【心理カウンセラー監修】怒りをうまくコントロールする「エモーショナル・スケーリング」とは?

Q:「自分が我慢すればいい」と思っても、やっぱり怒りの気持ちが抑えきれません。
仕事や日常生活のなかで、「ここは自分が我慢すればいいや......」とちょっとした我慢が積み重なり、心が疲れてしまうこともあるでしょう。でも、「どうせ相手になにをいっても無駄」といってあきらめてばかりいると、いつのまにか心のなかで抑えられない「怒り」に変わってしまいます。
自己肯定感研究の第一人者として知られる心理カウンセラー・中島輝さんに、怒りの感情がどうにも抑えられないとき、自分の力でうまくコントロールする方法を聞きました。
A:「どうせ」「だって」と思いこんであきらめない。あなたには、自分で決める力があります。
心理カウンセラー・中島 輝さんからのアドバイス
「これをいったら、どうせ無理と返されるだろうな......」
「だって、別のスタッフにお願いしても忙しいだろうし......」
ふだんから他人の反応を勝手に想像する人ほど、「自分が我慢すればいい」と思いがちです。そうして結局は心が限界に達して、感情をうまく扱えない状態になってしまうのです。
心理カウンセラーであるわたしが主宰する講座の受講生にも、「その日は仕事で行けません」という人がたくさんいます。
仕事ですから、どうしてもダメな日はあるでしょう。それでもわたしは、「自分で『行く』と決めることもできるんだよ」と伝えています。
じつは、ものごとの9割は自分で決めることができます。
まわりの環境に左右されることもありますが、冷静になると、あなたは本来自分の意見をしっかり持って、自分で決めることができるはずなのです。
「どうせ」「だって」が口グセの人は、罪悪感を抱きやすいタイプでもあります。
罪悪感とは、「自分のせい」「自分が悪かった」と感じる気持ちのこと。この気持ちを長く持っていると、しなやかな心がどんどん硬くなっていき、やがて「あなたのせいで......」「あなたさえいなければ......」と、怒りの感情に変わってしまうこともあります。
もし、怒りの感情が抑えられないときは、「エモーショナル・スケーリング」というメソッドをおすめします。
これは、怒りの気持ちについて、「どのくらいのレベルか」を数値にして客観視するものです。目に見えないネガティブな気持ちを、数値化してみましょう。
≪エモーショナル・スケーリング≫
❶これまでの人生で経験した最高の不安や恐れを思い出し、紙に書きましょう。これが10点満点中の10点となります。
❷いま感じているネガティブな気持ちを書き、「10点満点中何点か」を数値化しましょう。
「あの最悪のときに比べたら......」と思えると、たいてい4〜6点くらいに落ち着いていき、きっとネガティブな思いこみを外すことができます。
中島 輝さんからのワンポイント
罪悪感を持って生まれる人なんていません。「他人は変えられない」という事実を受け止めて、自分の感情をコントロールしてしなやかに生きてください。
構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 写真/川しまゆうこ
※このお悩み相談は、『自己肯定感が高まる うつ感情のトリセツ』(きずな出版)をアレンジして掲載しています。

『自己肯定感が高まる うつ感情のトリセツ』
著者名:中島 輝
出版社:きずな出版
2022年4月発売
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