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グループホームの仕事内容4つの詳細!仕事に生かせる資格も紹介

公開日:2023.09.11 更新日:2023.09.11
grouphome

グループホームとは、認知症高齢者の方を対象に地域密着型の介護サービスを提供する施設です。グループホームで働く介護職の方は、認知症高齢者の方に対して快適な環境を提供する役割を果たします。

この記事では、グループホームの仕事内容で代表的なもの4つについて、詳しく解説します。さらに、グループホームで働く場合のスケジュール例やメリット・デメリットについても紹介するので、介護の仕事に興味のある方はぜひご覧ください。

1. グループホームとは

グループホームは認知症高齢者を対象として、地域密着型介護サービスを提供する入居施設です。施設と同じ地域に住民票がある人を対象とし、1ユニット当たりの入居者は最大9名までと制限されています。(1施設2ユニットまで)。認知症高齢者にとって快適な環境を整えることを目的とし、住み慣れた環境で、なおかつ少人数で家族のように過ごすことができます。

(出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」 / https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647295.pdf)

2. グループホームの主な仕事内容4つ

グループホームにおける介護職の役割は、利用者さんの日常生活をサポートすることです。グループホームで働く介護職が担う仕事内容は、主に次の4つに大きく分けられることを押さえておきましょう。

◆グループホームで働く介護職の主な仕事内容

・生活・外出援助
・健康管理
・計画作成
・イベント企画

ここでは、上記の4つの業務内容について解説します。グループホームにおける介護職の仕事内容をチェックし、自分が希望する働き方ができる職場かどうか確認しましょう。

2-1. 生活・外出援助

利用者さんの日常生活動作をサポートすることは、グループホームで働く介護職の主な仕事の1つです。グループホームでは「自分でできることは自分で行う」という考え方のもと、利用者さんが調理や洗濯などの家事全般・身の回りのケアを行います。利用者さんが行うことが難しい場合には、介護職が適切な生活援助を提供することを押さえておきましょう。

利用者さんの心身の状態に合わせて日常生活支援の内容を変更し、柔軟に対応することも大切です。体調の悪いときには普段よりも軽度な作業を、誰かと交流したい気持ちがあるときには他の利用者さんと協力しながらできる作業をお願いするなど臨機応変に対応します。

また、利用者さんの外出援助(外出支援)も重要な仕事です。地域の医療機関を受診するときや外食・買い物に行くときなど、グループホームの外に出かけるときは同行し、必要なサポートを提供します。

2-2. 健康管理

利用者さんのバイタルチェックや服薬管理を行い、健康を管理することも、グループホームで働く介護職の重要な仕事の1つです。バイタルチェックとは、適切な器具を用いて利用者さんのバイタルサイン(体温・血圧・脈拍・呼吸など)を測定・数値化し、健康状態を客観的に観察するために実施するものです。

バイタルチェックは安静時に身体の左側で測定することが一般的ですが、利用者さんの身体状態によっては右側で測定しても構いません。体温や脈拍など、チェックするバイタルサインの種類と適正値(適正範囲)はきちんと把握しておきましょう。

また、測定結果の数値の変化だけではなく、利用者さんの表情や行動といったフィジカルサインを見逃さないことも大切です。定時のバイタルチェック以外でも、「いつもと様子が違う」と感じたらバイタルチェックを行えるよう、常に利用者さん一人ひとりを見守ることが求められます。

2-3. 計画作成

グループホームで働く介護職の中には、利用者さんに提供する介護サービスに関する計画を立案する「計画作成担当者」という役割を担っている人もいます。グループホームでは、1ユニットごとに最低1人の計画作成担当者の配置が義務付けられています。キャリアが長くなると、計画作成担当者としてケア計画に携わることもあるでしょう。

◆計画作成担当者の主な仕事内容

・利用者さんや家族から相談事や希望などの聞き取りを行う
・ヒアリング結果と状況を考慮し、ケア計画を立てる
・計画に基づいたケアが実施されているかモニタリングする
・記録作成を行う
・必要に応じて計画の見直し・修正を行う

