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仕事・スキル 介護施設・職場 2023/10/12

【介護職向け】介護サービスの種類一覧表と代表的なサービスを紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/赤羽克子 thumbnail.jpg

介護職を目指している方はもちろん、介護職として働いている方のなかにも、「介護職って、一体何種類あるんだろう」と気になっている方がいるのではないでしょうか。

ひと口に「介護サービス」と言っても、その種類は多岐にわたります。また、事業の目的や内容、人員配置、介護職の役割なども、それぞれに異なります。だからこそ、働く場所を選ぶ際は、種類や違いを把握しておくことが大切でしょう。

この記事では、介護保険サービスの一覧を紹介するとともに、介護職の活躍の場が多い介護サービス9種について詳しく解説していきます。介護業界への就職・転職をお考えの方は、ぜひお役立てください。

1.介護サービスの種類を一覧表で紹介

介護の業界には、形態の異なる数多くのサービスがあるため、それぞれの特徴をきちんと把握しておくことが大切です。ここでは基礎知識として、介護保険サービスの種類を一覧でご紹介します。

居宅サービス 【訪問サービス】
・訪問介護
・訪問入浴介護
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導

【通所サービス】
・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリテーション(デイケア)

【短期入所サービス】
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護

【その他】
・特定施設入居者生活介護
・特定福祉用具販売
・福祉用具貸与
地域密着型サービス ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・地域密着型通所介護
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
居宅介護支援 介護支援専門員(ケアマネジャー)が、自宅や住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などで暮らす要介護認定を受けた方に対し、適切なケアプランの作成やサービスの利用調整を行う支援
施設サービス ・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設
・介護医療院(介護療養型医療施設)
介護予防サービス 【訪問サービス】
・介護予防訪問介護(ホームヘルプ)
・介護予防訪問入浴介護
・介護予防訪問看護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導

【通所サービス】
・介護予防通所介護(デイサービス)
・介護予防通所リハビリテーション

【短期入所サービス】
・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
・介護予防短期入所療養介護

【その他】
・介護予防特定施設入居者生活介護
・特定介護予防福祉用具販売
・介護予防福祉用具貸与
地域密着型介護予防サービス ・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護
・介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
介護予防支援 地域包括支援センターの職員が、自宅や住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などで暮らす要支援認定を受けた方に対し、適切なケアプランの作成やサービスの利用調整を行う支援

(出典:厚生労働省「介護サービスの種類」
(出典:厚生労働省介護事業所・生活関連情報検索介護サービス情報公表システム「介護保険の解説-サービス編-」

地域密着型サービス事業者や地域密着型介護予防サービス事業者、居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者(地域包括支援センター)については、市町村が指定・監督を行い、介護保険施設や居宅サービス事業者、介護予防サービス事業者については都道府県が指定・監督を行います。

2.代表的な介護サービス9種類

介護ニーズの多様化や需要の高まりから、上記のように介護サービスの種類は多岐にわたります。

ここからは、数ある働き方のなかから、介護士の方が活躍する代表的なサービス9種類をご紹介します。自分に合った職場をお探しの方は、比較・検討の材料としてお役立てください。

訪問介護

訪問介護員(ホームヘルパー)が、利用者さんの自宅や利用施設に出向いて、身体介護や生活援助を提供するサービスです。具体的な仕事内容としては、入浴や排せつ、食事の介助、調理や洗濯、掃除の援助などが挙げられます。また、通院の際の付き添いや乗車・降車介助もサービスの一環です。

なお、訪問介護員として働くためには、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者などの資格が必要になります。

(参考:WAM NET「サービス一覧/サービス紹介」

介護老人保健施設(老健)

利用者さんの自立を支援し、在宅復帰を目指すための施設です。介護老人保健施設では、利用者さんの状態に合わせた施設サービス計画(ケアプラン)にもとづいて、看護やリハビリテーション、食事、入浴、排せつといった日常生活上の介護を受けることができます。

医師や看護師、介護職員に加えて、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職も配置されているため、各分野のプロによる手厚いケアを提供できる点が、介護老人保健施設の大きな特徴と言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「各介護サービスについて」

なお、利用者さんの在宅復帰を目的としていることから、介護職員の主な業務は生活支援となります。身体介助はほかの施設に比べると少ないため、体力的にあまり自信がない方でも勤務しやすい介護施設でしょう。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、居宅サービスのなかの「特定施設入居者生活介護」にあたる施設です。目的や介護サービスの提供方法、入居対象者などによって、介護付き・住宅型・健康型の3タイプに分類されます。

介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が、食事、入浴、排せつなど介護や生活支援を受けて居住する施設。住宅型有料老人ホームは、自立した高齢者の方から要支援・要介護の方まで、幅広い方が入居できる施設で、サービスは食事の提供や掃除、見守りなどの生活支援が中心となります(介護が必要な場合は外部のサービスを利用)。また、健康型有料老人ホームは、その名の通り自立した生活を送れる高齢者を対象とした施設で、介護が必要になった場合は入居条件から外れます。

介護付き有料老人ホームでは、介護スタッフが24時間常駐するため、介護士の方がより活躍しやすい環境と言えるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢の単身者や夫婦が居住できる賃貸住宅です。サービス付き高齢者向け住宅では、介護、看護、医療などの資格を有するスタッフが日中常駐し、安否確認や生活相談などのサービスを提供します。基本的に介護サービスは付いていないため、介護職がサービス付き高齢者向け住宅で働く場合は、家事や介護の提供ではなく、コンシェルジュ的な役割をこなすことになるでしょう。

