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仕事・スキル 介護士の常識 2024/07/05

#お祝い

100歳のお祝い「百寿」の読み方と別名は?介護施設で祝う方法やプレゼント例も紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

日本には古くから長寿を祝う風習があります。60歳(数え年で61歳)の還暦、70歳の古希、88歳の米寿などは特に有名なので、みなさんもその名を聞いたことがあるのではないでしょうか。

こうした長寿のお祝いは「賀寿(がじゅ)」と呼ばれ、奈良時代に中国の風習を取り入れて生まれたものとされています。賀寿にはさまざまな種類がありますが、今回紹介する「百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)」もその1つで、文字通り100歳のお祝いです。

日本人の平均寿命が伸びている現在、60歳という年齢は長寿祝いの名目に合わなくなってきましたが、100歳となれば話は別。内閣総理大臣からお祝い状が贈られるほどの「特別な年齢」でもあるので、施設や身内に100歳を迎える方がいる場合は、盛大に百寿のお祝いをするとよいでしょう。

当記事では、百寿の概要や介護施設で百寿のお祝いをするときのポイント、百寿祝いに喜ばれるプレゼント選びについて詳しく説明します。

1.百寿とは何歳のお祝い?

百寿とは、還暦や米寿などと同じ賀寿の1つで、その名が示す通り100歳のお祝いのことです。1世紀(100年)を迎えたおめでたい年であることから、「紀寿(きじゅ)」と呼ばれることもあります。

賀寿には、年ごとにテーマカラーがありますが、百寿のテーマカラーは卒寿白寿と同じく白色だとされています。

百寿のお祝いは満年齢・数え年のどちらで行う?

百寿のお祝いは、満年齢と数え年のどちらで行っても問題ありません。ちなみに、満年齢とは誕生した時点を0歳とし、誕生日を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えていく数え方、数え年は誕生した時点を1歳とし、正月を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えていく数え方です。

満年齢でお祝いする場合と、数え年でお祝いする場合の生まれ年は、下記の通りとなります。

現在の年数 満年齢でお祝いする場合 数え年でお祝いする場合
2024年 1924(大正13)年 1925(大正14)年
2025年 1925(大正14)年 1926(大正15・昭和元)年
2026年 1926(大正15・昭和元)年 1927(昭和2)年

長寿のお祝いは、もともと数え年に行っていましたが、年齢が変わるタイミングが正月である点から混乱する方も多く、現在では満年齢で祝うケースが多くなっています。

百寿を迎える人の人数

男女ともに平均寿命が伸びている近年、100歳の誕生日を無事に迎えられる方は増加傾向にあります。

厚生労働省が公表したデータによると、2022年9月時点で45,141人の方が百寿を迎えており、2021年の同データと比べて1,508人多い数字です。

100歳以上を迎えた高齢者の年次推移(過去5年間/男女計)
2018年 69,785人
2019年 71,274人
2020年 80,450人
2021年 86,510人
2022年 90,526人

また、急速な高齢化が進むなか、100歳を迎える方の数は今後も増え続けると見込まれています。

(出典:厚生労働省「百歳高齢者表彰の対象者は45,141人」

百寿以降の賀寿の一覧

日本ではかつて、白寿や百寿を迎える方が珍しかったため、お祝いをする機会もほとんどありませんでした。しかし、上記データを見ると、現在では100歳を超える方が全国におよそ9万人おり、白寿や百寿のお祝いも少しずつ増えていると推察されます。

もし、介護施設に白寿や百寿を迎える方がいらっしゃる場合は、施設全体で長寿をお祝いし、ご本人やご家族にとって思い出に残る1日にしましょう。

下記は、百寿以降の賀寿をまとめた一覧表です。

年齢 賀寿の名称 読み方
108歳 茶寿 ちゃじゅ
110歳(以降) 珍寿・椿寿 ちんじゅ
111歳 皇寿 こうじゅ
120歳 大還暦 だいかんれき

2.介護施設で百寿のお祝いをするときのポイント

100歳を祝う百寿は、非常におめでたい風習であり、周囲の利用者さんにとっても長寿にあやかれるイベントとなるでしょう。そのためお祝いをするときは、百寿を迎えるご本人やほかの利用者さんの思い出に残るように工夫するのがおすすめです。

ここからは、介護施設における百寿の祝い方や、祝うときのポイントについて詳しく説明します。

国や自治体の表彰に合わせて祝う

百寿を迎えた方には、毎年9月の第3月曜日に設定される「敬老の日」に、国から銀杯および内閣総理大臣からのお祝い状が渡されます。また、自治体によっては独自の記念品や祝い金を贈呈しているところもあります。