なお、計画作成担当者と同じようにケア計画(ケアプラン)を作成する職種として、介護支援専門員(ケアマネジャー)が挙げられます。ケアマネジャーは資格が必要であり、事務作業中心の職種であるのに対し、ケアマネジャーではない計画作成担当者は介護現場で業務を担う場合が多いことを押さえておきましょう。なお、計画作成担当者としてユニットごとに1人以上の介護支援専門員を置く必要があります。

(出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」 / https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647295.pdf)

2-4. イベント企画

グループホームでは、認知機能の維持や気分転換、運動不足の解消、施設生活における生きがい・喜びの実感などを目的として、さまざまなレクリエーションを実施しています。レクリエーションやイベントの企画・準備も、介護職の大切な仕事の1つです。

◆グループホームで開催されるレクリエーションの例
レクリエーションの種類
認知機能の維持を目的とするレクリエーション *パズル
*クイズ・なぞなぞ
*オセロ・将棋・囲碁
*トランプ・カルタ など
身体機能の維持・向上を図るレクリエーション *ラジオ体操
*ボウリング
*風船バレー など
QOLを高めるレクリエーション *動物・植物のお世話
*料理*合唱・合奏
*俳句・川柳
*季節のイベント
(例)豆まき・ひなまつり・夏まつり・クリスマスなど

3. グループホームで働く場合のスケジュール例

グループホームは宿泊型であり、夜勤もあります。職員の人数体制は、昼間は3人以上、夜間は1人で対応するところがほとんどです。

【日勤の場合】
8:30 夜勤者からの申し送り、1日の予定の確認
9:00 おむつ交換やトイレ誘導
9:30 入居者と一緒に編み物や制作活動、軽い体操などを行う
10:00 一部の利用者さんと一緒に昼食の準備を始める
12:00 昼食/自力で摂取できない人の食事介助
12:30 一部のスタッフ休憩/休憩に入らないスタッフは利用者さんと食器の片付けや洗い物を行う
13:30 利用者さんとともに食材やおやつを買いにスーパーへ行く。買い物に行かない利用者さんはテレビを見たり、庭の植木の手入れなどをしたりするため、そのサポートを行う
15:00 おやつ/自力で摂取できない人の食事介助
15:30 利用者さんとともに夕食の準備を始める
17:00 夕食/自力で摂取できない人の食事介助
17:30 業務終了

グループホームでは職員が食事の準備を行うところも多く、夜勤の流れも他の施設とは異なります。一人で夜勤を行う施設を希望する場合には、事前に夜勤の業務の流れを確認しておきましょう。

【夜勤の場合】
17:00 出勤、日勤者からの申し送り、食事介助
18:00 利用者さんの口腔ケアや臥床(がしょう)介助、おむつ交換
19:00 食器の片付けや、翌日の入浴準備
20:00 眠前薬がある人への服薬介助
21:00 消灯、以降2時間おきに体位交換やオムツ交換/随時コール対応
4:30 朝食準備
6:00 起床、整容や更衣介助を行う
7:00 朝食/必要な人は介助を行う
7:30 口腔ケアやトイレ誘導を行う
8:00 利用者さんの見守りをしながら記録物の記入
8:30 日勤者に申し送り
9:00 片付けをして業務終了

朝食の準備は補助のために他のスタッフが出勤するところもありますが、夜勤者が作らなければいけないところもあります。利用者さんの対応をしながら調理を行うためにも工夫が必要です。時間があるときに食材をあらかじめ切っておくといった効率の良い働き方が求められるでしょう。

4. グループホームで働くメリット・デメリットとは?

グループホームで働くことには多くのメリットもありますが、デメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を把握した上で、グループホームへの就職・転職を検討しましょう。

◆グループホームで働くメリット

・身体的な負担が比較的少ない
・利用者さんとの距離が近くアットホームな雰囲気である
・ケアやサポートによる効果・反応を間近で感じられる

グループホームは1ユニット当たりの利用者さんが5〜9人と少なく、利用者さんとの距離が近いという特徴があります。一緒に日常生活を送るので利用者さんと信頼関係を築きやすく、利用者さんの喜びや達成感を間近に感じることができるでしょう。ある程度自立した生活を送れる利用者さんの多い傾向があり、身体的な介護負担が少ないこともメリットの1つとして挙げられます。

