながることもあるので、正確性が求められる書類にはその時点での満年齢を記載しましょう。
5.介護現場の長寿祝いは数え年?満年齢?
介護現場での長寿祝いには、数え年・満年齢のどちらを使っても問題ありません。長寿祝いの種類には、70歳の古希、77歳の喜寿、88歳の米寿などがありますが、お祝いをするときは、本人や家族の意向、地域の習わしなどに配慮して、どちらにするかを決めるとよいでしょう。
長寿祝い | 年齢 | 由来 | テーマ色 |
---|---|---|---|
還暦 | 60歳 | 干支が一巡して、生まれ年の干支に還ることに由来しています。 | 赤 |
古希 | 70歳 | 唐の詩人・杜甫の詩に登場する「人生七十古来稀なり」の一説から名づけられました。 | 紫色 |
喜寿 | 77歳 | 「喜」という字を草書体で書くと、「七十七」に見えることが由来です。 | 紫色 |
傘寿 | 80歳 | 「傘」の略字が「八十」に見えるため、この名がつきました。 | 黄色・金茶色 |
米寿 | 88歳 | 「米」という字を分解すると「八十八」となることに由来します。 | 金茶色 |
卒寿 | 90歳 | 「卒」の略字「卆」が「九十」に見えることに由来します。 | 紫色 |
白寿 | 99歳 | 「百」から「一」を引くと「白」になるため、白寿と呼ばれるようになりました。 | 白色 |
百寿 | 100歳 | 100年を祝う意味で「百寿」と呼ばれ、長寿の象徴とされています。 | 白色・桃色 |
介護施設における長寿祝いには、利用者さんの人生の節目を祝うだけでなく、生活にメリハリをつけたり、まわりとのつながりを感じてもらったりする意味合いもあります。普段とは違う雰囲気づくりを行って、「特別な1日」を楽しんでもらいましょう。
まとめ
数え年は、日本で古くから使われてきた年齢の数え方で、生まれた年を1歳として元旦を迎えるたびに年を取ります。現在は、日常生活はもちろん公式書類にも満年齢を用いるのが一般的ですが、七五三や厄年など一部の行事・神事には、数え年を使う風習が残っています。
介護現場で長寿祝いをする際、数え年か満年齢にするかは、本人や家族の意向、地域の風習などに配慮して決めるのがおすすめです。「どちらが正しい」というのはないので、長寿祝いのイベントを通して利用者さんに喜んでもらうことを優先しましょう。利用者さんが喜ぶイベントのアイデアが知りたい方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。
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