そうした国や自治体のイベントに合わせて施設のお祝いを行えば、特別感を演出することができるでしょう。

おめでたい日に合った飾りつけをする

介護施設で利用者さんの百寿のお祝いをするときは、お祝い会場となる室内に華やかな飾りつけを施すのがおすすめです。金や銀などのきらびやかな色を取り入れることで、お祝いムードを演出できるでしょう。

ただし、そうした装飾をすべて手づくりで準備するのは大変なため、予算の範囲内で市販の装飾品を活用するとよいでしょう。

家族やほかの利用者さんと協力して盛り上げる

介護施設でのお祝いにご家族が参加することで、より感動的なイベントになります。ご家族に思い出の写真を提供してもらったり、エピソードを話してもらったりすれば、ご本人はもちろん参加者にとっても心温まる時間になるでしょう。直接の参加が難しい場合は、ビデオレターを送ってもらうなどの工夫をしてみてください。

また、ほかの利用者さんと協力してお祝いするのもおすすめです。仲のよい利用者さんがプレゼントを贈ったり、お祝いの言葉を伝えたりすれば、さらに喜んでもらえるでしょう。

3.百寿の方に喜ばれるプレゼントとNGのプレゼント

百寿のテーマカラーは白色ですが、「ももじゅ」という読み方もあることから、桃色を用いるケースもあります。

そのため、介護施設で百寿のお祝いをするときは、白色や桃色を基調としたギフトを贈るとよいでしょう。ご本人の名前が入ったタオルや湯のみなどは、特別感があって特に喜ばれます。なお、名入れギフトは注文から到着までに時間がかかるため、余裕をもって購入することが大切です。

以下では、百寿を迎えた方に喜ばれやすいプレゼントと、避けたほうがよいプレゼントを3つ紹介します。

百寿の方に喜ばれるプレゼント

百寿を迎えた方には、次のようなプレゼントを贈るのがおすすめです。

・メッセージカード
職員や仲のよい利用者さん、ご家族からのメッセージカードはもらってうれしいギフトの代表格です。プレゼントを贈る側も、普段は言えないような言葉を素直に伝えられるよい機会になるでしょう。職員からメッセージカードを贈る場合は、「百寿おめでとうございます」「謹んで百寿のお祝いを申し上げます」「いつまでも長生きしてくださいね」などの短いメッセージを記入するのが一般的です。

・百寿祝いのケーキ
百寿のお祝いでは、参加者全員で食べられる大きなケーキを贈るのもおすすめです。その際は利用者さんの好きなフルーツや、桃が入ったケーキを選ぶのがよいでしょう。百寿を迎えた利用者さんの写真がプリントされたフォトケーキや似顔絵入りケーキも、利用者さんの心に残りやすくなります。ただし、食べ物を贈るときはご本人の健康状態や咀嚼力などに十分配慮するようにしてください。

・花束
花束もお祝いのときの代表的なギフトです。テーマカラーである白色や淡い桃色を取り入れた花束は、百寿祝いのプレゼントにぴったりでしょう。花束にメッセージ入りの小さなカードを入れると、さらに喜ばれるはずです。百寿祝いの花束におすすめの花として挙げられるのは、華やかなバラや胡蝶蘭、ダリアなどです。また近年は、美しい生花の状態を長期間保てるように特殊な加工を施した、プリザーブドフラワーも人気となっています。生花よりも手入れが簡単で、かつ美しい状態を長く楽しめるため、百寿祝いの思い出も残りやすくなるでしょう。

●関連記事:介護施設で使える!高齢者向け誕生日メッセージの例文と書き方のポイント

百寿の方に贈るのは避けたほうがよいプレゼント

プレゼントのなかには縁起が悪かったり、失礼と感じさせたりするものもあります。以下のようなプレゼントは、長寿のお祝いに不向きなので注意しましょう。

・刃がついたもの
ハサミやペーパーナイフなど刃がついたものは、「縁を切る」というイメージから、贈り物に向かないとされています。利用者さんがけがをする恐れがある点からも、避けるのが無難でしょう。

・日本茶
香典返しの際に日本茶が贈られるケースが多いため、日本茶から葬儀を連想する方もいらっしゃいます。お茶が好きな方に向けてプレゼントする場合は、葬儀を連想させないような明るい色合いの包装を選びましょう。

・スリッパや靴
スリッパや靴などの「足で踏むもの」を目上の方に贈るのは、不適切と言われています。親しい間柄であれば問題ないものの、職員から利用者さんに贈るのは避けましょう。


まとめ

百寿とは、100歳を迎えた方の長寿のお祝いです。昔は、百寿を迎える方が珍しかったため、お祝いをする機会もほとんどありませんでした。しかし、近年では百寿を迎えられる方の人数が増加しており、百寿のお祝いも少しずつ増えています。

介護施設で百寿のお祝いをするときは、国や自治体の表彰に合わせて行ったり、ご家族やほかの利用者さん、職員からの贈り物を用意したりして、お祝いムードを高めましょう。

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