ただし、なかには要介護の方に向けて、訪問介護やデイサービスの施設を併設している住宅もあり、そうした施設で働く場合は、ケアプランに従って身体介護や生活援助を行うことになります。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

特別養護老人ホームは、寝たきりの方や要介護度の重い利用者さん(原則、要介護3以上)など、常に介護が必要で自宅での生活が難しい方のための施設です。4人部屋を利用する多床室タイプと個室を利用するユニットタイプがあり、それぞれに介護士の働き方も異なります。

多床室タイプはチームで協力しながら、スケジュールに沿って食事や入浴、排せつなどの介助を行うのが一般的です。一方、ユニットタイプは、在宅に近い居住スペースで一人ひとりの利用者さんの生活リズムや、個性に合わせた介助・生活サポートを行います。

通所介護(デイサービス)

要介護1以上の利用者さんが通える通所介護は、生活機能の維持・向上、自宅での引きこもりの解消、家族にかかる負担の軽減などを目的とした、日帰りの生活支援サービスです。入浴、食事といった日常生活の介助や機能訓練のほか、レクリエーション活動を行う機会も多く、利用者さんが周囲との交流を楽しめるようにサポートすることも、介護職の大事な役割となります。

一般的には土日が休みとなり夜勤もないため、お子さんがいる方でも働きやすい施設と言えるでしょう。

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)は、要介護者が老人保健施設や病院などに併設された施設に通いながら、日帰りで必要なリハビリテーションを受けられる通所サービスです。通所リハビリテーションでは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職が、医師の指示のもとで機能の維持回復訓練や、日常生活動作訓練を提供しています。

介護職員の主な仕事内容は、食事や入浴、排せつ、移動などの身体介助で、医師や理学療法士をはじめとする他業種のスタッフと連携を取りながら、業務を行う点に特徴があります。医療スタッフ、リハビリスタッフが常駐する環境のため、安心して働ける職場と言えるでしょう。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

グループホームは、要支援2以上の認知症高齢者が、介護職員の介護や生活支援を受けながら、「ユニット」と呼ばれるグループごとに共同生活を送る施設です。グループホームでは、住み慣れた地域で暮らし続けることを目的としているため、介護職員は地域住民との関わりを大切にしながら、日常生活のサポートや食事、入浴、排せつの介助、機能訓練などを行うことになります。

1ユニットの入居定員は5人〜9人の少人数制となっており、利用者さん3人につき介護職員1人が配置されます。ただし、夜間業務ではユニットごとに1人の配置となるケースもあるため、緊急時の対応力も求められるでしょう。

(出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」

訪問入浴介護

訪問入浴介護とは、寝たきりの方や家族だけでは入浴補助が難しい方などに対し、安全性に配慮しながら入浴をサポートするサービスです。要介護認定を受けていて、医師から入浴を許可されている方が対象となり、看護師1名と介護職員2〜3名が介護専用の浴槽を使って援助を行います。

介護職員の主な業務としては、家具の移動や浴槽の組み立て、ベッドからの移乗介助、着替え、入浴介助、後片付けなどが挙げられます。1人の利用者さんにかかる訪問入浴介護の時間は、準備から片付けまでを入れて1時間程度です。

まとめ

介護保険サービスは、居宅サービス、施設サービスをはじめ、訪問介護や通所介護(デイサービス)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などに細分化されます。

また、介護保険サービスは、それぞれに事業の目的や内容、介護職の役割も異なるため、介護職を目指している方や介護職として転職を検討している方は、「介護職としてどのようなキャリアを積みたいか」「自身のスキルをどのように生かしていきたいか」などを考慮した上で、就職・転職先を選ぶと良いでしょう。

「介護のみらいラボ」では、介護職に関連するお役立ち情報を多数掲載しています。介護現場のリアルな情報を知りたい方は、ぜひご覧ください。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

▼監修者からのアドバイス

介護サービスは大きく分けると、次の7つに分けられます。
① 介護サービスの利用にかかる相談、ケアプランの作成
② 自宅で受けられるサービス家事援助等のサービス
③ 施設などに出かけて日帰りで行うサービス
④ 施設などで生活(宿泊)しながら、長期間または短期間受けられるサービス
⑤ 訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
⑥ 福祉用具の利用にかかるサービス
⑦ 施設で生活し介護を受けられるサービス
それぞれのサービスごとに特色があり、雰囲気も異なります。関心がある施設やサービスがあれば職場見学をしたりボランティアを行ったりしてみましょう。その介護サービスの特色や職場の雰囲気を感じ取り、納得したうえで自分に合った施設を選択するといいと思います。
介護の現場では介護系の資格がなくても働ける施設がありますが、大切な利用者さんを介護するためには介護系の資格を取得したほうがいいでしょう。その学びの中で自分に適した、自分が活躍できると思われる事業所・施設が見つかるかもしれません。

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赤羽克子(Katsuko Akaba)

元聖徳大学心理・福祉学部社会福祉学科教授

社会福祉施設勤務を経て教育の世界に入る。現在はマーシーハンディキャップサポート協会理事として障害者に対する理解の啓蒙活動・障害者スポーツの支援や松戸市シルバー人材センターのアドバイザーなどを行っている。

赤羽克子の執筆・監修記事

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

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