◆グループホームで働くデメリット

・精神的な負担を感じる場面もある
・シフト制(日勤・夜勤)となる職場も多く、夜勤対応をすることも少なくない

認知症の症状が進んでいる利用者さんを担当する場合、深夜の徘徊や介助拒否などで悩む方もいます。また、夜勤専従スタッフがいない場合はシフト制(交代制)の勤務体制となる可能性があることも押さえておきましょう。ただし、夜勤は日勤に比べて給料が比較的高い傾向にあり、効率的に稼ぎたい方には、メリットが大きいと言えます。

5. グループホームの福利厚生

グループホームは医療法人や社会福祉法人だけではなく、民間企業も運営することができます。医療法人や社会福祉法人は国からの補助金も多いため、住宅手当や交通費などを用意しているところも多い傾向にあります。

民間企業は補助金を受けることができませんが、有料老人ホームやデイサービスなどを手広く運営しているところが多く、そういった職場の場合は福利厚生も期待できるでしょう。

6. グループホームのスキル・キャリアパス

グループホームに入居することができるのは、認知症の高齢者のみと決められています。そのためグループホームで働く場合は認知症に対する知識は必要不可欠です。また、グループホームではさまざまな活動を入居者と一緒に行うため、他の高齢者施設に比べるとコミュニケーションスキルが求められるでしょう。

ただし、グループホームは、自宅に近い雰囲気で運営されているところが多いため、就職後も溶け込みやすい環境ともいえます。新しい職員が入ってきたときも、客人や孫のような感覚で迎えてくれる高齢者も多く、積極的に会話ができる機会も多くあります。コミュニケーションが苦手であったり、認知症に対する知識に不安があったりする場合でも、働いているうちに必要な能力が身に付きやすい職場です。

7. グループホームで働くことの良さや向いている人

グループホームは利用者さんとのコミュニケーション能力が必要とされる場面が多くありますが、それだけ利用者さんとの距離が近い環境で仕事ができる施設です。日々の業務は流動的であり、マニュアル通りの働き方が苦手な人にとって、グループホーム勤務はおすすめです。

また利用者さんの人数が少ないため、おむつ交換や移乗介助による体力的な負担を軽減したい人にとっても働きやすい施設と言えるでしょう。

8. グループホームの仕事に生かせる資格2つ

グループホームで介護職として働くために取得必須となる資格はありません。しかし、次のような資格があれば、就職・転職や昇進、手当などで有利に働く可能性があります。

◆グループホームの仕事に生かせる2つの資格

・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修

ここでは、上記の2つの資格について、簡単に概要を解説します。

8-1. 介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護業界で働く上で必要になる基本的な知識・スキルを学ぶための資格です。受験資格として満たすべき条件は特になく、誰でもチャレンジできる入門的資格であるため、就職・転職前に取得している方も少なくありません。

介護職員初任者研修は比較的短期間で修了できる研修であり、研修を受講した上で受ける筆記試験に合格すれば資格を取得できます。難易度はそれほど高くない介護資格であるため、ぜひチャレンジしてみてください。

(出典:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」 / https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoinnyouseikennsyuu.pdf)

8-2. 介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、介護職員初任者研修の次のステップとして位置付けられる資格であり、さらに専門的かつ実践的な介護の知識・スキルを学ぶ研修です。

なお、介護福祉士実務者研修は、介護分野における唯一の国家資格である「介護福祉士」の取得を目指す上で求められる資格です。介護分野でのキャリアアップ・スキルアップを考えている方は、介護福祉士実務者研修の受講を前向きに検討しましょう。

(出典:近畿厚生局「介護福祉士実務者研修に関するよくあるご質問Q&A」 / https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/faq/yousei.html)

まとめ

グループホームで働く介護職は、認知症高齢者の方に対して生活・外出援助などを中心に、快適な生活環境をサポートする仕事を行っています。アットホームな雰囲気で、利用者さんと近い距離で信頼関係を築きながら働ける点が魅力です。

グループホームへの転職を考えている方は、「マイナビ介護職」をぜひご利用ください。マイナビ介護職では、介護業界の転職に熟知したキャリアアドバイザーが、お仕事の探し方から入職まで、幅広い転職サポートを提供しております。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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